こういうのを“クール”っていうのかも! 〈アウディ〉Q6 e-tron クワトロ アドバンスト
超新型車、というとなにやら大袈裟な感もあるけれど、モデルチェンジではなく全くのニューモデルって、そうも言いたくなるくらい、なんだか心が躍りませんか? さらに最新技術がばかすか投入されている注目車となればチェックは必至。しかも! ある程度の熟成を経て、新型モデルのくせにコナレてるなんて一体どういうこと? ご紹介しましょう、今回のピックアップは〈アウディ〉Q6 e-tron クワトロ アドバンストだ。
- SERIES:
- 話題のクルマを品定め!
- TAGS:
- 話題のクルマを品定め! Cars アウディ
〈アウディ〉は数あるプレミアムブランドの中でも最も早くから電動化に取り組んできたし、現在も電動化を強く推進し続けるブランドでもある。むろんこのQ6 e-tronも完全なる電気自動車だ。しかし、これまでの同社BEVに比べて、このQ6 e-tron、見た目からして少し様子が違う。なんだかちょっとエンジンモデルっぽいのだ。
まずはボンネットが長く、まるでその中に従来どおりのパワフルな内燃機関をいだいているかのようなスタイリングに注目したい。アイコンであるシングルフレームグリルも、その名のとおりしっかりと“グリル”形状が取られていて、ハニカム柄のメッシュ(柄)までもが作り込まれている。もちろん中にはエンジンが入ってないから、クーリングのための本当の開口は最小限にまで抑えられているけれど、一見すると「これって本当にBEV?」なのだ。すでにSUVでいえばQ8 e-tronやQ4 e-tronをラインナップさせている〈アウディ〉。それら既存モデルとは立ち位置というか、アプローチのデザインでの変化を感じさせてくれて興味深い。
一転、インテリアはデジタル化によりかなりミニマライズ、かつ先進的にデザインされている。ドアを空けた瞬間に「わあ、今の〈アウディ〉ってこんななんだ!」と新鮮な驚きを与えてくれるから是非本物をチェックしてほしい。ドアコンソールはじめ、11.9インチの液晶メーターと14.5インチのタッチスクリーンがドライバーを取り囲むように曲面でアーチ状に配される“MMIパノラマディスプレイ”がとにかく未来的。オプションではあるが、さらに助手席前にパッセンジャーディスプレイを設置することもできる。同じような演出としては〈メルセデス・ベンツ〉EQSのハイパースクリーンや同Eクラスのスーパースクリーンが挙げられるけれど、〈アウディ〉のコチラは、そもそものシンプリシティが先進性と相まって、ここまでのゴージャス仕様ではありながらも、ドヤ感ラグジュアリーというよりスッキリ、スタイリッシュな印象だ。
さて、その走りはさすが“BEVで2周回半前を行く”〈アウディ〉。名前を変えて2代目へのフルモデルチェンジをとうに果たしているQ8 e-tronを持つだけあって、初期にあった(そしてライバルでも未だに苦労しているメーカーも多い)バッテリーの重みからくるドスドス感やバタバタ感が全くきれいに払拭されていて、かなりお行儀がいい。同じクループ内の〈ポルシェ〉と同時開発され、双子のように誕生したのがマカン エレクトリックということもあり、プラットフォームもコストを費やした新開発だし、800Vで駆動する高電圧のため航続距離も600kmをゆうに超える。試乗車は前後モーターのクワトロ、つまり四輪駆動だったため、一般道試乗でもパワフルかつフラットで、ペダルからのレスポンスはもとより、コーナリングやレーンチェンジの素直さも〈アウディ〉らしい洗練されたモノだった。
海外では最大270kWまでの充電出力に対応しているから、日本でもいずれ実現すれば、10%から80%までの充電回復にわずか20分、という夢も叶うかも、なのだ。〈アウディ〉らしさ全開の淡麗辛口、こういうのを“クール”っていうのかも!
★DATA 〈アウディ〉Q6 e-tron クワトロ アドバンスト
●全長×全幅×全高:4770×1940×1695㎜
●車両重量:2410kg
●ホイールベース:2895㎜
●一充電走行距離(WLTCモード):644km
●システム最高出力:285kW
●フロントモーター最大トルク:275N・m
●リアモーター最大トルク:580N・m
●駆動方式:四輪駆動
●税込み価格:998万円〜