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CULTURE カルチャー

2018.08.17

名作を観て夏バテ解消⁉
食欲をそそるグルメ映画5選!

8月も中盤になると、暑さから夏バテ気味〜なんて人も多いだろう。

そんなときは、涼しい部屋でウマそ〜なグルメ映画を観て食欲を取り戻すっていうのはどう!? 思わずヨダレが止まらなくなるかも!
 

 


『シェフ 三つ星フードトラック始めました』
製作年/2014年 製作・監督・脚本・出演/ジョン・ファブロー ヨダレが出る回数/10回

サンドイッチが無性に食べたくなる!
LAの一流レストランを仕切る人気シェフが主人公。ということで、料理がキーポイントになる映画の中でもトップクラスの“おいしさ”にあふれた一作。SNSやYouTubeの動画をきっかけに、自らのコメントが大炎上。レストランをクビになったカールが、一念発起してフードトラックではじめるのが、マイアミで魅了されたキューバサンドイッチ。日本人には聞き慣れないレシピだが、中身はハムとチーズという王道のスタイル。このサンドイッチが、じわーっと濃厚な中身も伝わる映像で出てきて、ひたすら舌なめずり!

さらに映画の前半、レストランでカールが作るパスタやステーキなども、鉄板の音や湯気、ゴージャズな盛り付けまで、料理を描く映画にとって最高の見本のような映像で展開。空腹で観たら、耐えられないレベルかも!? ドラマ部分では、カールが息子に言う「料理に必要なのは、人の心に触れること」などシェフらしい名言も多く、料理が好きな人も、そう出ない人も、この作品を観たらすぐにキッチンに直行したくなるのでは?
 

 


『イタリアは呼んでいる』
製作年/2014年 監督・脚本/マイケル・ウィンターボトム 出演/スティーブ・クーガン ヨダレが出る回数/10回

観ていると口がイタ飯を欲してくる!
グルメと旅は最高の組み合わせ。その醍醐味をとことん味わえるのが本作だ。英国コメディ俳優のスティーヴ・クーガンとロブ・ブライドンの2人が、“俳優である自分”という役を演じながら、1週間かけてイタリア各地を巡るロードムービー。彼らの仕事や家族のドラマも絡む珍道中が楽しいが、行く先々のホテルで頼むメニューも、こちらも主役とばかりに大きくクローズアップされる。

海辺のホテルでは、タコのポテト添えなど魚介づくし。そして山間の町ではイノシシやウサギのジビエ料理。そこにイタリア料理の定番であるパスタもバラエティ豊かに出てくるので、主人公2人と一緒にグルメ旅を満喫している気分になる。しかも、どれもがSNS映えしそうな独創性と美しい見た目! それぞれのレシピやワインのウンチクも語られるが、そのあたりもサラリと嫌味が少ないので、気軽に楽しめるグルメ映画の傑作といえそう。この主演2人、同じスタイルで英国を巡るバージョン『スティーヴとロブのグルメトリップ』も作っているが、イタリア版の方が食欲をソソるレベルは圧倒的に上かも!
 
 


『幸せのレシピ』
製作年/2007年 監督/スコット・ヒックス 出演/キャサリン・ゼタ=ジョーンズ ヨダレが出る回数/8回

今すぐ恋人の手料理を口にしたくなる!
ドイツ映画『マーサの幸せのレシピ』を、キャサリン・ゼタ・ジョーンズ主演でリメイクした本作。“料理が人の心を近づける”という真実を、きっちり物語に組みこんでいるので共感度も大! シェフのケイトは完璧主義で料理の腕はピカイチだが、愛想のない性格で、文句をいう客に逆ギレするのも日常。そんな彼女は姉の急死で、その娘、つまり姪っ子のゾーイを引き取ることになるが、ケイトが腕によりをかけた料理に、ゾーイは関心を示さない。

しかし、心に深い傷を抱えた幼い少女を元気にするのは……やはり料理! ケイトのレストランに新たなに雇われたニックが作る、どこにでもありそうなフレッシュトマトとバジルのスパゲッティに、ゾーイは大喜び。高い食材を使う凝った料理もいいけれど、本当に幸せになれるのは、作り手の心がこもった、やさしい手作りの味。つまり、見かけのこだわりや、お金をかけることじゃないってこと! そんなテーマが料理で表現されるこの映画。心に満腹感を与えてくれる1作だ。
 
 


『初恋のきた道』
製作年/1999年 監督/チャン・イーモウ 出演/チャン・ツィイー ヨダレの出る回数/6回

きのこ餃子が気になって仕方がない!
中国の巨匠、チャン・イーモウ監督作で、後に世界的女優へと成長するチャン・ツィイーの大ブレイクのきっかけとなったこの映画。都会から村にやって来た20歳の教師と、彼にひと目惚れした18歳の少女のあまりに純粋なラブストーリーは、公開当時日本でも多くの人の胸を打ち、話題になった。校舎を建てる教師ら男たちのために、村の女たちが料理を作るエピソードもあるが、特にグルメ映画というわけではない。出てくる料理も、ネギのお焼き、栗ご飯、炒り卵など、本当にシンプルなものばかりだ。

でも、そのシンプルさこそが本作の魅力。そして極めつきが、きのこを詰めた蒸し餃子。教師の好物だと知った主人公が、手作りの餃子を丼に入れて彼に届けようとする。しかし心が急ぐあまり転んでしまい、餃子は野山の道に散らばってしまう。このシーンのチャン・ツィイーのピュアで切ない表情に、心が締めつけられない人はいないと断言! そんな忘れがたい名シーンによって、映画を観終わった後も「あの、きのこ餃子はどんな味なのか?」と気になって仕方なくなる。その意味で、映画史に残る“最高の1品”!
 
 


『バベットの晩餐会』
製作年/1987年 監督・脚本/ガブリエル・アクセル 出演/ステファーヌ・オードラン ヨダレが出る回数/7回

超高級料理に喉が鳴り続ける!
グルメな映画と聞いて、この作品を思い浮かべる映画ファンは多いだろう。舞台はデンマークのユトランド地方。結婚することもなく年老いた姉妹が、亡き父の生誕100年を記念した晩餐会を開くことに。ちょうどそのとき、パリから移り住んでいた元料理人のバベットに宝くじが当たり、彼女はその当選金で、姉妹のために最高の料理を作ると申し出る。

まず驚くのは、バベットが取り寄せた高級食材の数々。生きたウズラや海亀、1本数万円もするクロ・ヴージョというフランスの超高級ワイン……。海亀はスープとなり、ウズラはパイになるのだが、ふだん目にすることのない超レア高級料理が完成するまでの過程だけでも興味津々。さらに本作の見どころは、その料理を食べる人たちの反応で、人生で最高の味に出会った瞬間の表情や、ため息とともに出る感想が、観ているこちらの心を揺り動かす。デンマークの片田舎の素朴な風景や人々と、最高料理の組み合わせというミスマッチ感も、じつに“乙”なのである。 
 

 
文=斉藤博昭 text:Hiroaki Saito
Visual Press Agency/Album/Everett Collection/アフロ
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