『ビール・ストリートの恋人たち』で愛を振り返ってみては?
ある恋人たちに訪れた過酷な運命を通して、人種差別への怒りや人間への愛を描いている本作。ちょっとしたあらすじを読んで「重たい内容かも……」なんて思わないで。監督バリー・ジェンキンスによる美しい映像も相まって、鑑賞後は希望に満ちあふれた気分になること間違いなし!
- SERIES:
- 今週末は、この映画に胸アツ!
- TAGS:
- 今週末は、この映画に胸アツ! Culture
ムネアツなポイントは?
“愛って素晴らしいと心底感じる!”
幼なじみだった男女が互いを意識するようになり、関係を結び、やがて人生のパートナーに。ラブストーリーとしては平凡で純粋すぎるゆえに静かですらあるが、恋人同士が黒人であるという現実が次第に静寂を壊していく。男は白人警官の怒りを買い、身に覚えのない罪を着せられて留置所へ。彼への愛を胸に日々を送る女は苦闘する。しかし、バリー・ジェンキンスの世界は、セリフの1つ1つ、登場人物たちが見せる表情や挙動の1つ1つがロマンチックで美しい。さらには当時を再現した’70年代ファッションも目にあざやか。理不尽な試練に見舞われた恋人同士にもかかわらず、美しいストーリーと映像に、ときめきすら覚えてしまう。
アカデミー賞作品賞を受賞した前作『ムーンラント』でも、貧しい黒人として、同性愛者として厳しい現実を生きる主人公の物語が、同じく圧倒的な映像美とともに描かれていた。そして、その中には不公平な現実に対する怒りと人間への賛美ともいえる幸福感があった。本作『ビール・ストリートの恋人たち』にもバリー・ジェンキンスは同様のものを丁寧に詰めこみ、確かなメッセージを浮かび上がらせている。今後も話題作を生み出し続けるであろうバリー・ジェンキンスの名前、ぜひ覚えておいてほしい!
【あらすじ】
1970年代のニューヨークで愛を育み、新しい命を迎えようとしているティッシュとファニー。幼なじみ同士から自然と恋愛関係へと発展した2人にとって、このニュースは素晴らしいものになるはずだった。しかし、ファニーは無実の罪を着せられ、身重のティッシュとは留置所のガラス越しにしか会えない。そんな彼を救うため、ティッシュや家族たちは奔走するが……。
『ビール・ストリートの恋人たち』
監督/バリー・ジェンキンス 出演/キキ・レイン、ステファン・ジェームス、レジーナ・キング 配給/ロングライド
2018年/アメリカ/上映時間119分
2月22日(金)より、TOHOシネマズシャンテほか全国ロードショー
「映画通ですね!」と言われたい人はコチラもどうぞ!
●彼女と仲直りする方法、知りたくない?恋愛映画5選!
●過酷な状況でもあきらめずに生き残れ!サバイバル映画5選!
●”頼れる男”といわれるためのレスキュー映画5選!
●男の友情にグッとくるバディ映画5選
●男の美学がわかる映画5選
●予測不能なドンデン返し映画5選
●希望が持てるカムバック映画5選
●絶望的な状況でも希望が持てる大脱出映画5選
●詐欺犯罪映画5選
●もしものための人質奪還映画5選
●思わず歌って踊りたくなるミュージカル映画5選
●権力に挑んだ男の映画5選
●理想の男の引き際映画5選!
●出発(想定)前に観るべきSF映画5選!
●麗しき師弟映画5選
●展開から目が離せない冒険映画5選
●監督の作風がよくわかる映画5選!
●食欲をそそるグルメ映画5選!
●男の生き様映画5選!
●西海岸の風を感じる映画5選!
●ソーカイで、ツーカイな旅映画5選!
●怖〜いホラー映画5選!
文=渡邉ひかる text:Hikaru Watanabe