『トレイン・ドリームズ』 心に染み渡る感動をもたらす佳作!
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一見、どんな映画なのかわからない。なんとなく落ち着いたイメージが漂ってくる作品。しかし実際に観てみたら、心の底に染み渡るような感動がもたらされる……。映画を好きな人は、そんな“発見”が喜びになるのだが、『トレイン・ドリームズ』はそのポテンシャルを秘めた佳作だ。
まずタイトルからして、どんな内容なのか気になる。“列車の夢”ということは、鉄オタの映画なのか? そんなことはなく、本作は鉄道を敷設するために森林伐採の仕事に従事した一人の男の物語。同名小説の映画化だ。舞台は20世紀初めのアメリカ北西部。孤児だったロバートが成長し、グラディスという女性と結婚。娘も生まれ、家族で暮らすための家を建てるも、仕事で長期間、留守をする生活が続き……という一見、日常を淡々と描くような展開。しかしその中に、一緒に森で仕事をする仲間とのエピソードや、彼らと交わす会話、久しぶりの妻子との再会など、意外なほど心に響く瞬間が何度も訪れ、観ながら幸せな時間に浸っていく。そんな心地よさが、中盤から思わぬドラマチックな流れとなり、最後まで目が離せなくなる一作だ。
とにかく全編、映像が美しすぎる。100年前のアメリカの風景には、特に夕暮れの“マジックアワー”と呼ばれる時間の光が駆使され、観ているだけで陶酔してしまうはず。照明を一切使わず、自然光だけで撮影されたシーンの数々は、まさしく映画芸術の極み! ロバートを演じるのは、映画ファンには渋い存在感で定評のあるジョエル・エドガートン。どんな苦境にも感情をあらわにせず、抑えに抑えた演技で観る者の心を揺さぶるという高難度のチャレンジを成功させた。現代と違って、“死ぬこと”が身近だった時代の物語なので、あちこちで悲劇も描かれつつ、それらが逆に“生きる意味”を教えてくれたりするので、もしかしたら本作で人生を変える名セリフに出会える人も多いのでは? そして迎えるクライマックスでは、あらゆる人生に拍手喝采を贈るかのような、あまりに美しいシーンが待っている!
『トレイン・ドリームズ』配信中
製作総指揮・出演/ジョエル・エドガートン 原作/デニス・ジョンソン 監督・脚本/クリント・ベントリー 出演/フェリシティ・ジョーンズ、ナサニエル・アルカン、クリフトン・コリンズ・Jr.、ウィリアム・H・メイシー 配信/ネットフリックス
2025年/アメリカ/視聴時間103分
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