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2025.12.24 NEW

ドライビングレッスンと阿蘇・熊本の旅がひとつに!
〈レクサス〉が主催するイベントを体験してみた!

〈レクサス〉がオーナー中心で行うイベントっていったいどんな感じ? もちろんなかなか参加する機会がないゆえに、その内容を知るのは難しいところ。でも、今回は幸運にも取材OK。さっそく気になるイベントに潜入し、初冬の阿蘇・熊本、そして大分にあるサーキット“オートポリス”にて、オーナーと同様の体験をしてみた。

2025年11月24日〜25日の2日間、〈レクサス〉主催のイベントが九州・熊本と大分を跨いで開催された。題して「Lexus Circuit Experience×阿蘇・熊本ドライブ旅 with apr」。イベント内容は読んで字のごとく、阿蘇・熊本を巡るドライブ旅と、大分県にあるオートポリスでサーキット体験をすること。「ほう、aprも一緒となると、スリリングな体験もあるのかな?」と思った人はお察しのとおり。スーパーGT好きならご存じのとおり、“apr(エー・ピー・アール)”といえば泣く子も黙る日本のレーシング・コンストラクター。2025年のスーパーGTでは〈レクサス〉LC500h GTと〈トヨタ〉GR86 GTで参戦。また同年のスーパー耐久では〈レクサス〉RC F GT3を投入し、ライバルとしのぎを削っている。で、今回、そんなチームの現役レーサーをはじめ、監督やスタッフもイベントに参加。〈レクサス〉オーナーにリアルなレーシング体験を提供しようというのだから、心が躍らないわけがない。

DAY1

絶景が感動を呼ぶ、阿蘇・熊本の楽しいドライブ!

イベント初日はフリードライビング。参加するみなさんは阿蘇・熊本のドライブ旅へと繰り出し、宿泊先となっている“つえたて温泉 ひぜんや″に各自チェックインするというプランだ。ちなみに参加者は、自らの愛車を持ち込んでのエントリーがほとんど。レンタカーでの参加も可能というが、やっぱり「走り慣れた愛車でドライブを楽しみ、サーキット走行を満喫したい」というのがお望みなのだろう。しかも今回のイベントはドライビングレッスン付き。フルブレーキ体験やステアリングさばきなど、プロからのアドバイスを受けつつ愛車のポテンシャルを知ることで、安全意識が高まるほか、今後の運転スキルがさらに上達することが期待できる。つまり、日頃から「愛車の優秀さを確かめたい」とか「コーナーを速く、気持ちよく走り抜けたい」、あるいは「レーシングの世界を覗いてみたい」なんて思っている人には、願ってもないチャンス到来。「これは参加しないと!」と〈レクサス〉オーナーのみなさんが意気込む気持ちはよくわかる。

今回の旅の相棒は〈レクサス〉RC350“Final Edition”

今回の旅の相棒は〈レクサス〉RC350“Final Edition”

さて、そんなイベントに同行した『Safari』はというと、阿蘇くまもと空港に降り立ったあと、〈レクサス〉RC350 “Final Edition”とご対面。〈レクサス〉のはからいにより、このクルマが“2日間だけの愛車”ということになった。ラディアントレッドコントラストレイヤリングというボディカラーをまとった愛車は、シックな赤のドレスをまとった流麗な2ドアクーペ。品よく目立つし、この時点でひと目惚れ確定。しかもそんなクルマが、318PS(234kW)/380Nm(38.7kgm)を放つ3.5ℓV6エンジンで後輪を駆動する。ひと目惚れした相手が、話してみたら(走ってみたら)さらに好きになったという、よくある事例(?)にハマったのだが、素直に気持ちがアガッたのは間違いない。

ドライブ風景はこんな感じ。とにかく空の広がりとなだらかなアップダウンが気持ちいい

ドライブ風景はこんな感じ。とにかく空の広がりとなだらかなアップダウンが気持ちいい

ドライブ風景はこんな感じ。とにかく空の広がりとなだらかなアップダウンが気持ちいい

先行車がいる街中ではゆるりと流すだけだったが(それでも阿蘇エリアの景色は素晴らしい!)、阿蘇市のミルクロード(阿蘇の西麓から外輪山に上がり、北側の稜線伝いを走る全長約45kmの道)に入ると、そこからは絶景のワインディングロードが続くことに。RCがよどみのないパワーでコーナーを気持ちよく駆け抜けるかたわら、視界の開けた前方から圧倒的なスケール感を持つカルデラ盆地や阿蘇の山々が目に入ってくる。しかも信号がない。だからずっと走っていられる。うん、確かにここは絶景ドライブにおすすめ。自由にのびのびとドライブできる環境に喜びを感じていたら、すぐにRC350“Final Edition”に乗る喜びも押し寄せてきた。「こんなにいいクルマなのに、RCはもう販売終了なのかぁ」。そう思うと、ちょっと残念。とはいえ、〈レクサス〉が考える「これがスポーツカーだ」という答えがこのクルマに宿っている。サーキットでもしっかりこのクルマのポテンシャルを味わいたいという思いが強くなっていった。

宿泊先の“つえたて温泉 ひぜんや”

渓流のせせらぎが心地いい

夕方には根本悠生選手により、翌日の段取り、上手な運転をするためのレクチャーが行われた

移動するだけでも楽しい道を堪能しつつ、オートポリスの下見を挟んで、参加者と同じ宿泊先へ。ディナーの前には、aprドライバーの根本悠生選手を招いて、明日のサーキット走行に備えてのブリーフィングが開催された。そこでは、サーキットでのスポーツドライビングを安全に楽しむための基礎知識を習得するのが目的。「止まる、走る、曲がる」の基本操作の確認からはじまり、最適なドライビングポジション、そして数々の体験プログラムの要点などがわかりやすく伝えられた。

1時間ほどで終了したブリーフィングの後は、お待ちかねのディナータイム。参加者同士が和気あいあいと語らう中、aprレーシングチームの金曽裕人監督をはじめ、チームドライバーのみなさんもジョイン。参加者との交流も楽しいひとときを作っているようだった。

DAY2

サーキットを攻め立てる楽しさを満喫!

さて、2日めは待ちに待ったサーキットイベントの日。ホテルを出た参加者はフリードライビングを楽しみながらオートポリスに集合。イベントに関する説明を受けたあと、グループに分かれて体験に臨んだ。ここからは『Safari』が体験した順に追っていこう。

1.ハンドリング&ブレーキ体験
 

小雨で路面が濡れている中、最初はハンドリング体験からスタート。本コースの横に位置するミニコースで開催された。「路面が濡れているので、あまり無理しないで走ってくださいね」といったのは蒲生尚弥選手をはじめとするaprドライバーの方々。とはいうものの、aprドライバーはすぐに先導車のRC Fに乗ってお手本を披露したのだが、速いのなんのって! コーナーではカウンターステアを当ててギュンギュン攻めておられる。「マジか!?」と驚きながら、こちらは昨日のブリーフィングを思い出した。よし、落ち着こう。ここでは「止まる、走る、曲がる」をしっかりと素早くやることが課題。さっそく意気込みとともに愛車RC350に乗り込むと、順番が来た。

aprドライバー根本悠生選手、蒲生尚弥選手、嵯峨宏紀選手、小高一斗 選手、小山美姫選手がそれぞれに分かれて、参加者に寄り添いアドバイス。これだけでも貴重な体験に

aprドライバー根本悠生選手、蒲生尚弥選手、嵯峨宏紀選手、小高一斗 選手、小山美姫選手がそれぞれに分かれて、参加者に寄り添いアドバイス。これだけでも貴重な体験に

スタートではアクセル全開。コーナーに突っ込むのだが、〈レクサス〉車のポテンシャルの高さとスピードなどを掛け合わせて攻めてはみるが、抜群の安定感で荒めの運転にも応えてくれる。「おお、これは楽しい!」。わずか2周の挑戦だったのが、カラダの中に潤滑油が注がれたようで、気持ちが昂ってきた。横を見ると参加者のみなさんも同様のようで、笑っている方もいれば、表情がメラメラと燃え上がっている方もいる。みなさん一発目から楽しそうだ。

意外に踏み込めないと多くの人が実感。しっかりと止まる意識が求められる。1回ごとに根本選手のアドバイスを受けることができた

意外に踏み込めないと多くの人が実感。しっかりと止まる意識が求められる。1回ごとに根本選手のアドバイスを受けることができた

意外に踏み込めないと多くの人が実感。しっかりと止まる意識が求められる。1回ごとに根本選手のアドバイスを受けることができた

そしてその後は急ブレーキ体験へ。50㎞/h程度からのフルブレーキでABS(アンチロック・ブレーキシステム)を作動させる。ズリッ、ズリッとブレーキペダルから振動が伝わるのは、ABSがしっかり働いている証拠。ブレーキの踏み方、クルマの挙動に関して、ここでもaprドライバーからの細かなアドバイスを得ることができた。クルマを降りたら、今度はドライビングシミュレーション体験が待っていた。トヨタ自動車の下山テストコースを走ってみるという設定だが……、このコース、クルマの改善点をあぶり出すことを目的としたトリッキーな設定だけに、なかなかに手強い。筆者もなんどもクラッシュして他界寸前(?)だったのだが、これも楽しい体験となった。


2.サーキット走行 

思う存分にアクセル全開が叶う、待望のひととき!

思う存分にアクセル全開が叶う、待望のひととき!

思う存分にアクセル全開が叶う、待望のひととき!

さあ、いよいよ大舞台へ。レースが趣味という人以外、愛車でサーキットを走る機会はそうそうあるものじゃない。実現したら、その喜びはもう、大変なものだ。というけで、わくわくのサーキット体験がスタート。まずはaprドライバー小山美姫選手がコース概要と注意点を説明。その後グループ一行は、サーキットで待つ愛車に乗り込んだ。

先行車と安全な間隔をとりつつ無断のないコーナーリングを意識。車内の音声ガイドが頼もしい味方に!

先行車と安全な間隔をとりつつ無駄のないコーナーリングを意識。車内の音声ガイドが頼もしい味方に!

aprドライバーが乗る先導車を追いかけるかたちで、一行はグ〜ンと加速して、すぐに第1コーナーへと突入。なにより嬉しいのは、車内で「100m看板手前から減速開始。1コーナー、クリッピングポイントは奥を意識」といったアナウンスが随時あることだ。これにより、コースに馴染みがない筆者でも「こうやって走るんだな」とわかり、安心してコースを堪能できるということに。終始、破綻のない走りを楽しめたのは、このアナウンスがあってこそといえるだろう。とはいえ、レーシングドライバーの先導車は当然のごとく速い。それに続く先行車のLC500ももちろん速いのだが、わが愛車RC350“Final Edition”だって負けてはいない。3.5ℓV6エンジンがナイスなサウンドを奏でつつ、相当に速い。それに足回りの安定感も抜群にいい。ハイスピードのコーナーリングでも、タイヤのグリップを感じさせつつも踏ん張り上手。コーナーの抜けもFRならではの回転フィーリングで颯爽としたものだ。

そしてやっぱり感じるのは〈レクサス〉のクルマは総じて運転しやすく、すべてが自然な動きをしてくれること。これが上質や上品といったテイストに繋がっているのは間違いないのだが、レーシングレベルにおいても破綻ない実力を披露しつつも「上品に速い」は相変わらず。クルマの信頼性が高く「安心して踏める」こともあり、結果的にドライバーはハンドルさばきに集中できる。短い周回だったが、ポテンシャルの高い愛車を野に放った嬉しさと、挑戦続きの運転に夢中になれたことがなによりの喜びとなった。ちなみに今回の参加者はLC500オーナーが多かったのだが、愛車を存分に走らせることができて、きっと嬉しかったに違いない。う〜ん、わかりますよ、その気持ち!


3.GTカー同乗体験

RC F GT3(左)とLC500h GT(右)。どちらも現役バリバリの本物!
今回のプログラムの中で最もヤバ〜いヤツがコレ。そう、GTカー同乗体験だ。イベント当日はRC F GT3とLC500h GTの2台が用意されていたが、筆者が同乗したのは前者のほう。2020年〜2025年まで稼働歴がある(スーパー耐久、ST-Xクラス)、まさに現役バリバリのマシンというわけだ。ちなみにLC500h GTはイベント2週間前に富士スピードウェイで開催されたGT300でガチンコレースしていた車両だとか。置いてあるだけでピリリとした緊張感が漂ってくるのはまさに本物だから。そして、その本物による次元の違う走りを体験できるのが今回のお楽しみのひとつ。滅多にない機会だけに、是非体験したいと熱望してきた人も多いはずだ。


筆者はサーキットタクシーと名乗る同乗体験はいくつかあるのだが、GTカーの横は今回がはじめて。なにしろ、いつもはあるはずのない助手席がちゃんと用意されているのだから、逃げるわけにはいかない。静かに腹を決めて、ヘルメットを被り、グローブをはめて、バケットシートへと沈み込んだ。「う〜ん前が見えないくらいに低い〜」な〜んて思っていたらあっという間に出動。グオーンと室内に轟く怒涛のエンジンサウンドに包まれながら第1コーナーへと向かった。「あ〜、来るぞ来るぞ」とビビりながらいると、突然、次元違いの急激なブレーキがかかりカラダは前へ。「助けて〜」と叫ぶ気持ちを吹き飛ばす強烈なGを受けながら、マシンは急旋回したら容赦なく急加速する。正直、ここで血の気が引いた。まだコーナーをひとつ曲がっただけなのに、こちらは「あら〜、もう勘弁してください」という思いを抑えることに必死だ。

その一方、GTカーの正体は超レスポンスマシンだと気づいたときに、しっかりカラダを締め付けてくれる4点式シートベルトのありがたさが身に沁みた。そしてそんな状況にも、人間は不思議なもので慣れてくる。先ほど愛車で走ったコースレイアウトが頭にあったのも、少し余裕に繋がったのだろう。次はこうだなと予測が叶うと、相変わらずGがきつい中でも、次第にドライバーの運転が楽しめるようになってきた。そこで思ったのが、プロはやっぱりブレーキワークが上手いということ。減速、そこからの荷重移動が大事だと理屈ではわかっていたが、プロの横で体験してみるとまさにそういうことだと実感。まあ、とにかくすごすぎる体験だっただけに、まずは異次元にいるプロドライバーをリスペクト。その後、ますます運転が上手くなりたいという熱が高まったのだった。


4.板金体験&電気自動車試乗

サーキットを離れてもまだまだイベントは続く。〈レクサス〉のクルマは至るところに様々な匠の技が取り込まれているのが、ここではとりわけ板金にフォーカス。トレイやタイヤ溝ゲージなど、お好みのアイテムを選んで自らが加工したり、ヤスリで磨いたり金槌を手にトンカチしたりと、技の奥深さを実感しつつ、それぞれに楽しむ様子が窺われた。そしてその後は、電気自動車の試乗体験へ。これがとってもユニークな体験で驚いた。

〈レクサス〉は電動化の時代でも、走りの楽しさを追求し続けようとしているブランド。それはRZ450e F SPORT Performanceの登場や、電気信号を使った技術で操作性を向上させたRZステアバイワイアにも表れているのだが、今回体験したのは、そんな取り組みの中から生まれた、マニュアルBEVとAE86 BEVコンバートの2台。どちらもモーターで走るのは文字どおり。だが、マニュアルシフトとクラッチペダルがあるというマニアックすぎる発想が面白すぎて、クルマ好きのツボをぐいぐい押してくる。さらに開発に携わったスタッフがとっても楽しそうにクルマを説明してくれるから、こちらも3ペダルのマニュアル電気自動車に興味津々となり、どんどん引き込まれていった。

 さて、そんな気持ちを持ちながら、まずは赤い電気自動車UX300eのもとへ。ボタン1つでマニュアルとオートマの切り替えができるとのことだが、おお、確かにペダルが3つとマニュアルシフトがある。さらに驚いたのは半クラッチ、エンスト、ヒール&トゥができるってこと。「ウソでしょ?」と思いつつ試乗してみると、笑いが込み上げてきた。ちゃんとクラッチを踏んでMTシフトのアップ・ダウンができるし、モーターならではの出足の速さもいい感じ。いい意味でおかしかったのは、目の前にちゃんとタコメーターがあって、あるはずのないエンジン音とともにメーターが連動して動くこと。しかもこの音は、なんと〈レクサス〉の名車LFAや〈トヨタ〉セリカ、AE86のリアルなエンジン音も選択可能ときた。もう、こうなると遊び心の塊のようなもので、「みんなにひと泡吹かせてやろう」といったエンジニアたちの気持ちが伝わってくる。うん、正直とっても面白い。
 
 そしてお次は〈レクサス〉のBEV装置を積んだAE86、カローラ レビンが目の前にやってきた。フロントグリルにあるLEVINの文字はEVの部分だけグリーンになっているのがご愛嬌。白いドアにある文字は“藤原とうふ店”ではなく、“電気じどう車(実験用)”だ。すぐに、乗り込むと懐かしいダッシュボードまわりはそのまま。数々のテストをしてきたのだろう、シートだけが薄いバケットシートになっていて、走る雰囲気満々だ。そしてスタート。こちらもいいエンジンサウンドを鳴らしながらボディがぐいぐい前へ。シフトアップ・ダウンとクラッチ操作を繰り返すほどに、最新のクルマにないアナログ的な楽しさが蘇ってくる。「え、これって電気自動車?」と疑うほどに、MTエンジン車らしいキャラが備わっていたのには本当にびっくりした。近い将来には、MTで楽しむ電気自動車は実際に登場するのだろうか? 遊び心の中から生まれたこの2台に乗って、電気自動車の可能性を強く考えさせられた。

そんなこんなで、あっという間のイベント体験だったが、帰りは本日限りの愛車で阿蘇・くまもと空港へ。途中のワインディングロードでは、なんとなくスムースに運転が楽しめるようになった気がしたのは、とっても嬉しい収穫だと思えた。果たして参加した〈レクサス〉オーナーはどうだったのだろうか? 会場でオーナーのみなさんが幾度となく楽しむ姿を拝見したが、どの方も楽しそうにしていたのが印象的だった。〈レクサス〉にはほかにも、TJJ(タッチ・ジャパン・ジャーニー)という、オーナーのために贅沢なクルマ旅を叶えてくれる企画旅行がある。一部オーナー以外で参加可能なプランもあるので、確かめてみてはいかがだろうか。きっと豊かなドライビング体験が待っているはずだ。


 
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