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2025.12.22 NEW


海外セレブも愛してやまない歴史あるホテルの選ばれしフレンチ

日本におけるフランス料理を黎明期から牽引してきたのは、1890年に開業した〈帝国ホテル〉。フランスの伝統を重んじつつ、日本独自の食材や感性を取り入れたフランス料理を創出してきた功績は大きい。その“帝国ホテルのフランス料理”を象徴するのが、〈帝国ホテル 東京〉の〈レ セゾン(Les Saisons)〉。ここは、フランス人シェフであるティエリー・ヴォワザン氏のもと、ミシュランガイドで一つ星に輝き続けている。

[帝国ホテル 東京]
IMPERIAL HOTEL TOKYO

フランス人シェフのティエリー・ヴォワザン氏

ヴォワザン氏はフランスのトゥール出身で、15歳から料理人としてのキャリアをスタート。シャンパーニュ地方を代表する名店〈ボワイエ レ クレイエール〉のオーナー、ジェラール・ボワイエ氏から薫陶を受けた。彼の卓越したセンスで織り成す料理は評価が高く、2005年から同店のシェフを務めている。 

 

◆Recommend Course Menu◆
[ル・ムニュ・ドゥ・ティエリー]
LE MENU DE THIERRY

ヴォワザン氏の料理を余すところなく堪能できるのが、ランチ・ディナーともに注文できる“ル・ムニュ・ドゥ・ティエリー(LE MENU DE THIERRY)”(5万円)。季節の食材を用いたコースになっていて、前菜2品、魚料理2品、肉料理、デザートの全6品で構成されている。

アミューズ

“アミューズ”は定番の一品。店名が蓋に刻印されたキャビアの缶がアイコニック。缶の中には、タルタルにした富士山麓のマスが敷かれており、その上には、ピスタチオとそのクリーム。ふわふわに揚げたカボチャのニョッキは、そのまま食べてもOK。

ラングスティーヌをシトロンキャヴィアで飾って エスプレットスープのラビオリと一緒に

ラングスティーヌ=アカザエビを存分に味わえるのが“ラングスティーヌをシトロンキャヴィアで飾って エスプレットスープのラビオリと一緒に”。軽く火入れしたアカザエビはふんだんに滋味を湛えていて、シトロンキャヴィアの酸味とオシェトラキャビアの塩味が骨格をつくる。添えられた小さな一皿は、エスプレット唐辛子を使用した香り高いスープとラビオリ。

玉葱のスープ 雲のように仕上げた熟成コンテチーズ 黒トリュフのクリーム

“玉葱のスープ 雲のように仕上げた熟成コンテチーズ 黒トリュフのクリーム”は、タマネギの幽香が閉じ込められたクリーミーなスープ。下にあるコンテチーズと塊感のある黒トリュフが味わいを深めるから、混ぜて食べるのがおすすめ。

ヨーロッパ産平目と様々な貝をシャンパンで仕上げたソースと共に 軽く火を入れたハーブ類を添えて

ヴォワザン氏がこだわるヨーロッパ産の平目を用いたのが、“ヨーロッパ産平目と様々な貝をシャンパンで仕上げたソースと共に 軽く火を入れたハーブ類を添えて”。平目はしっとりとした仕上がりで、その身には俊味が凝縮されている。ソースは、蛤、モンサンミッシェルのムール貝、北海道の帆立貝など、その日仕入れた貝をベースとした出汁にシャンパーニュを合わせていて、とても上品。別皿はやわらかなフランで、スライスした根セロリのチップがアクセント。

ブルー・オマール海老とアンディヴ ソーテルヌワインのソース

“ブルー・オマール海老とアンディヴ ソーテルヌワインのソース”は、オマールブルーをストレスのかからないように丁寧に火入れした魚介料理。オマールブルーはぷりぷりのテクスチャーで、閑雅な味わい。ウイキョウの香りがさわやかで、ソーテルヌと白ワインのソースは、酸味があってよいメリハリ。小さな一皿は、竹串に刺したオマールブルーの爪の天ぷらとスープ。

雷鳥のインペリアル風

メインディッシュは“雷鳥のインペリアル風”。野性味が感じられる雷鳥となめらかなフォアグラのロワイヤルは実に濃厚。黒いキャンバスの上で、金箔がよく映える。コクのあるトランペット茸、香り高い根セロリのピューレが名脇役。酸味のある赤キャベツのコンディマン、鮮烈なセロリの天ぷら、ほっこりとした栗もちょうどいい箸休め。

黒無花果とペッシュ・ド・ヴィーニュにリヴサルトワインとエピスを合わせて フヌイユとパスティスのソルベ

“黒無花果とペッシュ・ド・ヴィーニュにリヴサルトワインとエピスを合わせて フヌイユとパスティスのソルベ”がグランデセール。桃と黒無花果のコンポートの上に、ふんわりとしたヌガーグラッセ、郁郁たる香りのアニスのリキュール“パスティス”とフヌイユ=フェンネルのソルベを麗しく重ねた。トップにあしらったペンタスの花が可憐。 

 

◆WINE LIST◆



〈レ セゾン〉にはフランスをはじめとしたワインが豊富に揃っていて、グラスワインも40種類ある。シェフソムリエの伊藤靖彦氏、支配人でソムリエの李哲三氏、キャプテンでソムリエ資格を有する尾形圭一朗氏など、優秀なソムリエ陣がいるから好みを伝えてみて!

豊富に揃うワイン

“フレールジャン フレール グラン レゼルヴ”(3600円)は最初の一杯にぴったりなシャンパーニュ。レモンピールやブリオッシュの香りがあり、泡立ちもクリーミーなのでアミューズとの相性も抜群。ミネラル感もあるので、魚料理にもよく合う。グラスで味わえるのがビックリなシャンパーニュが、“ボランジェ PN TX20”(6400円)。軽い燻香が感じられて、豊かな骨格を形成している。肉類やチーズ、クリームとの相性が抜群で、その力強さに魅了される!

“クロ・アンリ ワイマウンガ ソーヴィニヨン・ブラン 2022”(3200円)はニュージーランドの白ワイン。レモンやグレープフルーツの香りがあって、ボリュームとミネラルが感じられる。平目との相性が完璧な一杯。雷鳥に合わせたいのが、“ソタナム 2020”(4350円)。カシスや黒胡椒が香り、タンニンが細かく、エレガントで引き締められた味わい。煮込み料理の味わいを底上げしてくれる最高の赤ワイン。

“ボンヌゾー キュヴェ・ゼニット 2002”(2200円)は、デザートにマリアージュするフランス・ロワール地方の貴腐ワイン。とろみのある甘味をフレッシュな酸が支えていて、デザートの味わいを寛容に包み込んでくれる。

内観

店内のデザインは、“クラシカルモダン”をテーマに、フランス人デザイナーのフランソワ・ル・グリ氏が手掛けた。テーブル間隔に余裕があるので、隣のテーブルも気にならない。重厚感がありながらも洗練された雰囲気の中で、食事を楽しめる。個室も4部屋設けられているので、様々なシチュエーションで利用可能。絶対にハズしたくないフレンチなら、〈帝国ホテル 東京〉の〈レ セゾン〉で決まり! 

 
⚫︎コース料理:ル・ムニュ・ドゥ・ティエリー(LE MENU DE THIERRY)
・ラングスティーヌをシトロンキャヴィアで飾って エスプレットスープのラビオリと一緒に
・玉葱のスープ 雲のように仕上げた熟成コンテチーズ 黒トリュフのクリーム(1)
・ヨーロッパ産平目と様々な貝をシャンパンで仕上げたソースと共に 軽く火を入れたハーブ類を添えて
・ブルー・オマール海老とアンディヴ ソーテルヌワインのソース(2)
・雷鳥のインペリアル風
・黒無花果とペッシュ・ド・ヴィーニュにリヴサルトワインとエピスを合わせて フヌイユとパスティスのソルベ
・カフェとショコラ
料金:全7品コース5万円、(1)と(2)の料理を除いたコース 2万5000円、(2)の料理を除いたコース 3万8000円

※肉料理の変更
特選和牛サーロインのポワレ西洋葱とトリュフの共演 +5600円
特選和牛フィレ肉のポワレ +1万1000円  

 

 

 
Information

⚫︎〈帝国ホテル 東京〉レ セゾン(Les Saisons)
住所:東京都千代田区内幸町1-1-1 帝国ホテル 東京 本館 中2F
営業時間:ランチ 11:30~14:30(13:30LO)、ディナー 17:30~22:00(20:30LO)
TEL:03-3539-8087
URL:https://www.imperialhotel.co.jp/tokyo/restaurant/les-saisons
※サービス料込み

●グルメジャーナリスト 東龍さんの連載、記事はこちら!
グルメジャーナリスト東龍のホテルグルメで“口福”体験!
アレが食べたいからこの店へ!

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文=東龍 text:Toryu
1976年台湾生まれ。テレビ東京「TVチャンピオン」で2002年と2007年に優勝。ファインダイニングやホテルグルメを中心に、料理とスイーツ、お酒をこよなく愛する。炎上事件から美食やトレンド、食のあり方から飲食店の課題まで、独自の切り口でわかりやすい記事を執筆。審査員や講演、プロデュースやコンサルタントも多数。

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