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CULTURE カルチャー

2021.04.25


【まとめ】絶対面白い! ネットフリックス作品22本

週末は、配信動画作品をイッキ見するのがオススメ。ここではネットフリックスの作品を22本、ご紹介。絶対に面白いので、是非ご鑑賞あれ!

 

 



『アーミー・オブ・ザ・デッド』
製作年/2021年 製作・監督・脚本/ザック・スナイダー 出演/デイブ・バウティスタ、エラ・パーネル、真田広之 配信/ネットフリックス

ゾンビだらけの中から大金を奪取せよ!
ソンビが大量発生し、外部から完全隔離されたラスベガス。しかし、あるホテルの金庫には2億ドルという大金が眠っており、その強奪計画のためにスゴ腕のチームが結成された。ゾンビを一掃するために隔離地区は間もなく爆破される。残されたわずかな時間で、空前のチャレンジは成功するのか? 

大量のゾンビが襲ってきて、噛まれたら自分も感染するという“ゾンビ映画”の基本を押さえ、カウントダウンの中での金庫破りという、緊迫クライムアクションが描かれる点が新鮮。チームの中心人物、スコット役が『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』などのデイヴ・バウティスタで、計画を依頼する謎の男、タナカ役が真田広之。ほかに大スターが出ていないぶん、誰が生き残るか、全く読めないキャスティングが効果的だ。

なぜラスベガスにゾンビが出現し、どうやって隔離されたのか? その一部始終がオープニングに怒涛の映像で展開し、一気に引きこまれてしまう(この前日譚も今後、映画化)。スコットが集めたメンバーは無敵のエキスパートたちで、プライドのぶつかり合い、裏切りなどもあって、終始ハラハラ。その中で唯一、金庫を開けるために雇われた頭脳派が、いいアクセントになっている。
 

 
ぶるぶるとスリルに震えるGWはいかが!?
ネットフリックス『ザ・サーペント』が超怖い!

『ザ・サーペント』
監督/トム・シャンクランド、ハンス・ヘルボッツ 脚本/リチャード・ワーロウ、トビー・フィンリー 出演/タハール・ラヒム、ジェナ・コールマン、ビリー・ハウル、エリー・バンバー、アメシュ・エディレウィーラ、ティム・マキナニー 1シーズン全8話(1話56〜59分)

実在の連続殺人犯とそれを追う外交官の攻防戦!

今年1月にBBC Oneでオンエアされ、4月からネットフリックスでの世界配信が始まった『ザ・サーペント』は、1970年代半ばに東南アジアやインドを震撼させた実在の連続殺人犯シャルル・ソブラジの物語。親切な宝石商を装って若い欧米人旅行者たちに近づき、詐欺と殺人を繰り返したソブラジの凶行と、事件の解決に人生を捧げた男の攻防が全8話の中で展開していく。

実話に着想を得た物語であることを冷淡に示すかのように、第1話の冒頭に登場するのは、何件もの殺人を犯してなお自由を得ているらしき事件後のソブラジ。「えっ。凶悪な殺人犯に制裁が下ってめでたし…ではないの?」という不安を容赦なく投下するストーリー構成が、かなり意地悪だ。やはりこちらも実在の殺人鬼“切り裂きジャック”を話の入り口にし、ミステリードラマとして高い評価を得た『リッパー・ストリート』の脚本家リチャード・ワーロウが、リアリティとドラマ性を交錯させながら手腕を振るう。

さらに、交錯するのはリアリティとドラマ性だけでなく、物語の時間軸も。ソブラジとその恋人らが犯罪に手を染める過程をシビアに描きながら、彼らを追うことになる外交官ヘルマン・クニッペンバーグの奮闘にも目が向けられていく。バンコクのオランダ大使館で働く中、ソブラジが殺したオランダ人カップルの事件を知り、現地警察に頼れない状況に翻弄されながら独断で動くヘルマンのストーリーは犯罪捜査ドラマらしいスリルと苦みが伴うもの。ソブラジらによる“事件時”とヘルマンらによる“捜査時”の間隔が、話が進むにつれ、ヘルマンがソブラジに近づくにつれ、徐々に狭まっていく感覚にもドキドキさせられる。
 

 
予測不能な衝撃サスペンス!
ネットフリックス『瞳の奥に』に驚愕するワケとは!?

『瞳の奥に』
出演/シモーナ・ブラウン、イヴ・ヒューソン、トム・ベイトマン、ロバート・アラマヨ    全6話:各46〜53分

驚愕にも程がある結末が話題!
イギリスの作家サラ・ピンバラのベストセラー小説を原作にした物語は、シングルマザーのルイーズ(シモーナ・ブラウン)がバーで出会った既婚男性と意気投合するところからはじまる。しかも、相手の正体は、ルイーズが勤務する診療所の新任精神科医デイビッド(トム・ブラウン)だと判明。

惹かれ合う気持ちを抑えられない2人はたちまち肉体関係を持つようになるが、その一方、ルイーズはデイビッドの妻アデル(イヴ・ヒューソン)ともひょんなことから友人に。抜き差しならない状況に悩まされつつ、ルイーズは夫婦が抱える秘密に翻弄されていく。

不倫ドラマにサスペンスをミックスした味わいの展開は、それだけでスリル満点。夫婦の間で揺れ動くことになった主人公ルイーズへの共感は薄いが、どこか追い詰められたようなデイビッドの物悲しく頼りない佇まいや美しい分だけ狂気をはらんだアデルの言動が物語世界へと引き込む。
映像や登場人物たちの表情の中にそれとなく張り巡らされた伏線もあれば、悩ましいミスリードもあり。それらがすべて、“驚愕のラスト”へとつながる。
 


 



『ラブ&モンスターズ』

監督/マイケル・マシューズ 脚本/ブライアン・ダフィールド、マシュー・ロビンソン 出演/ジェシカ・ヘンウィック、マイケル・ルーカー 視聴時間109分

キモかわモンスターズが妙に魅力的!
地球に小惑星が急接近し、人類はミサイルで惑星を迎撃。その攻防によって危険な化学物質が地上に降り注ぎ、巨大モンスターと化した生物が人間を襲いはじめた……。わずかに生き残った人類は、あちこちの地下室で生活。仲間とサバイブするジョエルは、130km離れた場所にいる恋人と再会するため、モンスターたちがうごめく地上へと出ていく。

130kmを日本で置き換えると、東京から静岡の手前あたりまで。この距離を、どこに潜んでいるかわからないモンスターをかいくぐって進むジョエルの冒険は、まさにドキドキの連続。モンスター以外との思わぬ出会いも、ジョエルの運命をドラマチックに盛り上げるので、全く飽きることがない。

アカデミー賞にノミネートされただけあって、モンスターたちの映像には、ひたすら衝撃と興奮を味わえる。基本的に昆虫や爬虫類が巨大に進化したデザインなのだが、細部まで生々しく、グロさだけでなく妙なかわいさもあったりして、レトロな“怪獣”のような印象も。

恋人の居場所に近づく後半は物語にひとひねりあったりして、エンタメとしての構成も上質だ。モンスター系、クリーチャー系が好きな人は大満足だし、そっちに興味がない人も、愛と勇気の物語を素直に楽しめる、オトクな1本なのは間違いない!
 

 
 



『ザ・ホワイトタイガー』
原作/アラビンド・アディガ 製作・監督・脚本/ラミン・バーラニ 出演/アダーシュ・ゴーラブ、ラージクマール・ラーオ、プリヤンカー・チョープラー 視聴時間125分

インドの現実が見えてくる!

舞台はインド。来印する中国の首相に向けた、殺人罪で指名手配されている主人公の手紙の文面がナレーションとなり、物語が展開する。主人公バルラムは貧しい村で生まれ育った下層カーストの若者。貧困から抜け出そうと地主の運転手の仕事を得た彼は、米国留学から帰国して自由な空気をまとっている地主の次男アショクに憧れを抱く。しかし、アショクの妻が交通事故を起こし、その罪をバルラムが負うハメに。この時の怒りから、バルラムの胸にドス黒い欲望が広がっていく。

原作はインド出身の作家アラヴィンド・アディガによるブッカー賞受賞小説『グローバリズム出づる処の殺人者より』。インドと中国の急激な経済成長を背景に、それに乗るために危険な賭けに打って出た下層市民の告白を描いている。貧しい者が起業するには、手を汚して、ズル賢く立ち回らねばならない。そんな汚れの下に経済成長が成り立っている。宗教国家インドの現実を浮き彫りにした鋭い視点を、映画はそのまま反映している。

物語後半は一転して犯罪スリラーの色を帯びてくる。バルラムが抱いていたアショクへの憧れは失望に変わり、忠誠は不誠実な主人を裏切っても許されるという気持ちにどんどん変わっていく。それはバルラムが殺人罪で指名手配されることに繋がってくるのだが、これ以上はネタバレになるので、さらに予想外の展開に発展する……という解説にとどめておきたい。
 

 


『シャドー・オブ・ナイト』
監督・脚本/ティモ・ジャヤント 出演/ジョー・タスリム、イコ・ウワイス 視聴時間120分

壮絶すぎるバイオレンスアクション!
主人公のイトウは、巨大犯罪組織トライアッドの殺し屋軍団“6つの大海”の幹部を務める男。ある日、麻薬を横流しした村人たちを虐殺する任務を受けた彼は、村の幼い少女に手をかけることができず、組織の戦闘員たちを皆殺しにして彼女を助けてしまう。トライアッドがこれを見逃すはずもなく、追われる身となったイトウはレイナとともに逃亡し、信頼できる昔の悪仲間ファティに助けを求める。

トライアッドはカジノを仕切る幹部アリアンに、“6つの大海”を任せることをチラつかせて、イトウの抹殺を命じた。イトウやファティのかつての仲間であるアリアンは、このミッションに複雑な思いを抱く。一方、トライアッドの包囲網はイトウをジワジワと追い込み、刺客が次々と出現。痛手を負いつつ何度も死線を乗り超えたイトウは意を決して敵地へと乗り込み、アリアンと対峙することになる。

殺し屋と少女の逃避行は『レオン』にも通じるエッセンスだが、その旅路は壮絶。欧米のアクション映画であれば、子供キャラの前で主人公が射殺や撲殺で自衛するような場面はほとんどない。その点、本作は容赦がなく、血しぶきは上がるわ、死体はゴロゴロ転がるわのトラウマレベルで、この娘の将来が他人事ながら心配になってくる!? ともかく、それだけギリギリの世界に彼らは放り込まれているのであり、緊張感も並々ならぬものがある。

 



『ザ・コール』
原案/セルジオ・カシー 監督・脚本/イ・チュンヒョン 脚本/カン・ソンチュ 出演/パク・シネ、チョン・ジョンソ、キン・ソンリョン、イ・エル 視聴時間112分

どんでん返しだらけの
韓国ホラー!
物語の始まりは、2019年。20年前に父親を火事で亡くした女性ソヨン(パク・シネ)が、いまや無人となった実家を訪れることに。スマホを失くしたソヨンは仕方なく、家の物置にあったコードレス電話を使おうとする。

すると、電話の向こうからは見知らぬ女性の声が。その女性が生きている時代は1999年で、ソヨンが今いる家で暮らしているらしい。不可思議な現象に戸惑いながらも、電話の女性ヨンスク(チョン・ジョンソ)とソヨンは、時を超えた会話を通して距離を縮めていく。

あらすじのみ追うとほっこりした印象を受けるし、実際、ともに28歳のソヨンとヨンスクが電話越しに親しくなっていく姿は微笑ましい。ソヨンのいる時代の進歩を知ったヨンスクが目を輝かせたり、K-POP今昔話で盛り上がったり。しかし、冒頭から終始不穏な空気が充満する作品世界は、そのキュートなやり取りに笑みをこぼすことなど許さず、すぐさま意地の悪いスリラーの様相を呈していく。

過去にいるヨンスクは当初こそ未来にいるソヨンのため、しだいに自分のため“歴史の改変”に手を染めていくのだが、本作が恐ろしく、またユニークなのは改変するヨンスクが狂気の殺人鬼であるところ。敏感に一転二転する事態が悪夢のように、暴走するヨンスクと彼女を食い止めようとするソヨンの戦いへと変化していく展開が見事だ。
 

 



『ハーフ・オブ・イット 面白いのはこれから』
製作・監督・脚本/アリス・ウー 出演/ダニエル・ディーマー、アレクシス・レミール 視聴時間/104分

愛の答えを求める若者たちに共感し、
傑作を引用した演出力に唸る!
物語の舞台は、アメリカの田舎町。母親を亡くし、父親と2人で暮らす中国系アメリカ人の高校生エリーは、相容れない同級生たちに囲まれながら、半ば諦めモードで学校生活を送っている。成績がよく、同級生たちに頼まれたレポートの代筆も淡々とこなす(お代はちゃんといただく!)エリーを担任教師は気にかけ、彼女を花開かせるような大学への進学を促すが、エリーの態度はどこまでもクールだ。

そんな中、アメフト部のポールが、ラブレターの代筆をエリーに依頼する。宛先は、学校で一番の美少女アスター。美しさだけでなく知性も備えたアスターは、ポールにとって高嶺の花だ。そればかりか、実はエリーもアスターに恋している。そうとは知らないポール、そして恋心をひた隠すエリーは、アスターを射止めるための『シラノ・ド・ベルジュラック』作戦を遂行することになるが……。

切実さを乾いたユーモアでくるみつつ、文学や映画の粋な引用に本音や皮肉を滲ませながら、それでも漏れてくる青春のきらめきを丁寧にすくい取ったアリス・ウー監督は台湾系アメリカ人で、同性愛者でもある。エリーらの物語には、自身の経験も投影しているそうだ。

となるとパーソナルな香りが漂うかもしれないが、そうではない。有能な監督と愛おしい登場人物たちが、これは“自分たちの物語”なのだと感じさせてくれる。青春映画の新マスターピースとして、長く大切に付き合っていきたい作品だ。
 

 



『クイーンズ・ギャンビット』
原作・制作/スコット・フランク、アラン・スコット 出演/アニャ・テイラー=ジョイ、ビル・キャンプ、マリエル・ヘラー、トーマス・サングスター、モーゼス・イングラム 全7話/各話46〜67分  

孤児がチェスの才能を武器にのし上がる!
1960年代のアメリカから始まる物語は、至ってシンプル。母親を亡くして孤児となった少女エリザベス・ハーモン、通称ベスが、養護施設でチェスの才能を開花させ、やがて世界的なプレイヤーへと成長していくのが主な流れだ。冒頭、世を拗ねた天才少女として描かれるベスは可愛らしく、その姿からは児童文学のいたいけなヒロインの香りすら漂うが、ただし状況は思いのほか厳しい。「気持ちが落ち着くように」と養護施設で与えられた精神安定剤が、薬物やアルコール依存の問題となってベスの人生に暗い影を落としていく。

原作小説の著者は、自身もアマチュアのチェスプレイヤーだったウォルター・テヴィス。物語自体はフィクションだが、ベスの人物像には世界チャンピオン、ボビー・フィッシャー(映画『完全なるチェックメイト』でトビー・マグワイアが演じた)の要素が含まれている。とはいえベスは女性で、ボビー・フィッシャーは男性。あるときは性別を超えた知性でライバルを打ち負かし、またあるときは異性としての魅力を仲間に向けて放ちもするベスの活躍は、より痛快ですがすがしく見える。
 

 



『ミッドナイト・スカイ』
製作・監督・出演/ジョージ・クルーニー 出演/フェリシティ・ジョーンズ、カイル・チャンドラー 

リアリティかつスケール感のある映像に圧倒される!
ジョージ・クルーニーが演じるのは、北極の基地に1人で残った科学者のオーガスティン。舞台は2049年。地球は滅亡の危機を迎えている状況で、多くの人が避難先を探す中、彼は宇宙船と交信して、地球に戻ることは危険だと知らせようとする。

孤独な時間を過ごすオーガスティンは、交信のために吹雪の中、遠く離れた天文台へ向かう。彼のサバイバルと奇妙な体験、さらに宇宙船の乗組員たちのドラマも同時進行し、未体験のスリルとスペクタクル、感動を届ける作品に仕上がった。

『ゼロ・グラビティ』では宇宙空間で自らの命を犠牲にしてまで仲間を助けたジョージ・クルーニー。今回は地上から宇宙船を助けるという役まわりだが、ヒゲもボーボーの姿で、より悲壮感を漂わせる表情に心を揺さぶられる。

そして宇宙のシーンにも力が入っており、宇宙船の美しい外観のデザインや内部の最新システムは、斬新ながらリアリティ満点。SF映画ファンが観てもテンションがアガるはず。要所のアクションのスケール感や、思わぬドッキリシーンの入れ方、謎の人物の行動の描写など、“監督ジョージ”の演出力も安定感バッチリ。宇宙船の地球への帰還と、オーガスティンの運命がひとつになるクライマックスも、“大人の演出”で見せきったジョージ、さすがである!
 

 



『ザ・プロム』
製作・監督/ライアン・マーフィ 出演/メリル・ストリープ、ニコール・キッドマン、ジョー・エレン・ペルマン

『Glee /グリー』を彷彿とさせる、テンションがアガるミュージカル!
主人公はインディアナ州に住む女子高生のエマ。卒業を祝うプロムに、同性カップルで参加しようとした彼女が、PTAらに猛反対をくらい、プロム自体が中止の危機になってしまう。そのニュースを知った、NYブロードウェイの俳優たちが、保守的なインディアナ州の町に乗りこんで、エマを応援。

“多様性”をテーマにした今どきの物語を、とことんポップに明るく映画化したのは、ドラマ『Glee/グリー』などのクリエイター、ライアン・マーフィー。もともと舞台で高く評価されていた作品なので、音楽は最高のノリ。頭の中でリフレインする名曲も多いうえに、高校生たちのナンバーは振付がかっこよく、自然と楽しくなっていく感じ。

ブロードウェイの俳優を演じるのは、メリル・ストリープ、ニコール・キッドマンら大御所スターたち。実は彼らも、新作が大コケするなどコンプレックスを抱えており、自虐ネタで笑いを誘うシーンも多数。一方で、周囲から反発にあっても前向きなエマのキャラは、観ているこちらにも勇気と元気を与える。

大統領選が証明したアメリカの分断やカルチャーギャップも含め、普通のドラマで描いたら、ちょっと白々しくなりそうな状況も、ミュージカルだと感動できてしまうから不思議! キャストたちの最高の“芸”を、明るい青春映画のムードとともに堪能してほしい。
 

 



『リベレーター:勝利へ、地獄の行軍500日』
原作・制作/ジェブ・スチュアート 出演/ブラッドリー・ジェームズ、マーティン・センズメアー、ホセ・ミゲル・バスケス 全4話/各話46分〜56分

アニメと実写を融合した革新映像に驚く!
ジャンルでいえば、この作品はアニメ。しかし限りなく実写に近い印象を与えるのは、『Trioscope(トリオスコープ)』という実写とCGIの最新合成テクノロジーを、初めて本格的に使った作品だから。未体験の映像に最初はとまどうかもしれないが、目が慣れていくと新鮮な感動すらともなっていくのだ。

1943年、イタリアに上陸したアメリカ軍の歩兵連隊サンダーバーズ。ドイツ軍を相手に苦戦を強いられながらも、フランスの山を越え、バイエルンでの悪夢のような決戦に挑む。タイトルにあるとおり、500日におよぶ死闘は、連隊を率いたフェリックス・スパークスの実話。そのスパークスに軍規違反で逮捕状が出されるなど、ドラマチックこのうえない展開が待っている。

俳優の演技をそのままアニメ化した作品は、以前もキアヌ・リーヴス主演の『スキャナー・ダークリー』などがあった。けれども、この作品は、より実写に近いイメージ。人物の表情や動きが異様に生々しいのだ。背景、特に遠景は実写の印象に近く、砂ぼこりや水しぶきも細かい部分までリアル。

一方で、流れる血がアニメっぽかったりして、戦争ドラマの衝撃感は斬新。後半のアクションは予想以上に壮絶だ。スパークス隊長が集めたメンバーは、前科者のワルばかり。それぞれ戦闘のエキスパートで、黒澤明監督の『七人の侍』を受け継ぐ、チームものとして感情移入させる。映像が映像だけに、最初は兵士たちの区別がしづらいが、ドラマの進行とともに各キャラが味わい深くなり、違和感も忘れるはず。そこも今作の大きな魅力!
 




『Mank/マンク』
製作・監督/デヴィッド・フィンチャー 脚本/ジャック・フィンチャー 出演/ゲイリー・オールドマン、アマンダ・サイフリッド、リリー・コリンズ

モノクロ映像とレトロなサウンド、こだわりの演出!
舞台となるのは1930〜40年代のハリウッド。“時代の寵児”といわれた、若き天才監督、オーソン・ウェルズが、映画史に残る大傑作『市民ケーン』を完成させるまでの物語。とはいっても主人公は、ウェルズではなく、脚本を書いた、ハーマン・J・マンキーウィッツ(周囲に“マンク”と呼ばれていた)。

アルコール依存症が原因で大ケガを負ったマンクが、牧場の宿泊施設で、ウェルズの新作の脚本に取り組むが、そこにマンクの過去が重なっていく。ウェルズ側からの無理難題や、アルコールの欲求との格闘、看護師ら女性たちとのドラマで、オスカー俳優のゲイリー・オールドマンが、マンクを愛すべき天才として名演。思わず共感する瞬間が何度もある。

マンクが書く脚本の主人公は、旧知の新聞王ウィリアム・ハースト。ハリウッドでも権力を持つ男のスキャンダラスな面を入れこんでいるので、同時進行する過去のパートでは、映画業界のドロドロの舞台裏も展開。映画ファンには、たまらないエピソードの連続だ。

当時の映画を意識して、わざと合成っぽく見せる映像や、『ファイト・クラブ』でも語られたフィルムのウンチクを入れるなど、こだわりの演出がたっぷり。背景となる州知事選が、今のアメリカの大統領選に重なったりもする。

とはいえマニア向けというわけではなく、語り口はわかりやすいし、ハリウッド黄金期の女優を演じるアマンダ・サイフリッドのオーラを放つ美しさには、誰もがうっとりするに違いない。
 

 



『コブラ会』
出演/ラルフ・マッチオ、ウィリアム・ザブカ、ショロ・マリデュエニャ 

オリジナルキャストの出演に、過去映像の挿入と、続編らしい演出にグッとくる!
ケンカが弱く、イジメにもあうダニエル少年が、師匠のミヤギから空手を習い、因縁の相手と対決する、スポ根を絵に描いたような『ベスト・キッド』。同作でダニエルが闘った相手、ジョニーを中心にこの『コブラ会』は展開していく。

34年前の大会でダニエルに敗北を喫したジョニーは、その後、飲んだくれの人生を送るものの、かつて所属していた空手道場“コブラ会”を復活させる。なんといってもテンションが上がるのは、ダニエル役のラルフ・マッチオと、ジョニー役のウィリアム・ザブカが再び共演している点。

すっかりオヤジになった彼らのプライド対決はもちろん、ジョニーの息子がダニエルの部下となって空手を習い、ジョニーの一番弟子がダニエルの娘と交際するなど、絡み合った人間関係が面白すぎ!

盆栽や、沖縄で買った刺身包丁など、『ベスト・キッド』シリーズのネタが次々と出てくるうえに、ポイントでは懐かしの映像をたっぷり挿入。特にミヤギ役で、今は亡きノリユキ・パット・モリタの勇姿と“教え”には思わずニンマリとしてしまうはず。

やや奇抜な空手のトレーニングも受け継がれ、このあたりはオリジナルを知らない人でも大いに楽しめるだろう。そしてジョニーとダニエル、2人の主人公に善と悪の両面が入っているあたりが今っぽい。

ダメ主人公の一念発起で胸が熱くなるオリジナルの精神が、時代を超えてアピールするのは確実。
 

 



『シカゴ7裁判』
監督・脚本/アーロン・ソーキン 出演/エディ・レッドメイン、アレックス・シャープ、サシャ・バロン・コーエン、ジェレミー・ストロング、ジョゼフ・ゴードン=レビット、マイケル・キートン 

巧みな演出で熱血男たちに引きこまれる!
妙にかっこいい響きの“シカゴ7”。これは1968年、ベトナム戦争への派兵に反対し、民主党大会でデモを起こそうとしたとされる活動家7人のこと。彼らが扇動したデモによって、警察側と激しい衝突が起こり、数百人の負傷者が出た。シカゴ7(セブン)と呼ばれた彼らの裁判は、全米の注目を集めることになる。

こんな風にストーリーを書くと、やや堅苦しい社会派の印象で、法廷での密室ドラマが予想されるが、映画の冒頭から裁判官とシカゴ7のやりとりがちょっと笑えたりして、脚本の巧さに引きこまれてしまう。監督と脚本を担当したのが、『ソーシャル・ネットワーク』でアカデミー賞脚色賞に輝いたアーロン・ソーキンなので。このあざやかさも納得!

裁判中に出てくる数々の証言や、意外な事実など、法廷の外での再現シーンもたっぷり。デモ隊vs警察のアクションは過激だし、手に汗握る緊迫感も充満する。やや複雑な人間関係も、それぞれが役者の魅力でキャラ立ちしているのですんなり理解できるはず。

特にベテラン陣の演技が味わい深く、本心を表に出さない弁護人のマーク・ライランス、実に嫌味な裁判官のフランク・ランジェラは今年の助演男優賞に推したいほどのインパクトなので注目を。終盤はいかにもハリウッド作品らしいエモーショナルな流れなのだが、素直に心が揺さぶられる人も多いのでは? ベトナム戦争時代の実話ながら、今を生きる我々に訴えてくる強靭なテーマをもった一作!
 

 



『オールド・ガード』
原作・製作総指揮/グレッグ・ルッカ 監督/ジーナ・プリンス=バイスウッド 出演/シャーリーズ・セロン、キキ・レイン、マーワン・ケンザリ 

不死身の肉体を持つ苦悩に、最後は涙!
シャーリーズが演じるアンディは、“不死”の肉体を持って生まれてきたという設定。戦いでケガをしてもすぐに治癒し、命を落とすことはない。何百年も生き続け、人類の歴史に“傭兵”として関与し、重要なミッションをこなしてきた。

“オールド・ガード”と呼ばれる不死身のチームは、新たにメンバー入りした軍兵士のナイルを含めて現在、4人。彼らは“死なない”という特殊な能力を持っているのだが、それ複製しようと、製薬会社が恐るべき陰謀を仕掛けてくる。

一見、スーパーヒーロー映画のようだが、描写は徹底してリアル。アクションとドラマのバランスも絶妙で、グイグイと作品世界に引きこまれる感覚を味わえる。

スリムなボディを生かした、流れるように美しいアクション。そして、男たちも率いて限界に挑むリーダーシップ。シャーリーズの性別を超えたかっこよさは、そのしなやかな動きを観ているだけで惚れぼれする! また新メンバーのナイル(こちらも女性)の無鉄砲な活躍にもテンションがアガるだろう。

そして、オールド・ガードたちの“永遠に生き続ける”という能力を持ったがための苦悩、これに関しても要所要所で語られ、その痛切さもビンビン伝わってくる。メリハリあるストーリー展開は、実に映画然としている。ちなみに、一瞬だけ登場する脇キャラも印象的なので、ご注目を。全体の流れから、シリーズ化の可能性も感じてしまうので、そんな想像力を広げながら楽しむのも一興だ。
 

 



『タイラー・レイク ―命の奪還―』
監督/サム・ハーグレイヴ 脚本/ジョー・ルッソ 出演/クリス・ヘムズワース、デヴィッド・ハーバー、ゴルシフテ・ファラハニ

激しいバイオレンスアクションに圧倒される!
クリスが演じるのは、アフガニスタンなどに出征経験のある傭兵タイラー・レイク。彼は世界各地の危険なミッションを依頼され、持ち前のパワーと完璧な計画で任務をクリアしていく。アクション映画の主人公としてパーフェクトすぎるキャラだ。

今回タイラーが請け負ったのは、誘拐された犯罪組織のボスの息子を救い出す仕事。舞台はバングラデシュのダッカ。少年の捜索と救出劇は、現地のギャングや警察をも巻きこみ、想定外の危険なレベルへと発展していく。撮影は実際にダッカとその周辺で行われたため、現地の空気感や匂いまでが伝わってきそうなリアル感。

最大の見どころは、タイラーの“強さ”だ。無敵の肉弾戦に、スナイパーとしての銃撃テクはスーパー級。さらに瞬発力もハンパなく、敵をバッタバッタと倒していく。

そのタイラーの活躍を追うカメラにもご注目。それが、中盤くらいに約10分間続くワンカット(に見える)シークエンスだ。カーチェイスにはじまり、入り組んだ集合住宅内へと続く敵との攻防で、タイラーとカメラが一体化。観ているこちらに圧倒的な没入感、臨場感を届けてくれる。

ドラマでは、タイラーがなぜそこまで少年を守るのか。その理由もポイントになってくる。バイオレンス描写が全体に強烈なので、このあたりは観る前に心の準備を!
 

 



『スペンサー・コンフィデンシャル』
監督/ピーター・バーグ 出演/マーク・ウォールバーグ、ウィンストン・デューク、アラン・アーキン 

熱血アクションに、とにかくテンションが上がる!
主人公は、5年の刑務所暮らしを強いられた警察官のスペンサー。出所後、もちろん復職できるわけはないのだが、持ち前の正義感に逆らえず、勝手に危険な事件の捜査に乗り出していく。

そんな設定自体、映画向き。しかも演じるのが、マーク・ウォールバーグ。カッとなったらすぐに手が出てしまうワイルドな性格で、しかも格闘能力は抜群。肉体派スター、マークにぴったりなうえに、彼の当たり役となった『テッド』のようなコミカルな魅力も今回のスペンサー役に加味。

無謀で強引なその行動やアナログな性格に、観ているこちらはアドレナリンが上がったり、思わず笑ってしまったりと、その配分が絶妙なのだ。

監督のピーター・バーグは、男くさいアクション映画が得意中の得意。これまで4本の映画でマークと組んでいるだけあって、スペンサーに共感させる演出がスムース。

相棒を演じるのが、初の映画出演である人気ラッパーのポスト・マローン。ややぎこちない演技も役柄にぴったりで、スペンサーとの微妙な距離感が、これまたいい感じ! 

そのほか、やたらと犬が重要な役割を果たすのも、今作の見どころになっている。汚職警官やギャング、FBIという巨大な敵を相手にした、体育会系ヒーロー。その活躍は何度も観たくなる豪快さだし、原作の小説は人気シリーズなので、2作めが作られる可能性は大!? 
 

  



『トリプル・フロンティア』
原案・脚本/マーク・ボール 監督・脚本/J・C・チャンダー 出演/ベン・アフレック、オスカー・アイザック、チャーリー・ハナム、ギャレット・ヘドランド 視聴時間125分

盗みすぎた大金、どうやって運ぶ!? 

民間軍事会社に所属する主人公のポープ(オスカー・アイザック)が、ブラジルの麻薬王から大金を強奪しようとする物語。声をかけたのは、米陸軍特殊部隊時代の仲間。大金に目がくらんだ5人は、かなり強引といっていい作戦をはじめるのだが……。

『七人の侍』や『オーシャンズ』シリーズ、さらには『アベンジャーズ』シリーズなど、腕に自信のある者たちが“ワンチーム”になる設定は、それだけでテンションが上がる。本作もその流れを受け継いでいて、しかもヒーローではなく“アウトロー”の集団だというのが大きな魅力。大金を強奪する場面でも、それぞれ我が強い彼らのプライドがぶつかり合う。

5人の運命も予定調和じゃないので、サプライズも楽しめる。ちょいワルどころじゃない、ハイレベルなワルたちの犯罪アクション映画を是非!
 

 



『ザ・テキサス・レンジャーズ』

監督/ジョン・リー・ハンコック 脚本/ジョン・フスコ 出演/ケヴィン・コスナー、ウディ・ハレルソン、キャシー・ベイツ
視聴時間132分

犯罪者ボニー&クライド、どう捕まえる!? 

まず驚くのが、冷血そのもののボニーとクライドが、アメリカ国民にとっては、ある種の“ヒーロー”だったという事実。銀行を襲い、刑務所から囚人を脱走させ、追ってきた警官を返り討ちする2人。その姿が、権力や富に反発する人々の心を掴んでしまった。ボニーのファッションが女性たちの間で流行したりと、そんな異様な当時の状況も本作は描いている。

しかも、ボニーとクライドの顔を映像でほとんど見せていない。これも、うまい演出! 終盤の展開は『俺たちに明日はない』を知っている人には“お約束”ではあるが、それでも一大クライマックスまでに高まる緊迫感と、すべてが爆発するアクションは圧巻の一言だ。

そしてこの映画に最も引きこまれるポイントは、テキサス・レンジャーズの隊員2人が下す決断と苦闘。演じるのはケヴィン・コスナーとウディ・ハレルソンで、はっきり言って若くはない。

一度はレンジャーズを退いた中年の彼らが、アメリカで最恐の犯罪者に立ち向かうわけで、衰えていた銃の腕前や体力を復活させる姿は、ちょっぴりユーモラスでもあり、共感せずにはいられない。そんな2人がFBIとも対立しながら、経験とひらめきで追跡を続ける。時代や国を超え、濃厚な男のロマンが充満する一作となっている。
 

 



『アンカット・ダイヤモンド』
監督・脚本/ジョシュ・サフディ、ベニー・サフディ 出演/アダム・サンドラー、キース・スタンフィールド、ケヴィン・ガーネット 
視聴時間135分

ダメ男の一獲千金の大勝負! 
アダム・サンドラーが演じるハワードは、ニューヨークの宝石商。かなり高額な商品も扱い、顧客には有名人もいる。エチオピアで採掘された超貴重なオパール(宇宙が見えるという石!)をようやく手に入れた彼は、競売にかけようとする。けれども、この石に惚れこんだNBAのスター選手から、彼のチャンピオンリング(指輪)を担保に一晩貸してほしいと頼まれ……。

このハワードという男、仕事での一攫千金をもくろんがために、ギャンブルに溺れ、多額の借金を抱えていたりする。かなりのザ・ダメ男なのだ。この点はアダムにぴったりだが、たどる運命は、めちゃくちゃ危険! 担保の指輪を質に入れて大金を手にしたり、オパールがなかなか返ってこなかったりと、セコい悪事や想定外の失敗が重なってドツボにハマっていく姿は、まるでアリ地獄のようでスリル満点!

映画というものは、ストーリーを追うことを重視するタイプと、雰囲気やノリで見せるタイプがあるけれど、今作は明らかに後者。宝石店での客とのやりとりや、借金返済を迫る一味との攻防など、観ているこちらもそこにいるようなリアリティで演出されている。そしてクライマックスの怒涛感は、文字どおり心臓バクバクの効果絶大! ちなみに、NBAの元スーパースター、ケビン・ガーネットが本人役で出演しており、本格的ゲームシーンにも注目を!
 

 



『タイガー・キング:ブリーダーは虎より強者?!』

監督/エリック・グッド、レベッカ・チャイクリン 出演/ジョー・エキゾチック  1シーズン8話(1話/48分)

ヤバい犯罪者だらけの衝撃ドキュメンタリー! 
特別に映画ではなく、ドキュメンタリーのシリーズ作品をご紹介。というのも、今、ネットフリックスで話題沸騰の作品があるから。3月20日に配信が始まり、10日間でなんと3420万人が視聴したうえに、キム・カーダシアンらセレブがこぞって熱狂している。それが、『タイガーキング』だ。観はじめてすぐ、その“ヤバさ”に誰もが呆気にとられるはず。賛否両論巻き起こしている、ドキュメンタリーなのである!

まず強烈なインパクトで迫ってくるのが、主人公のキャラクター。私設の動物園を経営し、100頭以上のトラなど野生動物を大量に飼育しているジョー・エキゾチック。その外見、生い立ちが過激なうえに、ゲイで2人の夫と同時に結婚。ほかにも、直にトラと触れ合うなど、何から何まで想像をはるかに超えるエピソードだらけ! 

さらに驚くのは、ヤバすぎるのがジョーだけではないってこと。彼を猛批判する動物愛護活動家の女性が、これまた怪しい保護活動をしており、過去の重罪がちらつくのだ。さらにジョーが師と仰ぐ、やはり私設動物園を運営する男はまるでカルト教団のリーダーのよう。野生動物を取引する麻薬王なども出てきて、とにかく“闇”の世界がどんどん広がっていくのだ。

トラに襲われる飼育員など目を疑う映像なども挿入され、誰もがこのドキュメンタリーを観て感じるだろう。“アメリカって、本当にここまでイッちゃってる人がいるんだ!”ということを。エピソードにどんどんハマっていく感覚を味わえる問題作。怖いもの観たさで、是非どうぞ!
 

 

文=斉藤博昭、相馬学、渡邉ひかる text:Hiroaki Saito、Manabu Souma、Hikaru Watanabe
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