
豊富な医療経験を持つ主人公ペク・ガンヒョク教授(チュ・ジフン)
昨年末配信開始の『イカゲーム』シーズン2が第1の旋風となった2025年だが、こちらもチェックしておきたいのが、1月24日の配信開始以来、世界的な大ヒットを記録している医療ドラマ『トラウマコード』。実を言うと作品に対する熱狂は、もはや『イカゲーム』シーズン2以上。気の早い話ではあるが、2025年のベストに挙げる声も多い。
そんな『トラウマコード』の物語の中心となっていくのは、韓国大学病院の重症外傷チーム。その名の通り重症の外傷患者を請け負う重症外傷チームは院内きっての過酷な科で、激務に対価が伴わないことから人手が途絶えていた。だが、ある日を境に、重症外傷チームの責任者としてペク・ガンヒョク教授(チュ・ジフン)が着任。ペク教授は過去に国境なき医師団のメンバーとして紛争地域の救命活動にあたったこともある優秀な外科医で、“神の手”を持つ天才と称されている。
一方、もう1人の主人公とも言えるヤン・ジェウォン(チュ・ヨンウ)は若手のエリート医師で、安定した未来を約束された肛門外科を専攻している。医者一家に生まれ、大学での成績が良く、教授たちの覚えもいいジェウォンはそのままエリート街道を突き進んでいくかに見えた矢先、ペク教授との出会いで進路を狂わされることに。ペク教授から「肛門」のあだ名を頂戴し、強引過ぎる彼の方針に振り回されながらも、その圧倒的な手術スキルや確かな熱意に魅了され、いつしか愛弟子状態となっていく。
そんな2人のバディものとも言えるストーリーは、エピソードごとにさまざまな患者を救おうとするペク教授の活躍、さらには彼の下で医師としての自分と向き合うことにもなるジェウォンの成長を柱に進行。優れた判断力と圧巻の技術で病院の現状にメスを入れ、機能不全に陥っていた重症外傷チームを生まれ変わらせることがペク教授とジェウォンの使命となっていく。しかしながら、もちろん簡単にはいかないのが医療ドラマの医療ドラマたるところ。医師たちの権力争いも盛んな韓国大学病院には“白い巨塔”的駆け引きもあり、ペク教授もジェウォンも医療システムの落とし穴や厄介な争い事に頭を悩ませざるを得ない。出世にしか興味のない輩もいれば、権力を振りかざすことで悦に入る上層部も存在するのが大病院というもの。その歪みをかいくぐり、正義のペク教授やジェウォンがいかに目的を果たすかも見どころだ。

ペク教授に振り回される若手エリート医師ヤン・ジェウォン(チュ・ヨンウ)
とはいえ、彼らが味わう困難がシリーズ全体を暗く覆うわけではない。そもそも、ペク・ガンヒョクという男はかなりの自信家で、医師としての絶対的な自信の上にその頼もし過ぎるキャラクターが成り立っている。それも致し方ないと思えるほどの天才的スキルで、難しいケースを華麗に解決することもしばしば。「俺にしかできない手術だ」と言い切った後、有言実行の活躍を見せるところに爽快感がある。戦場仕込みの型破りな方法も、豪快でいて繊細な手技もお見事の一言。そんなペク教授に影響され、院内の人間模様も次第に変化していく。

韓国大学病院の医師たちは、院内のルールを無視するペク教授を失脚させようと企む
おそらく、このドラマを見てペク・ガンヒョクを嫌いになる人はいないと思う。「患者の命を救いたい」というシンプルな思いを常に持ち、それを実現しようと尽力する彼は今や、ドラマ界のNo.1ヒーローに躍り出た存在とも言えるだろう。そして、涙や苦悩も大事だが、医療ドラマに必要なのはやはり爽快感。頼もし過ぎるペク・ガンヒョクに、彼をナイスサポートするヤン・ジェウォンに、再び会いたい人は多いはず。大ヒットを受け、シーズン2を望む声も大きくなってきている。
『トラウマコード』ネットフリックスで配信中
監督/イ・ドユン 出演/チュ・ジフン、チュ・ヨンウ、ハヨン、ユン・ギョンホ、チョン・ジェグァン 配信/ネットフリックス
2025年/韓国/全8話
●こちらの記事もオススメ!
【映画まとめ】絶対に面白い! 韓国映画35本!
文=渡邉ひかる text:Hikaru Watanabe
© 2025 Netflix, Inc.
© 2025 Netflix, Inc.