このモデルは!?
音楽好きが心踊る“ディフェンダー”がある!
2025年7月25日(金)からの3日間、新潟県湯沢町苗場スキー場で開催された“FUJI ROCK FESTIVAL ‘25”(以下フジロック)。今年も多くの話題を振り撒いたが、その会場でアクティブ派の音楽好き、クルマ好きの視線を集めていた場所が、フジロックのオフィシャルサポーターを務めた “ディフェンダー”のブースだ。2つあるブースはともに音楽との繋がりを表現したもの。展示車両も音楽好きにとって嬉しい仕様だったのだが、それっていったいどんなものだったのか? あらためてご紹介したい。
“ディフェンダー”がブースを構えたのは会場外の“YELLOW CLIFF”エリアと、会場内の“ORANGE CAFÉ”エリアの2カ所。まず、会場入り口のすぐそば、“YELLOW CLIFF”のブースで参考展示されていたのが、“Music”をコンセプトとした日本独自の特別仕様車“ディフェンダー アーバンビート エディション”。真っ黒ボディがクールで都会的な印象の参考展示車両は、ビートという名がつくとおり、サウンドを楽しむ点でワクワクする仕様となっている。
“ディフェンダー アーバンビート エディション”が参考展示!
■DEFENDER URBAN BEAT EDITION で、実際なにが音楽好きにとって嬉しいのか? それはなんといっても、このモデルがあの〈メリディアン〉のサラウンドサウンドシステムを装備した特別仕様車だってこと。〈メリディアン〉といえば、泣く子も黙る英国のハイエンドオーディオブランド。サブウーハーを含めた合計15個(!)のスピーカーをディフェンダーの室内空間にあわせてチューニングすることで、迫力のサラウンド体験を提供。車内が上質極まるサウンドで埋め尽くされたような感覚を味わわせてくれるのだから、これは誰だってたまらないはず。
特別にデザインされた“URBAN BEAT EDITION” のバッジもかっこいい。音楽を聴きながら眺める都会の街並みと、音の粒子のモチーフをかけ合わせたロゴマークは、イコライザーを模した煌めく粒子でドライバーの高揚感を表現したそうだ。う〜ん確かに。レベルインジケーターが今にも動き出しそうな感じが伝わってくるようだ。
ちなみにこの特別仕様車のベースモデルは“ディフェンダー 110 X-DYNAMIC HSE D350”で、エクステリアカラーはサントリーニブラックとカルパチアングレイの2色を展開。さらに人気オプションの ClearSightインテリアリアビューミラー(車体後方の映像をルームミラーに映し出す)やエアサスペンションパックを装備していて、いい音とともにより快適なドライビング体験も堪能できそうだ。
“ディフェンダー オクタ”を展示!
■DEFENDER OCTA
そしてもう1台、会場内の“ORANGE CAFÉ”エリアで注目を集めていたのが“ディフェンダー オクタ”だ。クルマ好きならご存知のとおり、このクルマは未踏の地に挑む“ディフェンダー”の最高峰モデル。張り出したオーバーフェンダーも堂々たるもので、チラッと見ただけでも圧倒的な存在感で迫ってくる。で、このクルマのなにが音楽的かというと、例の〈メリディアン〉のサラウンドサウンドシステムを装備したうえに、さらに次世代型の車載用振動音響テクノロジーを搭載。すなわち、極上サラウンドに加えて、すべての感覚でサウンドを感じとることのできるボディ&ソウルシートを搭載したのが、この“ディフェンダー オクタ”というわけだ。
実は昨年“ディフェンダー オクタ”が日本でお披露目されたとき、筆者はこのボディ&ソウルシートに座ってリアルな体験をしている。その感想を素直にいうと「うわっ、音楽の電動マッサージか!」と驚くほど低音がカラダに響きわたり、耳で捉える音楽ともズレはなし。カラダで感じるビートそのものが室内に充満する音と渾然一体となり、ずっと聴いていると思わず別次元に引き込まれたような(?)没入感を味わったものだ。そして、そんなクルマを運転する機会を得たのはちょうどフジロック初日の金曜日。越後湯沢駅から苗場スキー場までの40分ほどだったが、運転席に座るやいなやボディ&ソウルシートを稼働してみた。するとどうだろう、ラジオから流れる曲ではあったが、ボリュームを上げていくとシート全体に心地よい振動が伝わってくる。そうなると気分が昂るのは当然のこと。まるでシートというお神輿を威勢のいい若者がわっせわっせと持ち上げてくれているような、そんな盛り上がりを味わうことができた。
その一方で味わい深かったのはディフェンダー オクタの走りだ。クルマが連なるフジロック会場への往路ではアクセルを踏み込むチャンスはほぼなかったものの、4.4ℓV8ツインターボエンジン+マイルドハイブリッド(635PS/750N・m)は山道ではかなりトルクフル。エンジンサウンドは、普通に走っているぶんには5.0ℓV8エンジン(525PS/625N・m)モデルより控えめでジェントル。いつも音楽を大音量で楽しみたい人にとっては、むしろそれくらいがちょうどいいのかもしれない。ただし足回りのよさはピカイチ。多少の荒れた路面でも安定性を欠くことはなく、すこぶる心地いい。「これが6Dダイナミクスエアサスペンションかぁ」といたく感動してしまったほどだ。ちなみに“ディフェンダー オクタ”はステアリング下にある“OCTAモード“のボタンを長押しすると、オフロードのパフォーマンスに特化したパワフルなモードに突入する。だが、今回はその世界を覗くに至らず。とっても残念だったのだが、それはそれとして、またの機会にレポートしたい。
山々に囲まれたフジロックの会場で、音楽に特化したラグジュアリーなオフローダーに触れる体験。アウトドア+音楽のフィールドであらためて“ディフェンダー”を見ると、その存在がまさにそこにぴったりだと感じた。そういえば再結成した“オアシス”のワールドツアーのオフィシャル車両パートナーを務めるのも“ディフェンダー”。音楽とアドベンチャーをこよなく愛する人は、是非一度ステアリングを握ってみてはいかがだろうか。
★DATA ディフェンダー アーバンビート エディション
●全長×全幅×全高:4945×1995×1970㎜
●車両重量:2470kg
●ホイールベース:3020㎜
●エンジン:3.0ℓ直列6気筒DOHCディーゼルターボ(MHEV)
●最高出力:258kW(350PS)/4000rpm
●最大トルク:700N・m/1500〜3000rpm
●トランスミッション:8速オートマチック
●駆動方式:四輪駆動
●税込み価格:1199万円
★DATA ディフェンダー オクタ
●全長×全幅×全高:4940×2065×2000㎜
●車両重量:2610kg
●ホイールベース:3020㎜
●エンジン:4.4ℓV型8気筒DOHCガソリンツインターボ
●最高出力:467kW(635PS)/6000〜7000rpm
●最大トルク:750N・m/1800〜5855rpm
●トランスミッション:8速オートマチック
●駆動方式:四輪駆動
●税込み価格:2105万円