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CULTURE カルチャー

2019.01.03

人生に迷ったらマイケル・マン監督作を観ろ!
男の美学がわかる映画5選

“男たるものこうあるべき”と思っていても、現実は潔いことばかりじゃない。「あ〜したらよかった」、「こ〜したらいいんだけど……」なんて、ときには迷ったりすることだってあるはずだ。しかし、現実がそうであったとしても、守るべきものや理想とする男の生き様はしっかりと胸に刻んでいたいもの。そこで是非観てもらいたいのが、“男の美学”を描いたら右に出るものはいないマイケル・マン監督作品だ。武骨な男たちのかっこいい立ち振る舞いには、誰もが魅了されること間違いない。さあ、マイケル・マン監督の描く“男らしさ”を観ておけば、2019年、様々な難題が降りかかってこようと自信を持って挑んでいけるはず!

 


『ヒート』
製作年/1995年 製作・監督・脚本/マイケル・マン 出演/アル・パチーノ、ロバート・デ・ニーロ

男なら、何事にも“プロ意識”を持って挑め!
男らしさ度★★★★★

ロバート・デ・ニーロ演じるギャングのボス、ニール。そしてアル・パチーノ演じるLA市警刑事のヴィンセント。ともに自分の仕事に過剰なまでのプライドを持った、プロ中のプロだ。そのうえ、名優同士がハイレベルの熱演を披露。絶対に譲れない男のプライドを表現したこの『ヒート』は、ハードな男の世界を体感させてくれる。

そんな男のプライドの中でも我らが参考にすべきは、 “プロ意識”の高さだ。強盗集団を率いるニールの場合、たとえば白昼、銀行へ押し入るシーンでは、その大胆かつ冷静な動きに犯罪者ながら“仕事人”としての完璧さが光る。それを象徴するのが、家具が一切置かれていない彼の自宅だ。この理由は、「30秒フラットで高飛びできるよう面倒な関わりを持つな」という言葉にある。要は、危険が押し迫ったときに身一つで逃げられるように。そして、大切な人がいたらその人まで巻き込まないように……っていう彼の哲学なわけ。犯罪者だということを除けば、その生業にストイックに向き合う姿勢やプロとしてのあり方は、男として学ぶべきところがある。

そしてヴィンセントもまた“仕事に憑かれた男”だ。仕事に没頭するとほかの事を忘れて行動してしまう性格。その代償として、家庭を失うという男の悲哀も突きつけられるのだ。この主人公2人を中心に『ヒート』に出てくる男たちに共通するのは、損得に関係なく、カラダの中から湧き出してくる“本能”が原動力になっているという点。実際には、まわりに迷惑をかけるので真似できないが、その本能のままに行動できる男らしい心意気だけは持っておきたい。
 

 


『ラスト・オブ・モヒカン』
製作年/1992年 製作・監督・脚本/マイケル・マン 出演/ダニエル・デイ・ルイス

男なら、約束を守る有言実行な人間になれ!
男らしさ度★★★★★

愛する女性のために、自らの命を差し出す勇気はあるか? この『ラスト・オブ・モヒカン』でダニエル・デイ=ルイスが演じるモヒカン族のホークアイは、要所で究極の決断を口にする。イギリス軍指揮官の娘で、愛する女性のコーラが火あぶりの刑に処せられそうになると、代わりに自分を火あぶりにしてくれとまでいうのだ。その自己犠牲の精神は、マイケル・マン映画の中でもトップクラスだろう。

主人公ホークアイの原動力はなにかといえば、シンプルに“約束や誓いを守ること”である。イギリス人開拓者の息子ながら、アメリカ先住民のモヒカン族に育てられたこともあって、自分の言動への責任感や覚悟が半端ない。コーラが連れ去られるときのホークアイのセリフがすべてを物語っている。「何があっても生き延びるんだ。そうすれば俺が見つけてやる。どんなに時間がかかっても、どんなに遠くの場所にいても、必ず見つけ出す」。有言実行の男に誰もが惚れるはずである。
 




『コラテラル』
製作年/2004年 製作・監督/マイケル・マン 出演/トム・クルーズ、ジェイミー・フォックス

男なら、一歩踏み出す勇気を持て!
男らしさ度★★★★

殺し屋ヴィンセントを客として乗せてしまったことで、恐ろしい任務に付き合わされるタクシー運転手マックスの一夜を描く作品。マックスは、12年間タクシー運転手を務めている平凡な男。いつか会社を立ち上げるという夢も持っているが行動に移さないまま現在に至っていた。一方、ヴィンセントは「最も優先すべきことへ一切の迷いなく最短距離で進む」というルールを己に課して生きてきた凄腕の殺し屋。つまりは、本作は負け組と勝ち組の対比が構成の妙味となっている。

男の美学となると、ヴィンセント側に注目しがちだが、ここはあえて市井の人マックスからそれを見出したい。当初、彼はとんでもない男から逃げることだけを考えていた。が、殺しの標的が書かれたデータがあることを知る。そして、標的がわからなくなるよう破壊するなどの反撃にではじめる。で、クライマックスには、最後の標的アニーを、身を呈して守り、ヴィンセントと激しい銃撃戦まで行う。危険な目に遭うことで、自分自身を究極まで追いこみ、彼はようやく逃げることから1歩踏み出す勇気を得たというわけだ。

「変化のない日常から抜け出したい」、「なにか特別なことはないか」、とマックスのように日々漠然としたなにかを待っている人は多いのではなかろうか。でも、それを現実にするには、まずは行動に移すことが大事。マックスは、ヴィンセントとの出会いで “目の前にあるものから決して逃げない”という男としての踏ん張りを学んだ。ハードボイルドの世界に壮絶なアクションを用意するという、マイケル・マン監督らしいテーマが貫かれた一作だ。
 

 


『マイアミ・バイス』
製作年/2006年 製作・監督・脚本/マイケル・マン 出演/コリン・ファレル、ジェイミー・フォックス

男なら、度胸を据えて立ち向かえ!
男らしさ度★★★★

麻薬組織に潜入捜査をしていたFBI捜査官が殺害された。情報漏えいを疑うFBIは、捜査に関与していないマイアミ特捜課ソニーとリコに漏えいルートの割り出しを依頼。2人は麻薬の運び屋に成りすまし、組織との接触を図ろうとする……。潜入捜査という過酷な任務が男ゴコロをくすぐる一作。オリジナルのテレビシリーズ版も手掛けていたマイケル・マンが、雰囲気を一新させ、ハードボイルド映画に仕立てている。

当然ながら、そんな2人を潜入先の組織は警戒。現場を取り仕切るイエロは疑いの目を向け、詰問してくる。そこでのソニーとリコの駆け引きが実にお見事。慌てず、騒がず、自らを説明。それでも脅してくる相手に、手榴弾を片手に握りしめ、覚悟を示す。この一歩も引かない度胸のよさに男らしさを感じずにはいられない。

男たちがしのぎを削る世界が得意なマイケル・マン作品にあって、本作はコン・リー演じる美女イザベラとソニーが恋物語を展開。珍しくラブシーンも多いのだが、でも観せたいのはそこではない。愛した女性を組織から逃がすために命を賭けるなどの、男の熱い生き様、そしてみなぎるスピリットだ。人生の中でピンチは何度も訪れる。つい逃げたくなるが、そこは度胸を据えて立ち向かいたい。そこにそこ男の美学があると、この映画は教えてくれている。
 

 


『パブリック・エネミーズ』
製作年/2009年 製作・監督・脚本/マイケル・マン 出演/ジョニー・デップ、クリスチャン・ベール

男なら、仲間を思いやれ!
男らしさ度★★★

大恐慌直後の1930年代。あざやかな手口で銀行強盗をし続け、社会に不満を募らせる大衆の人気を得た人物がいた。それが、実在の犯罪者ジョン・デリンジャーだ。仲間を裏切らず、女性に優しい。そして、“利益を独占する銀行を襲っても、弱者の市民からは絶対に強奪しない”、そんなポリシーを持っていた。その主人公をチャーミングに演じたのが、ジョニー・デップ。マイケル・マンが描いた犯罪者の中でも、このキャラは妙に人間味がある。

特に男として見習いたいのが、仲間を思いやる気持ちだ。インディアナ州刑務所に服役している仲間を相棒レッドとともに脱獄させたり、警察の監視下にある恋人ビリーを命がけで迎えに行ったり。一般的に犯罪者といえば、仲間を裏切ってでも生き延びるイメージが強い。しかし、このデリンジャーは自分よりも仲間を優先するのだ。なぜならそれがポリシーだから。自分の中の“誓い”や“ポリシー”を大切にする点は、マイケル・マン映画に共通する醍醐味だろう。

ちなみにデリンジャーを追う、FBI捜査官のパーヴィスはあえて冷血な仕事人として描かれる。こうやって、善が悪に、悪が善に見えるというパラドックス、つまり善悪のモラルを崩していく点もマイケル・マン監督の真骨頂だ。


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文=斉藤博昭 text:Hiroaki Saito
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