アリコン・映画アワード2018!【男優部門】
有村 昆が選ぶ“男が憧れる男優”は誰だ!?
有村 昆さんが2018年一番活躍した映画人を選ぶ。第3回めとなる今回は、男優部門。単にかっこいいといっても、その魅力は千差万別。いってしまえば、み~んなかっこいい男優だから。そんな中、『Safari Online』では特に、“男が憧れてしまうほどかっこいい武骨な男”を演じた男優に焦点を当てた。選ばれたのは、長年にわたりハリウッドを牽引しているアノ人です!
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今回は、男優部門の発表です。しかも、“男が憧れる武骨な男”でないといけないので、色々と悩みましたね(笑)。そして選んだのが8月に公開された『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』で大活躍だったトム・クルーズです!
今さらながら、トム・クルーズを選ぶんですか? と思うかもしれませんが、まずは聞いてください。御年56歳ですよ。それなのに『〜フォールアウト』では、アクションシーンを全部自分でやっているんです。まず、それがスゴいでしょ(笑)!?
なにより特筆すべきなのは、劇中に登場するスカイダイビングの場面。酸素がほとんどない成層圏から飛び降り、地上寸前でパラシュートを開く方法をヘイロージャンプ(高高度降下低高度開傘)というんですね。これは軍用に開発されたものなんです。それをトム・クルーズが本作で俳優として初挑戦しているんですよ。なんと高度7620mの上空から時速320kmで飛び降りているんです!
しかもクレイジーなのが、テストなどを含めて計106回も飛んでいるんですよ〜! 信じられます!? そのうえ、日没直後の、1日の中で最も美しい風景となる時間帯、マジックアワーに合わせて飛び降りていたんですね。でもマジックアワーって、わずか3分くらいしか続かない風景なんですよ。つまり、1日1回しかチャレンジできないわけです。それを100回以上飛ぶって、一体何日、この撮影に費やしたのか……。いやはや、改めて言います本当にクレイジーです。
この作品では、トム・クルーズは撮影のためにヘリコプターの操縦もマスターしました。その操縦テクニックを活かして、劇中ではヘリコプターの機体を旋回させながら急降下する“キリモミ飛行”なんていう、メチャクチャ危険なスタントも自ら行っています。ビルからビルに飛び移るシーンでは、骨折もしました。
トム・クルーズは、いや敬意をこめてトム先輩と呼びます! トム先輩は、なんでここまで狂気じみた撮影を行うのでしょうか? 恐らく僕が想像するに、ニコール・キッドマンやケイティ・ホームズらとの離婚を経験。娘スリの親権も元嫁のケイティ・ホームズにわたってしまい、結局信じられるのは己自身だなということに気づいたと思うんですよ。自分で鍛え上げた筋肉は裏切らないですから、筋肉を信じて過激なアクションに邁進し、私生活の寂しさを紛らわせているのではないでしょうか?(笑)
長年の活躍で、富と権力を入手。加えて、好きな映画作りをクレイジーなまでにこだわって作っている最後のスーパースター。羨ましいですよね〜。僕らも見習うべきじゃないですか? 僕はトム・クルーズ的人生でありたい! 道は、トム・クルーズの後ろにできるんです。あ、なんか名言っぽいですか?(笑) やっぱり男優賞はトム・クルーズ、いやトム先輩しかいないです!
ちなみに次点は、『ヴェノム』のトム・ハーディ。野獣感がスゴく出ていましたね。僕が大好きな『マッドマックス/怒りのデス・ロード』にも通じるマッドな雰囲気を、アメコミ映画で出していたというのがよかったです。
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<プロフィール>
有村昆:Kon Arimura
1976年マレーシア生まれ。年間約500本の映画を鑑賞し、最新作からB級映画まで幅広い見識がある映画コメンテーター。妻は、元キャスターの丸岡いずみ。
photo by AFLO