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CULTURE カルチャー

2018.10.21

自分はもう必要じゃないのか!?
理想の男の引き際映画5選!

男の引き際、難しいですよね〜。まだやりたいけど、年齢、体力的に厳しくなった場合。はたまた、大人の事情で身を引かざるを得ない場合……。いろんな局面で、男の引き際を考えさせられることが多い今。そこで今回は、名作映画を参考に理想の男の引き際を考えてみたい。誰しもが訪れる、引き際。そのとき、アナタならどうする!?

 

 


プロとしての引き際。そこで終わりではないことも教えてくれる!
『人生の特等席』
製作年/2012年 監督/ロバート・ロレンツ 出演/クリント・イーストウッド

自身の監督作『グラン・トリノ』もそうだが、クリント・イーストウッドほど“引き際”をかっこよく演じられるスターはいないだろう。メジャーリーグのスカウトマンとして長年、その目利きをはたらかせてきたガスも年齢による衰えを自覚しはじめる。弱った視力を補うため、ボールがバットに当たる音でその才能を判断するなど、熟練のなせる技を持つものの、球団フロントからは解雇されかけている。プロフェッショナルとしての引き際をどう考えるかという点で、これほど胸に迫る映画も少ない。

そして今作は、引退を迷う人に対し、家族の対応をしっかり描いているところも見どころ。弁護士として多忙を極める娘が、自分の仕事を休止して父親のスカウトの旅に同行する。母親を早くに亡くし、父に育てられた娘。それゆえに父娘の関係は微妙な距離感だが、彼女は父の仕事ぶりを近くで目にしながら、改めて人生になにが大切なのかを学んでいく。ガスはこれで仕事を引退するかもしれない。それでも人生はまだ続く。引き際を迎える年齢になっても、新たに周囲の人に勇気や人生の指針を与えることができるのだと、今作は教えてくれる。
 

 


潔い見切りか、燃え尽きるまで突き進むか? その答えを教えてくれる!
『グランドフィナーレ』
製作年/2015年 監督/パオロ・ソレンティーノ 出演/マイケル・ケイン

様々な職種の中でも、“芸術家”ほど引き際を決めるのが難しい仕事はないだろう。肉体と精神がしっかりしていれば何歳までも続けられる。しかし同時に、才能がなくなっていく現実とも直面する。その意味で、今作の主人公である音楽家と、その親友である映画監督のドラマは切実だ。世界的指揮者のフレッドは、英国の女王から依頼された演奏会も「引退したから」とあっさり断る、頑固な性格。人生の仕事は終わったと潔く見切りをつけている。一方で映画監督のミックは、まだまだ新作への意欲を失わない。自身の引き際に対し、真逆の考えをもつ2人は、その運命を大きく分けていく。

舞台となるのは、スイスのアルプスにある高級リゾート地。老人たちや、あのマラドーナを思わせる元サッカー選手など、すでに“現役”を終えた人々が集まっている。どこか現実離れしたムードも漂うなか、皆それぞれ過去の栄光とどう折り合いをつけるか。その言動が要所で心に刺さる作りだ。フレッド役のマイケル・ケイン、ミック役のハーヴェイ・カイテルが、引き際が対照的な役を過去の映画のキャリアも重ねて演じ、胸が詰まる瞬間が何度も訪れる。
 




自分がなにをやってきて、これからなにをやりたいのか、そこが大事!
『ラブ・オブ・ザ・ゲーム』
製作年/1999年 監督/サム・ライミ 出演/ケヴィン・コスナー

毎年、シーズンが終わる頃になると引退表明が出される野球界。今作の主人公、ビリー・チャペル投手も40歳を迎え、選手生命のピンチに立たされている。優勝が決まるゲームでの登板を任されているのだが、その日の朝にオーナーからトレードまたは引退を勧められてしまうビリー。しかも恋人には別れを告げられたばかり。モヤモヤを抱えたまま、彼は一世一代のマウンドに上がることになる。

引き際を考えたとき、人はこれまでの自分の生き様を振り返るもの。今作のビリーも、決戦のマウンドで対戦バッター、さらに痛みを訴える自分の右腕と格闘しながら、これまでの日々に心を巡らせる。そしてタイトルが意味する“野球が好き”という思いがあふれ出すクライマックスへ! ケヴィン・コスナーの“直球”なヒーロー像も清々しく、引き際を描いている作品なのに後味もこのうえなく爽やか。これまで自分がなにをやってきて、そしてこれから本当になにをやりたいのか。そんなメッセージが熱く伝わってくる。
 




退くけど終わりじゃない! その後の人生を楽しむヒントがここにある!
『アバウト・シュミット』
製作年/2002年 監督・脚本/アレクサンダー・ペイン 出演/ジャック・ニコルソン

多くの人にとって“引き際”を感じるのは、定年退職を迎えるときかもしれない。今作の主人公、ウォーレン・シュミットも長年、地道に勤務していた保険会社を66歳で定年退職。しかし、そこから波乱万丈の運命が待っていた。妻が急死して途方に暮れ、娘が連れてきた婚約者も気に入らない。ジャック・ニコルソンの熱演&怪演もあって、第2の人生に振り回される男の哀感に、気づけば感情移入してしまう巧妙な1作だ。

この映画が描くのは“引き際”を経験した後の生き方。人間というものは、それまで生き甲斐だったなにかを失ったとき、ストレスが膨れ上がったり、ガックリ落ちこんだりするもの。今作のシュミットの場合、運命も感情の起伏も劇的なのだが、引き際の後の人生にどう対処するべきか、多くのヒントが隠されていたりする。アレクサンダー・ペイン監督は、黒澤明の名作『生きる』を参考にして脚本を書いたとのこと。笑いと感動のブレンドも絶妙だ。
 




納得できない引き際に戸惑っている人、希望のよりどころを教えます!
『カンパニー・メン』
製作年/2010年 製作・監督・脚本/ジョン・ウェルズ 出演/ベン・アフレック

人生経験を重ね尽くしたり、自分の限界をわかっていれば、引き際も受け入れやすい。ところが、まだこれからという時期に突然の引き際を突きつけられると、苦悩して迷走する可能性も高い。今作でベン・アフレックが演じるボビーは、リーマンショックの影響下、要職にあった大企業でまさかのリストラ。再就職に奔走するのだが、以前の年収にこだわり、なかなか新たな仕事が見つからない。看護士として家計を支えようとする妻とも、高級車を手放すかどうかで口論する。余計なプライドと未練で、現実に向き合えない男だ。

そんなボビーは妻の兄の大工仕事を手伝うことになり、かつては見下していた、しかも慣れない肉体労働にいそしむことになる。思わぬ引き際に直面した人に、まわりが差し伸べる手。それを本人がどう受け入れ、今後の人生に対処するべきかを、今作は教えてくれる。生きていれば納得できない引き際も訪れる。しかしその後も希望を忘れてはいけないのだ。

文=斉藤博昭 text:Hiroaki Saito
photo by AFLO
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