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2026.02.01


アメ車が好きな人なら一度は乗ってみたい! 1969年式〈シボレー〉コルベット C3

日本におけるアメ車の第一人者であるIKURAさんが、アメリカ生まれのヴィンテージカーを紹介。今回は、アメリカンマッスルカーにおけるキングとも言えるスペシャルな1台が登場。もはやクルマというより芸術品だ。

 

 撮影現場に現れたそのクルマは、まさしく咆哮と呼ぶにふさわしい爆音を轟かせる。「なんといっても427ビッグブロックエンジンだからね。ちょっと踏むだけでホイルスピンできるよ」。今回紹介する1969年型のコルベット C3に搭載される同エンジンは、排気量7リッターのV8というモンスターエンジン。アメリカンマッスルカーが好きな人にとっては、憧れの存在だ。「個人的にはスモールブロックのほうがイジりやすくて好きだけど、まぁ一般的にはビッグブロックが好きという人が多いかな。馬力は当時数種類設定があり、これは390馬力。4速マニュアルだから、走りが好きな人なら最高に楽しいクルマだと思うよ」

427キュービックインチ=約7リッターという排気量を誇る巨大なエンジン。「アメ車を象徴するエンジン。’70年代になると排ガス規制が厳しくなり、こんな大排気量は少なくなる」

そんな同車だが、魅力はもちろんエンジンだけじゃない。見てのとおり流れるような美しいシルエットも、名車とされる理由だ。「こんなラインは、今のクルマには出せないよね。バンパーもアイアン製だし。この細くて鋭いバンパーが格好いいんだよ。やっぱりコルベットはこうじゃなくちゃ」。強烈なエンジンを積みながら、ボディはなんとFRP製。車重が軽いだけに加速がハンパない。「しかも、この個体はオリジナルペイント。こんなにいい状態は珍しいよ。内装の状態もすごくいい。レザーシートは張り替えているようだけど、オリジナルの雰囲気をちゃんと踏襲しているよね」

C3の美しいボディラインを強調するアイアンバンパーとリトラクタブルヘッドライト。「C4になるとなくなっちゃう。このシャープなラインが最高に格好いいよね!」

名マッスルカーが続出した年代だが、その中でも突出して高級車扱いだったとか。「この状態のものを日本で乗ろうと思ったら1500万円ぐらいはするんじゃない? これはエンジンと車体番号が一致するナンバーズマッチ。憧れている人が多い車体だし、それに大事に乗れば価値は上がる一方のクルマだからね」

水温計や油温計がズラリと並ぶメーターまわり。クロームを多用せず、レーシーな黒で統一している。「樹脂やレザーの割れもなく、すごくいい状態。レーシーだけどエアコンも完備」

先代のC2から採用されたスティングレイ=アカエイの名を受け継ぐC3。大胆なラインを描くフェンダーによるくびれたシルエットから、コークボトルという愛称でも知られている。「ルーフは取り外しが可能なTトップ。これが結構雨漏りするんだよ(笑)。それもアメ車らしいんだけどさ。エンジンフードもちょっとチリがあってないね。FRP製だから直せないけど、これもアメ車の味だね」

エンジンルーム内の熱を逃すサイドのダクト。「結構大きいんだけど、これぞまさしくスティングレイ=アカエイって感じだよね。このコンセプトの明確さも、名車とされる理由だと思うよ」

センターに給油口が設けられたリヤはなんとトランクなし。シートの後ろ側に幅30㎝にも満たない狭いスペースが設けられているだけだ。「まさにスパルタン。メーターまわりもすごくレーシーだもん。走ることに特化したクルマだよ。発売当時も、お金持ちの趣味車って感じだったみたい。デートには向かないよね。エンジン音もかなりするし」。とはいえこのシャンパンゴールドは実に美しく、クルマに興味のない女性が見てもスペシャルな1台とわからせてくれるはずだ。

C2から採用されたスティングレイ。開発担当者の一人であるビル・ミッチェルの趣味が釣りだったことが由来。「オーバーフェンダーでカスタムする人もいるけど、オリジナルのほうが断然いい」

いざ乗るとなると故障が心配になるが、この手のアメ車は心配ないとか。「もともとアメ車は頑丈だし、ここまでの名車ならパーツも豊富に揃っている。ただし、もしエンジンがまるでダメになったら苦労するだろうね。427ビッグブロックは人気のエンジンだから、直すだけで相当なお金がかかるよ」。それでも資金と維持費を確保できるなら、所有する価値は大いにある。「これまで何台か所有したし、今でも1台持っているよ。アメ車に興味がある人なら、一度は乗りたいクルマだね」。アメリカ本国でもカリスマ的人気を誇るだけに、日本ではお目にかかるだけでも希少。「とはいえ、素人には無理かな。多分エンジン音を聞いただけでビビっちゃうんじゃない?(笑)」

IKURA
これまで300台以上のクルマを乗り継いできた生粋のカーマニア。日本最大級のアメリカンカスタムカルチャーの祭典“アメフェス”の主催者としても有名。そのほか、ミュージシャンやタレントとしても活躍している。
URL:https://ikura61official.com

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Information

※『Safari』3月号182〜183ページ掲載

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写真=瀬田秀行 文=安岡将文
photo : Hideyuki Seta text : Masafumi Yasuoka
cooperation : Luminox, Almond Surfboards, Digna Classic,Bonny Port, M-Spec
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