円熟のクオリティ! 〈レクサス〉RX
「もうそろそろか?」と何度も噂がありつつも、なかなか収束しないのがSUV人気。シュリンクするどころかセグメントも細分化され、むしろ余計に盛り上がっている説すらある。そうなってくると「いったいどれを選ぶのが正解なのか?」、クルマ選びはますます迷宮入りをしてしまうことに……。
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それではもうひとつ、“クルマニア”をさらに悩ませる選択肢(!)をご提案したい。もちろん完全なる新型モデルを文字どおり“一番乗り”するステイタスも素晴らしい。けれど、人気モデルの商品力をさらに底上げした“小改良モデル”なら、間違いのない、ネガの出切った円熟を味わえるのも事実。今ならそのひとつが〈レクサス〉RXだ。
今年の2月に改良が発表されたその内容は、愚直なまでの地道なもの。今回のレビューはラインナップの中でも、そもそもの基礎体力の高い、プラグインハイブリッドモデル RX450+をチョイスした。新設定のボディカラーと、大型ディスプレイの標準採用、イルミネーションの追加など以外、インテリアとエクステリアの変更はナシ。なので、見た目はまんま“フツーのRX”。だけど乗り出せば圧倒的な進化をすぐに体感できるハズ。





まず、びっくりするほど静かになっている。プラグインハイブリッドの大型バッテリーのおかげで、もとよりRXのラグジュアリー性は高かった。しかしモーターからエンジンに切り替わるところに若干感じていたエンジンノイズや風切り音などが、さらに低く抑えられた印象だ。インパネやダッシュボード、リアボディまわりに遮音、または吸音材を追加し、エンジンルームからのノイズを抑えることに加えて、リアドアはアコースティックガラスを採用するなどもされている。それだけではなく、エンジン制御自体を見直すことで、根本的なエンジンノイズの低減を目指したとか(RX500h)。
さらに“らしい”のは、抑えるだけでなく、Sportモードを選択すれば、まるでダウンシフトのようなスポーティなサウンドを聴かせてくれるという、サウンドエフェクトが追加されたこと! ドライブの高揚感をも煽る〈レクサス〉らしい遊び心だ。
もちろん音だけじゃない。特に箱根なんかのワインディングに駆り出すと、どう考えても初期モデルより、ハンドリングが劇的に良くなっている。クイックに鼻先がコーナーの先を目指し、右へ左への切り返しもクイックだし、背の高さからくる揺り返しも少ない。直接的にはアブソーバー減衰力やダンパーの定数、シャシーのセッティング最適化に加え、電動ステアリングの制御も見直して、よりコンフォート性の高いフラットな走りを求めたという。

モデルによって適材適所で改善点は異なるけれど、好評だったリア操舵アシストであるダイナミックリアステアリング(DRS)をRX450+に拡大しているほか、主力パワートレーンのハイブリッドモデルRX500hにも大幅な改良が加えられているから、RXすべての底上げがなされたと考えていただいてイイ。
そう、見た目だけではわからないこの進化は、まさに今の〈レクサス〉の良心なのかも!
★DATA 〈レクサス〉RX450h+“version L”
●全長×全幅×全高:4890×1920×1700㎜
●車両重量:2160kg
●ホイールベース:2850㎜
●エンジン:2.5ℓ直列4気筒
●エンジン最高出力:136kW(185PS)/6000rpm
●エンジン最大トルク:228N・m(23.2kgf・m)/3600~3700rpm
●フロントモーター最高出力:134kW(182PS)
●フロントモーター最大トルク:270N・m(27.5kgf・m)
●リアモーター最高出力:40kW(54PS)
●リアモーター最大トルク:121N・m(12.3kgf・m)
●システム最高出力:227kW(309PS)
●駆動方式:電気式四輪駆動(E-Four)
●税込み価格:887万円
●レクサス インフォメーションデスク
TEL:0800-500-5577
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