気になる名前は〈フェラーリ〉512 S モデューロピニンファリーナクーペ。コチラは去る8月26日、カリフォルニア州ペブルビーチで開催された“コンクール・デレガンス”に出品された1台で、近未来的なフォルムは今見てもなんとも斬新。それもそのはず、このクルマはもともとコンセプトカーとして1970年にお披露目されたクルマなのだ。
フロントから見るとこ~んな感じ。横にいるギャラリーと比べると、ウルトラ級に車高が低いのがよくわかるだろう。寄り目にセットされたのはフロントライト。なんとも愛らしいけど、その真ん中にあるエンブレムはまぎれもなく〈フェラーリ〉のものだ。また、フロントガラスが前に出ているのは、乗り降りのために前へとスライドさせたため。まるでUFOから宇宙人が降りてきそうな雰囲気!
屋根を覆う部分は“クラブシェル”と呼ばれているらしく、フロントガラスとドアガラスを一体化させたもの。これがサイドシルの上をスライドし、ボディにピタリと収まるというわけ。赤く真っ直ぐなラインも直線的なボディフォルムを強調。それにイタリアンカーらしい洒落っ気もたっぷり!
こちらはリアから見た“512 S モデューロ”。リアウインドー部分は黒いアクリルで覆われ、リズミカルに並んだ24個の穴からは、〈フェラーリ〉製5ℓV型12気筒エンジンがその美しさを覗かせる。う~ん、かっこいい!
ちなみに“コンクール・デレガンス”の公式データによると、“512 S モデューロ”は〈ピニンファリーナ〉のパオロ・マーティンによってデザインされ、1970年のジュネーブモーターショーでお披露目。ベース車両は〈フェラーリ〉512 Sというレーシングカーだが、このコンセプトカーでは’70年代に一世を風靡した“ウェッジシェイプデザイン”を早くも採用。未来のクルマのカタチを示した。また、1970年のジュネーブショーでは、22の国際デザインアワードを獲得。その後、イタリアのベスト・オブ・コーチビルドカーとして、なんと1970年の大阪万博でも展示されていた。
それにしても、今でも色褪せず相当なインパクトを与えてくれる〈フェラーリ〉512 S モデューロピニンファリーナクーペ。なかなかお目にかかれないシロモノだけに、この機会にしっかりと目に焼きつけて!