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CULTURE カルチャー

2025.12.29 NEW


ア然!ボウ然!衝撃映画5選!【2025年公開映画】



『サブスタンス』
製作年/2024年 製作・監督・脚本/コラリー・ファルジャ 出演/デミ・ムーア、マーガレット・クアリー、デニス・クエイド

ボディホラーの真骨頂!
加齢とともに落ち目となり、レギュラー番組からも解雇された50歳の女優エリザベス。失意の彼女は、すがる思いで“サブスタンス”と呼ばれる特殊薬品に頼る。それは若々しい容姿に変身できる画期的な薬。ただし1週間後には元に戻り、次の1週間は元の肉体で過ごさねばならない。別人のように若々しくなったエリザベスはスーという芸名で活動し、人気を得ていく。ところが、その甘美さに酔うあまり、1週間交代のルールを無視。やがて彼女の肉体に異変が……。

一見、奇抜なホラーだが、それでもアカデミー賞にノミネート。リスクを承知で肉体大変身に挑み、そのリスクに冒されていくエリザベスにふんしたベテラン、デミ・ムーアの全裸もいとわぬ熱演も話題となった。容姿のみで評価されがちな女性の苦しみを訴える社会派の要素は、もちろん意義深く興味深い。しかし何よりインパクトがあるのは、主人公の体に起きるグロテスクな異変だ。驚きのクライマックスは、まさにボディホラーの真骨頂!
 

  

 


『ストレンジ・ダーリン』
製作年/2023年 監督・脚本/J・T・モルナー 出演/ウィラ・フィッツジェラルド、カイル・ガルナー、マディセン・ベイティ、スティーヴン・マイケル・ケサダ

ジワジワとあぶりだされる衝撃の事実にア然!
シリアルキラーが暗躍する田舎町。クルマで必死に逃げる赤い服の女、通称レディを、黒いクルマに乗った男、通称デーモンが銃を撃ちながら追いかける。やがてレディはクルマを乗り捨てて森の中を走り、老夫婦が暮らす家に助けを求めた。そして銃を持ったデーモンも、そこにたどり着く。レディを見つけ、殴りつけるデーモン。彼らの間に、いったい何が起きたのか? 物語は、バーで出会って意気投合したふたりのやりとりへとさかのぼる……。

このスリラーは全6章で構成されているが、まず驚かされるのは、第3章から物語がはじまること。逃げる女と追う男の構図は、この時点で提示される。次に話は第5章に飛び、第1章に巻き戻り……と、一筋縄ではいかない展開に。もちろん、この構造には意図があるのだが、それは観てのお楽しみ。言えるのは、各章のごとに意外な秘密が明かされていくこと。ジワジワとあぶりだされる衝撃の事実にア然として欲しい。
 

  

 


『愛はステロイド』
製作年/2024年 監督・脚本/ローズ・グラス 共同脚本/ヴェロニカ・トフィウスカキャスト 出演/クリステン・スチュワート、ケイティ・オブライアン、エド・ハリス、ジェナ・マローン  

男権社会に強烈な一撃を食らわせる!
舞台はニューメキシコ州の田舎町。犯罪をもいとわない強引なやり方で町の事業を仕切る高圧的な父の下、クィアの女性ルーは父のスポーツジムでトレーナーとして働いていた。そんな彼女の前に現われたのが、ボディビルダーのジャッキー。彼女たちはすぐに恋に落ち、ルーはジャッキーにジムの練習場とステロイドを提供する。ところが、ジャッキーがルーの姉のDV夫に怒り、衝動的に殴り殺してしまったことから波乱が。ルーは彼女の罪を隠そうと証拠隠滅に走るが……。

『セイント・モード 狂信』で注目されたローズ・グラス監督が放つ、さらなる衝撃。鬱屈をタバコでまぎらす女性と、ステロイドに溺れるボディビルダーのロマンスを描きながら、男権社会に強烈な一撃を食らわせた。その象徴というべきクライマックスに、ア然・ボウ然が待っている! リアリズムのラインから逸脱したファンタジーともとれるこの場面に、あなたは何を観る?
 

  

 


『ボディビルダー』
製作年/2023年 製作総指揮・出演/ジョナサン・メジャース 監督・脚本/イライジャ・バイナム 出演/ヘイリー・ベネット、テイラー・ペイジ、ハリソン・ペイジ、マイク・オハーン 

深まる孤独に狂気が宿る!
暴力衝動という心の問題を抱え、祖父の介護をしながら、ボディビルダーとして成功することを夢見て特訓を積む青年キリアン。スーパーの仕事をこなしつつ、大量のカロリーとステロイドを摂取する日々。それによる内臓の不調が判明しながらも、ボディビルに執着する彼は鍛えることをやめなかった。しかし暴力事件に巻き込まれて、大会で失態を演じてしまったことで、キリアンの中の何かが弾ける……。

こちらもボディビルを題材にしているが、『愛はステロイド』とは異なり、主人公はひたすら孤独。アンガーマネージメントやコミュニケーション能力に問題があり、人づきあいが下手で、デートもうまくできないし、ついには仕事もクビになるのだから、孤独も深まるというもの。そこに狂気が宿り、膨らんでいったとき、物語は意外な展開を見せる。この惨劇は夢か、現実か!?
 

  

 


『WEAPONS /ウェポンズ』
製作年/2025年 製作・監督・脚本/ザック・クレッガー 製作総指揮・出演/ジョシュ・ブローリン、ジュリア・ガーナー、オールデン・エアエンライク 

6人目の章となったとき、誰もがア然!
米国の田舎町で、深夜2時17分、とある小学校のクラスの生徒17人が一斉に失踪した。動機がわからず、警察も手がかりすらつかめない。父兄から疑惑の目を向けられた担任教師ジャスティンは、クラスで唯一失踪しなかった少年に謎を解くカギがあるのではとにらむ。一方で、父兄の中にも独自に捜索をする者がいた。事件の驚くべき真相とは?

ジャンル的にはホラーだが、一見そう見えないのがミソ。『バーバリアン』で注目を集めたザック・クレッガー監督はミステリーを仕立てつつ、『マグノリア』の群像劇スタイルを意識したとのこと。実際、本作は7人の視点で事件を見据えた7章から成っている。章が進むほどに現実のキシみが見えてくる巧みな構成。そして6人目の章となったとき、誰もがア然とするだろう。『フィールド・オブ・ドリームス』のベテラン、エイミー・マディガンの怪演ともども、大いに仰天して欲しい。

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怖くて不気味な田舎ホラー&ミステリー映画5選!《再配信》

 
 

  

 

 
文=相馬学 text:Manabu Souma
photo by AFLO
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