K邸/4LDK/118㎡
高さを抑えた板張りの天井と、天窓や中庭から差し込む自然光が生む陰影。重厚な石張りの壁と、軽やかなラタンやファブリックの家具など、美しい対比が際立つK邸。統一感のある空間に絶妙な差し色使いが映え、ピカピカの新築の家ながら、住み継がれてきた家のような居心地のよさを感じさせる。
「シンプルで、直線や曲線のバランスが美しいミッドセンチュリーの家具やデザインが好きで、その世界観を自宅で叶えたいと思いました」という施主。その住まいにはこだわりが詰まっている。リビングの壁の石張りは、あらかじめ床に並べ、目地の大きさなど、デザイナーにアドバイスをもらいながら、形を決め張ってもらった。建具の色や階段の踏み板もパーケット床(木片を組み合わせた床)に合わせてすべて職人が染め、木の風合いを存分に生かしている。階段に面して高窓があるため、白壁に光を反射させて穏やかな光が階下に降りる。玄関ホールと廊下の間は押し開きのドアではなく、引き戸を採用してデッドスペースをなくし広いスペースを取りながら、来客の目線を遮り室内をカバー。引き戸を開けると、ダイニングの先に窓があり、空間が層をなし、広がりを感じる仕掛けだ。
細やかなデザインに加え、家具も秀逸。ミッドセンチュリーを代表するメーカーのひとつ、1912年創業のアメリカの老舗〈レーン〉のテーブルや、シェーカー教徒の家具をオマージュしたチェア、ボーエ・モーエンセンのJ39など、自身でひとつひとつを丁寧に選ぶ過程も楽しんだ。「夜はLDKのダウンライトを消して、スタンドやランプの照明でゆっくりとした気分を味わっています」
朝はガラスのドア越しに中庭からのやわらかな光が寝室に届き目覚める毎日。週末は、ユッカやサボテンなどの手入れをし、マンション暮らしのときにはできなかった庭いじりを楽しんでいる。玄関に立つと奥の窓から光に照らされ、パーケット床が市松模様に浮かび上がる。玄関土間にはベンチコーナーも設けている。
サボテンが好きで、マンション暮らしのときはベランダで育てていましたが、今は庭や玄関アプローチで伸び伸びと育っています。マイホームをもったことで、自分たちの好きなモノを集め、好きなコトを家族で一緒に育てていけると感じています。
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※『Safari』9月号194〜195ページ掲載
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photo : Takafumi Matsumura text : Kuniko Nakajo