“シブニ”=渋谷2丁目に現れた、アジアングルメを楽しむ!
隠れ家的な美食スポットである“シブニ”=渋谷2丁目に、新たな店舗が加わった。2025年7月1日(火)にオープンした〈ナイトマーケット(Night Market)〉は、アジアの料理が華麗に融合したレストラン。タイやベトナム、インドネシアなど東南アジアの伝統料理と日本のエッセンスが調和した料理が体験できる。
シェフの内藤千博さん
シェフとして腕をふるうのは、内藤千博さん。3つ星レストラン〈レフェルヴェソンス〉でスーシェフを務めた実力派で、2018年にモダンベトナミーズ〈アンディ(Ăn Đi)〉の料理長に就任した。フランス料理の確固たる技術を有しながら、アジアの様々な料理を知悉する。
ランチはセットで、ディナーは25種類程度のアラカルトを提供。グループで好きなものをオーダーしてシェアして食べる、賑やかなスタイルとなっている。“鴨胸肉のBBQ Duckとケチャップマニス”
ディナーで外せない一品が、インドネシア料理の“鴨胸肉のBBQ Duckとケチャップマニス”(6800円)。東南アジア各地で常食される鴨肉を、日本の伝統的な調理法である炭火で美しいロゼ色に焼き上げた。柑橘のジュースや黒糖、ナンプラーなどを用いて、インドネシアの調味料ケチャップマニスをイメージしたソースをつけて食すと豊かな香りが広がる。スライスしたオレンジ、ズッキーニやパプリカ、ホーリーバジルやミントが添えられており、色彩も鮮やか。“きゅうりとキウイの冷製スープ”
“きゅうりとキウイの冷製スープ”(800円/1カップ)はベトナムの冷たいスープ。キュウリとキウイのさっぱりとした青い味わいでフレッシュ感がある。ちりめん山椒がよい塩味で、大葉やコブミカンの葉、フェンネルの花がよいアクセント。“三重県尾鷲のフレッシュアンチョビ”
“三重県尾鷲のフレッシュアンチョビ”(600円/1ピース)はお酒にもぴったりなフィンガーフード。クラッカーの上にアンチョビ、赤玉葱のピクルス、エストラゴン、フェンネルの花がのせられている。アンチョビのしっかりとした旨味に赤玉ねぎのピクルスの酸味が心地よく、ハーバルな香りで軽やか。“ガスえびせん のり塩味 塩レモンディップ”
“ガスえびせん のり塩味 塩レモンディップ”(900円)は、サクサクっとしたタイのスナック。三重県尾鷲のガスエビは深海エビのヒゲナガエビで、甘味と旨味が強い。シンプルなプレーンとあおさが入った香ばしいもので、食べ比べできるのがいい。発酵させた塩レモンのマヨネーズをディップすると、さらに味わいが深まる。“ゴーヤチャンプルーの生春巻き 焦がしパイナップルソース”
ベトナムといえば生春巻き。“ゴーヤチャンプルーの生春巻き 焦がしパイナップルソース”(800円/1ピース)はゴーヤの苦味とパイナップルの甘味が調和しており、太めで食べ応え満点。“アオリイカと焼きなすのゴイカー”
“アオリイカと焼きなすのゴイカー”(1600円)は、さわやかなベトナム料理のゴイカー=魚のサラダ。コクのあるアオリイカのカルパッチョに胡麻がよい香ばしい。“鰹のタタキとビーツのソムタム”
タイ料理のソムタムは、一般的に青パパイヤで作られるが、現地では様々な食材で作られている。それを知った内藤さんが、この夏はビーツでアレンジしたのが、“鰹のタタキとビーツのソムタム”(2400円)。ビーツのほか、脂が乗った鰹のタタキ、コーンやナッツ、パクチーなどが用いられ、様々な食材の佳味が重なる。“サイウア”
“サイウア”(1400円/1ピース)は、タイ・チェンマイの名物ソーセージで、エゴマの葉で包んでいただく。肉汁たっぷりな乙な味わいで、ほんのりと差す辛味とハーブの香りが心地よい。“クラシック節のフォー”
締めでいただきたいのが、“クラシック節のフォー”(1400円)。クラシック節は、鹿児島県枕崎市にある〈金七商店〉の本枯節で、カビ付けの工程中にクラシック音楽をかけてつくられたことから名づけられた。しっかりとした旨味があり、スープにどっしりとした深みを与えている。香菜やホーリーバジルもたっぷりで、さっぱり。“玄米小豆甘酒と赤紫蘇のチェー”
デザートは、ベトナムの“玄米小豆甘酒と赤紫蘇のチェー”(1400円)がおすすめ。スモモのかき氷に、玄米小豆の甘味とココナッツミルクのプリン、カシューナッツとアーモンド、ミントが合わせられ、食味と食感、色彩が豊か。
ワインや日本酒は、〈アンディ〉で内藤さんとともに働いた経験のある、ソムリエの小林輝政さんがセレクト。「料理とともに自由な心で楽しんでほしい」という思いを込めて、ワインはグラスで1000円から、ボトルは7000円代から取り揃えられている。“クリストフ ルフェーヴル キュヴェ・ド・レゼルヴ・ブリュット ノン・ドゼ”(1800円)は最初にオーダーしたいシャンパーニュ。糖分を加えないノン・ドサージュで、キレのある酸が内藤さんの料理に合う。〈平和クラフト〉の“ホワイトエール”(1100円)や“山椒ゴールデンエール”(1300円)などのクラフトビールや、“光栄菊 月光 無濾過生原酒”(850円)や“ぷくぷく ODAKA 木桶仕込み”(900円)といった日本酒まで揃えられているから、色々と試してみるといい。
店内は36席あり、テーブル8卓にカウンター6席という構成。やわらかな緑色の壁は、東南アジアの太陽に照らされた森林を想起させ、木製のアンティーク家具がぴったりと馴染む。ヤシの木を編んだラグが敷かれたエントランスの階段部分や、ラタンをイメージした天井やカラフルな座面の椅子など、エキゾチックながらもムーディーな雰囲気をまとう。
気軽にふらりと訪れるのもいいし、彼女とのデートに利用したり、友人とシェアして食べたりするのもいい。“シブニ”の新しいアジアングルメとして、〈ナイトマーケット〉を覚えておいて!
●ナイトマーケット(Night Market)
住所:東京都渋谷区渋谷2-6-6 COERU 渋谷イースト
営業時間:ランチ11:30~14:30(14:00LO)、ディナー17:30~23:00(21:00LO)
定休日:月・祝日、不定休
TEL:03-6433-5516
URL:https://www.instagram.com/nightmarket.tokyo
※サービス料別(ディナーのみ)
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1976年台湾生まれ。テレビ東京「TVチャンピオン」で2002年と2007年に優勝。ファインダイニングやホテルグルメを中心に、料理とスイーツ、お酒をこよなく愛する。炎上事件から美食やトレンド、食のあり方から飲食店の課題まで、独自の切り口でわかりやすい記事を執筆。審査員や講演、プロデュースやコンサルタントも多数。