横浜で鉄板焼と割烹のいいところ取り!? “ワインラム”を味わえる日本料理〈木の花〉
1998年にオープンした〈横浜ベイシェラトン ホテル&タワーズ〉は横浜のランドマークとなっている。横浜駅からのアクセスは抜群で、さまざまなシーンで本格的な和食を体験できるのが日本料理〈木の花〉。8階のワンフロア全てを使用したという贅沢な空間の中に、わずか6席だけの“大人の美食スポット”、鉄板割烹〈山吹〉がある。
わずか6席だけの鉄板割烹〈山吹〉
料理長の徳留雅さん
ゲストの“ワガママ”に応えられるように海の幸から山の幸までをご用意
2025年2月1日(土)から料理長を務めているのが、徳留雅(とくどめ まさし)さん。徳留さんは鉄板焼の名店で研鑽を積み、洋食も和食もこなすという実力派で、さっそく好評を博している。ゲストの“ワガママ”に応えられるようにと、4月からはディナーにアラカルトを提供し、“割烹的”に鉄板焼を楽しめるようになったから食べ逃がせない!
アラカルトメニューは前菜(要注文)、酒肴、3種類の魚介類、焼き野菜、7種類の肉料理、4種類の食事、水菓子、甘味というラインナップ。自由に組み立てられて、バリエーションに富んでいるのが嬉しい。“前菜”
“前菜”(4000円)は季節感が感じられるプレゼンテーションになっていて、初夏の頃は菖蒲の葉でダイナミックにあしらわれている。5品が同時に提供されて、どれもお酒にぴったり。奥は、蟹と防風がのせられたオクラのゼリー寄せで、生姜とお酢のゼリーが爽やか。オレンジ色の葉の器には、柚子の花びらを飾ったフキノトウの湯葉巻きと豆腐クリームで、その隣には鴨ロース葱巻きの田楽味噌。山菜のシドケ=モミジガサのお浸しは、鰹節の旨味とよく合う。笹の葉に包まれているのは、上味が味わえる鯛の昆布締め鮨。竹串を引く葉がしなやかに開く。三浦・金田漁港のノドグロ
“季節の御魚”(時価)は、食味に優れた三浦・金田漁港のノドグロ。皮目をパリッと焼いて、身はふっくらと仕上げた。慎ましやかな食味なので、ほんのりと塩を付けるだけで十分。澤田穂光作の九谷焼が、ノドグロをより魅惑的に浮かび上がらせてくれる。“ワインラム”
骨周りの肉まで堪能
通常の鉄板焼では、肉は黒毛和牛しか扱わないので、“ワインラム”(1万円/250g)は是非ともチョイスしておきたい。北海道の“ワインラム”は、独特の臭みもまったくなく、繊細でミルキーな佳味をもつ。しっかりと焼いてから、クローシュをかぶせて炭火で香りを付け、仕上げにまた鉄板で焼くのが、徳留流。ラムの香ばしさと旨味がぐんと引き出されている。骨はペーパーに包んでわたしてくれるので、“旨味の宝庫”である骨周りの肉を食べ尽くして。“鮑”
“伊勢海老” ※写真は半身。本来は一尾
魚介料理でおすすめしたいのが、“鮑”(4500円)と“伊勢海老”(1万5000円)。どちらとも、まるごとひとつ使われた贅沢な一皿で、鮑はバターと肝のソースで香り高くして、伊勢海老は滋味を味わえるようにシンプルな味付けでレモンを添えた。
メインディッシュの前にセレクトしたいのが“焼き野菜 盛り合わせ”(1500円)。その日最高の野菜から、4種類くらいをセレクトしてもらえる。当日は、甘味のある北海道のホワイトアスパラガス、とろっとした九州の赤茄子、厚みがあって食べ応え満点の新潟県の椎茸“天恵菇(てんけいこ)”、甘くてやわらかな神奈川県の“下中たまねぎ”。おろしポン酢、島根県松江市にある北國の醤油、口溶けなめらかな岩手県宮古市の“三陸宮古の塩”、ワサビとコンディメントも豊富なので、好みで付けてみて。“焼き野菜 盛り合わせ”と前沢牛のフィレ
当日の“銘柄牛フィレ・サーロイン”(1万2000円/100g)は、岩手県の前沢牛。前沢牛は肉質に定評があり、サシも口溶け感も秀逸なブランド牛で、2人以上ならフィレとサーロインをシェアすることもできる。フィレは脂が軽めなので、ミディアムレアで仕上げて、繊細な和牛香と赤身の上味を満喫するのがいい。サーロインは脂が乗っているので、しっかりめに焼いて、そのジューシーかつ妙妙たる味わいを堪能するのがおすすめ。“季節の御飯”
食事のイチオシは“季節の御飯”(2700円)。季節替わりの土鍋ご飯で、サクサクとして滋味たっぷりの桜海老と、青い香味のグリーンアスパラガスがふんだんに使われている。
日本酒が豊富で、ワインも充実しているので、お酒のセレクトで困ったら、スーパーバイザーの鈴木祥子さんに相談するといい。充実したワインのラインナップ
左:“パルメ ラ・レゼルヴ ブリュット” 中:“REGALO メルロ 2022” 右:“浜千鳥 純米吟醸 吟ぎんが”
“パルメ ラ・レゼルヴ ブリュット”(2600円)は長期熟成で複雑な熟成感のあるシャンパーニュ。柑橘系の香りとフレッシュな味わいが前菜とよく合う。前沢牛に合わせて、岩手県の“REGALO メルロ 2022”(3000円)や“浜千鳥 純米吟醸 吟ぎんが”(2800円/一合)もおすすめ。前者はメルロ100%でタンニンや酸味も穏やかなので、ラムにマリアージュする。後者は米や酵母など素材が“オール岩手”の日本酒。香り高くてインパクトのある口当たりなので、前沢牛に文句なしに寄り添う。
徳留さんが“鉄板焼”と“割烹”を見事に調和させた鉄板割烹〈山吹〉。ゲストの“美食リクエスト”に何でも応えてくれるから、是非とも訪れてみて!
●〈横浜ベイシェラトン ホテル&タワーズ〉日本料理〈木の花〉 鉄板割烹〈山吹〉
住所:神奈川県横浜市西区北幸1-3-23 横浜ベイシェラトン ホテル&タワーズ8F
営業時間:ランチ 月~金曜 11:30~16:00/土・日・祝日 11:00~16:30、
ディナー 月~土曜 17:30~22:00/日・祝日 17:30~21:30
TEL:045-411-1188
URL:https://ybsh.sotetsu-hotels.com/restaurants/konohana/
※サービス料込み
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1976年台湾生まれ。テレビ東京「TVチャンピオン」で2002年と2007年に優勝。ファインダイニングやホテルグルメを中心に、料理とスイーツ、お酒をこよなく愛する。炎上事件から美食やトレンド、食のあり方から飲食店の課題まで、独自の切り口でわかりやすい記事を執筆。審査員や講演、プロデュースやコンサルタントも多数。