“旭日双光章”受賞の料理人による、旬の会席料理を食べ尽くす!
1922年に創業した〈東京會舘〉は日本を代表する国際的な社交場で、本格的なフランス料理や洋菓子が人気。洋食に加えて和食も評判が高く、日本料理〈八千代〉には昔から愛顧するゲストが多数いる。囲炉裏を中心に広がる店内は、くつろぎと落ち着きのある装飾で、心が安らぐ。3部屋の個室は上質な和の空間で、大切なイベントや記念日での利用に最適だ。
- SERIES:
- アレが食べたいからこの店へ! Vol.92 〈八千代〉
八千代
和モダンな作りで和食の真髄を味わえる
数々の賞を受賞している、〈東京會舘〉日本料理顧問の鈴木直登氏
その〈東京會舘〉で日本料理顧問を務めるのは鈴木直登氏。1975年に〈東京會舘〉へ入社して研鑽を積んできた。2009年に“東京マイスター(江戸の名工)”受賞、2013年に“現代の名工”表彰、2019年に“黄綬褒章”受章、2025年には“旭日双光章”受賞。まさに輝かしい経歴を誇る料理人。著書はいくつもあり、日本料理研究会の副会長として後進の育成にも余念がない。
そんな鈴木氏の日本料理を楽しめるのが、“千鳥会席”(1万8000円)。9品構成のフルコースで、メニューは約2週間ごとに新しくなる。そのため旬の日本料理を体験できる!
“温泉もやしと縮み菜お浸し ズワイ蟹”
“温泉もやしと縮み菜お浸し ズワイ蟹”は、“菱”の有田焼に、ズワイ蟹の赤と青菜の濃い緑がキリッと映える。温泉もやしの小気味いいシャキ感に、縮み菜のしっとりした旨味が寄り添う。ズワイ蟹の滋味を堪能できて、木の芽の香りが鮮烈に感じる。
“松笠常節 竹萵苣薹 梅花麩 甘鯛風干し 福煮凍り”
“松笠常節 竹萵苣薹 梅花麩 甘鯛風干し 福煮凍り”は、扇の器に盛られた華やかな八寸仕立て。松笠にした常節(とこぶし)は小気味いい弾力で、甘鯛の凝縮された味わいは酒肴にぴったり。福=河豚の煮凍りのなめらかなテクスチャーと、竹萵苣薹(たけちしゃとう)のシャキシャキ感はよいコントラスト。梅花麩はもっちりとした食感で、愛らしい姿だ。
“若竹椀 白魚 菜の花”
繊細な味わいを楽しめるのが、“若竹椀 白魚 菜の花”。澄んだ出汁に菜の花の緑が映えて、見た目からして清々しい。白魚の繊細な旨味と若竹のほのかな甘味がよい取り合わせ。
“鮮魚三種盛り 妻種々”
“鮮魚三種盛り 妻種々”は、鮪の赤身と中トロ、縞鯵、鯛の刺身。脂の乗った中トロは、舌の上でとろけるような濃厚さ。縞鯵と鯛はプリプリとした弾力があり、鮮度のよさと快味が際立つ。
“鰆柚香焼 金柑いくらおろし”
象嵌の有田焼で提供されたのが、“鰆柚香焼 金柑いくらおろし”。焼き目の色づきが美しく、柚子の幽香がふわりと漂う瞬間から期待が高まる。鰆はほろりとほどける身質で、柚子の爽やかさが脂の甘味を上品に引き立てる。金柑の中には、いくらおろしがあるので、こちらも合わせてみてほしい。
“国産牛サーロイン古代焼 天王寺蕪”
“国産牛サーロイン古代焼 天王寺蕪”は、鈴木氏こだわりの肉料理。牛肉を麻布に包み、さらに白亜紀の地層の砂で血抜きする技法で下処理したものを、炭火で焼き上げた。焼き色と断面の美しさが白眉で、サーロインは噛むほどに肉汁があふれる。
“鮟鱇鍋 あん肝 椎茸 独活 三ッ葉”
冬の味覚を味わえるのが、“鮟鱇鍋 あん肝 椎茸 独活 三ッ葉”。鮟肝のコクがだしに溶けて芳醇さを増し、椎茸の旨味も広がる。独活の清涼感と三つ葉の香りによって、後味は軽やかに。
“鴨けんちん蕎麦”
“鴨けんちん蕎麦”は、ほっとできる一杯。鴨の旨味がつゆに深みを与え、味わいは重層的。蕎麦は軽やかな喉越しで、柚子のアクセントも心地いい。
日本酒やワインも豊富に取り揃えられているので、是非とも合わせたい。
左から、“ルイナール ブラン・ド・ブラン”、“澤乃井 大吟醸”、“ブロカルド バローロ”
“ルイナール ブラン・ド・ブラン”(6600円/グラス、3万9600円/ボトル)は、最初に飲みたいエレガントなシャンパーニュ。ジャスミンなどの白い花やブリオッシュの香りが複雑に重なる。柚子やカボスとの相性も抜群で、食前酒からメインディッシュまでも通せる。
日本酒でお勧めなのが、東京都青梅市で醸造された“澤乃井 大吟醸”(1320円/グラス 120㎖、1980円/一合 180㎖ 、7150円/四合瓶 720㎖)。穏やかで上品な香りが漂い、透明感のあるさらりとした飲み口が特徴。吟醸香は派手すぎず、食中酒として見事に調和する。
サーロインにぴったりなのが、“ブロカルド バローロ”(3300円/グラス、1万9800円/ボトル)。輝きのあるガーネット色をしたフルボディの赤ワインで、力強くもしなやかなタンニンが素晴らしい。
“旭日双光章”を受賞している料理人は、なかなかいない。〈東京會舘〉の〈八千代〉で鈴木氏の会席料理を体験してみてはいかが?
⚫︎千鳥会席 1万8000円
・座付 温泉もやしと縮み菜お浸し ズワイ蟹
・迎春 松笠常節 竹萵苣薹 梅花麩 甘鯛風干し 福煮凍り
・吸物 若竹椀 白魚 菜の花
・刺身 鮮魚三種盛り 妻種々
・焼物 鰆柚香焼 金柑いくらおろし
・炙り 国産牛サーロイン古代焼 天王寺蕪
・小鍋 鮟鱇鍋 あん肝 椎茸 独活 三ッ葉
・食事 鴨けんちん蕎麦
・水菓子
⚫︎日本料理 八千代
住所:東京都千代田区丸の内3-2-1 東京會舘2F
営業時間:ランチ 11:30 ~ 14:30(14:00LO)、ディナー17:30 ~ 22:00(21:00LO)
定休日:火曜 ※祝日の場合は営業
TEL:050-3134-4890(予約センター 10:00~20:00)
URL:https://www.kaikan.co.jp/restaurant/yachiyo/index.html
※サービス料別
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1976年台湾生まれ。テレビ東京「TVチャンピオン」で2002年と2007年に優勝。ファインダイニングやホテルグルメを中心に、料理とスイーツ、お酒をこよなく愛する。炎上事件から美食やトレンド、食のあり方から飲食店の課題まで、独自の切り口でわかりやすい記事を執筆。審査員や講演、プロデュースやコンサルタントも多数。






































































