〈ホテルニューオータニ(東京)〉食材の旨味と香りを楽しむ“グリル&ワイン”ダイニング!
〈ホテルニューオータニ(東京)〉は1964年の開業以来、食を探求してきた美食のホテル。館内にあるほかのレストランと同様に、ガーデンタワー40階にある〈ベッラ・ヴィスタ〉も、その絶景とともにフレンチやイタリアンで食通の舌を口福に満たしてきた。それがさらなる“美食の探求”のため、2025年6月1日(日)にリニューアルしたというから、聞き逃がせない。
レストランの様子
素材の旨味を引き出す“炭火”と香薫が余韻を添える“薪火”を掛け合わせたグリル料理、そして選りすぐった銘醸ワインを楽しむ、“グリル&ワイン”ダイニングに進化した。
料理長を務めるのは、齋藤慎太郎さん。ミシュランガイド1つ星に輝く〈トゥールダルジャン 東京〉をはじめ、ホテルニューオータニの様々なレストランで研鑽を積んだ実力派。フレンチやイタリアンの作り手で、炭火や薪火を巧みに扱う。
コースも用意されているけれど、アラカルトも豊富で自分で好きに組み立てられるのがいい。“初鰹の薪焼きのタタキ”
“季節の一品”(3200円)は最初にオーダーしたい前菜。シーズンによって変わり、当日は“初鰹の薪焼きのタタキ”。炭火で炙ってから薪で燻香をまとわせ、鰹の快味を存分に引き出している。上には“貧乏人のキャビア”こと“キャビア・ド・オーベルジーヌ”(ローストしたナスのピューレ)、茗荷、大葉と様々な食味。お酢や出汁のジュレが味わいを軽やかにし、コブミカンのオイルが異国情調感を加える。
“薪炙りベーコンのカルボナーラ”
パスタのおすすめは、“薪炙りベーコンのカルボナーラ”(3800円)。薪で炙ったベーコンはふくいくたる香りをもっていて、塩味にメリハリがあってパンチも効いている。老舗製麺所の特製パスタはコシがあって旨味も十分。卵のクリームソースとしっかりと絡んで、文句なしの一体感を体現する。
“国産牛フィレ肉の縄文グリル”
“国産牛フィレ肉の縄文グリル”(1万3500円/150g)は、イチオシのメインディッシュ。やわらかなフィレ肉を薪火で見事に焼き上げ、しっとりさせながらも表面をカリッと仕上げた。味付けは誤魔化しの効かない塩と胡椒のみで、肉の至味をぎゅっと引き出している。コールスローをイメージしたサラダは、スプーンですくえるので食べやすい。“薫香を纏った焼きリンゴ アップルパイのイメージで”
デザートには、これまた炭火にこだわった“薫香を纏った焼きリンゴ アップルパイのイメージで”(2200円)が出色。甘味と酸味のバランスがいいアップルのローストをアシェットデセール=皿盛りデザートに紡いだ。シナモンや砂糖で調味され、オーブンでしっかりと焼かれたパイ生地のスティックは郁郁たる香り。周りにあしらわれたひまわりのハチミツとシナモンパウダーが、複雑味を添える。
エグゼクティブ シェフソムリエの谷宣英さんがセレクトしたワインや新しく考案したカクテルを味わえば、もっと楽しい食事になることは間違いない。
“ヘイズ ハイボール”(2800円)は最初の一杯にも相応しい、爽やかなモヒートスタイルのハイボールカクテル。薪や焚火のような燻したニュアンスのアイラウイスキー“ビックピート”に清涼感あるコブミカンの葉が合わせられているので、とても軽やか。野菜や魚介類を用いた前菜との相性も抜群。
長野県塩尻市の“ドメーヌ・コーセイ メルロ ロゼ 2024”(2400円)は、桃を感じさせる華やかな香りをもつロゼワイン。とても辛口だから、様々な料理に調和する。
“縄文グリル”にぴったりなのが、“カサレナ・ワイナリー シネジー オーウェン レッドブレンド 2019”(2400円)。アルゼンチンのカベルネ・ソーヴィニヨンが主体となった赤ワインで、強く丸みのあるタンニンが、シンプルな旨味を引き出した牛肉に寄り添う。
ダイニングには70席があり、テーブル間隔に余裕のある広々とした空間。個室も14席が設けられているので、接待や大切な記念日での利用にも便利。
〈ベッラ・ヴィスタ〉で、絶景とともに新しく体験できる“グリル&ワイン”。薪火と炭火の妙味を堪能できるホテルは珍しいので、是非とも体験してみて!
●〈ホテルニューオータニ(東京)〉ベッラ・ヴィスタ
住所:東京都千代田区紀尾井町4-1 ホテルニューオータニ ガーデンタワー 40F
営業時間:ランチ 12:00~15:00(14:00LO)、ディナー 17:30~22:00(20:00LO)
TEL:03-3238-0020
URL:https://www.newotani.co.jp/tokyo/restaurant/bellavista/
※サービス料別
●グルメジャーナリスト 東龍さんの連載、記事はこちら!
グルメジャーナリスト東龍のホテルグルメで“口福”体験!
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1976年台湾生まれ。テレビ東京「TVチャンピオン」で2002年と2007年に優勝。ファインダイニングやホテルグルメを中心に、料理とスイーツ、お酒をこよなく愛する。炎上事件から美食やトレンド、食のあり方から飲食店の課題まで、独自の切り口でわかりやすい記事を執筆。審査員や講演、プロデュースやコンサルタントも多数。