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CULTURE カルチャー

2018.12.14


『マイ・サンシャイン』『グリンチ』

ハル・ベリーとダニエル・クレイグが共演する疑似家族の物語『マイ・サンシャイン』と、『ミニオンズ』のイルミネーションが手がける最新作『グリンチ』をピックアップ!

物語で選ぶ編①
『マイ・サンシャイン』

ムネアツなポイントは?
LA暴動に翻弄される疑似家族たちの姿にグッとくる!
  

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ハートウォーミングな映画が一転、骨太な作品に!

オスカー俳優ハル・ベリーが、家族と暮らせない子供たちを引き取り、LAサウスセントラルで貧しいながらも賑やかで楽しい毎日を過ごす物語。こう聞くと、ハートウォーミングな映画に思えるでしょ? だけど、これは冒頭のみのお話。実は、作品の時代設定は1992年。あのLA暴動が起こった年だ。というわけで、実は本作は、笑顔あふれる大家族が暴動の大波に飲みこまれていく骨太作品なのだ!
 

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平穏に暮らす疑似家族をLA暴動が襲う!

様々な事情から家族とともに暮らせない子供たちを育てているミリー。そこに母親が逮捕されて行き場を失った少年ウィリアムが仲間入りする。最初は幼い少年少女たちがいる環境に戸惑う彼だったが、次第に周囲に打ちとけていく。その姿に安堵するミリーだった。そんな矢先、白人警官4人が黒人男性に理不尽な暴行を加えた“ロドニー・キング事件”が結審。無罪の評決が出る。市民の怒りは沸点に達し、暴動にまで発展。そしてなんと、ウィリアムスも暴動に参加しようと家を飛び出してしまうのだ。
 

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社会派だがホッコリとさせられるシーンも!

本作はLA暴動を一般市民の視点から描いたもの。なぜいまLA暴動が題材かというと、アメリカでは人種問題と貧困が今日も解決されていないから。特に、人種問題はトランプ大統領の影響でさらにひどくなっていることもあり、作品を通じてそこを訴えているわけだ。では、終始重苦しい内容なのかといえば、それは否。ハル・ベリー演じるミリーら家族がとにかく明るいからだ。特にチビッコたちのユニークな行動には、思わず微笑んでしまう。
 

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クライマックスは胸を揺さぶられる!

疑似家族の隣人役としてダニエル・クレイグも出演。『007』のボンド役とはまるで違う独善的なキャラクターなのが面白く、なんとも痛快な魅力を放っている。ファミリーものであり社会派でもあるという、その絶妙なバランスを保ちながら、クライマックスでは胸を揺さぶる感動的な展開も用意されている。監督は『裸足の季節』のデニズ・ガムゼ・エルギュヴェン。前作で各国の賞を獲得した実力は、今回さらに磨きがかかったように思える。
 

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『マイ・サンシャイン』
監督・脚本/デニズ・ガムゼ・エルギュヴェン 出演/ハル・ベリー、ダニエル・クレイグ 配給/ビターズ・エンド、パルコ
2017年/フランス・ベルギー/上映時間87分

12月15日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー
©2017 CC CINEMA INTERNATIONAL–SCOPE PICTURES–FRANCE 2 CINEMA-AD VITAM-SUFFRAGETTES
 

NEXT 『グリンチ』

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物語で選ぶ編②
『グリンチ』

ムネアツなポイントは?
グリンチのひねくれた理由に思わず涙!
 

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イルミネーション作品の最新作!

すっかり人気キャラとして定着した『ミニオン』のシリーズをはじめ、『ペット』、『SING/シング』など、このところ大ヒットが続くイルミネーション作品。アニメーションの一大ブランドになったわけだが、その新作が『グリンチ』。1957年の発刊以来、世界中で愛され続けている絵本の映画化だ。
 

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面倒な性格のグリンチが騒動を起こす

“フーの村”を見下ろす山の上の洞窟で、1人で暮らすグリンチ。全身、グリーンの毛に包まれた彼は、とにかく性格に問題あり。他人の幸せが気に入らず、毎朝のコーヒーの味にも細かくこだわる。要するに面倒くさいヤツなのである。クリスマスが迫り、フーの村の住民はやけに楽しそう。そんな光景にイラつくグリンチは、あるアイデアを思いつく。それは「クリスマスを盗んでしまう」という突飛なものだった。
 

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実写版よりもキャラ立ちは成功!

この『グリンチ』、2000年に実写化もされている。ジム・キャリーの特殊メイクが話題を呼び、アカデミー賞でもメイクアップ賞を受賞したのだが、作品自体の評価はイマひとつだった。やはり実写にするとグリンチはかなり奇怪で、ジム・キャリーのテンションも異様。“引いて”しまった人も多かったのだ。その点、今回のアニメ化はグリンチの奇怪さに、モフモフ感が加味され、ビジュアル的には大成功。グリンチの愛犬マックスもとにかくかわいくて、イルミネーション作品らしく“キャラ立ち”は満点だ。
 

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孤独な人生を選んだ理由が判明

愛犬マックスが健気に作るカフェオレのマシンや、実は毎日着替えているグリーンの毛皮など、グリンチの私生活描写がいちいち面白すぎる。マックスに取り付けるドローン式カメラなど発明品も多かったりして、オタク心をくすぐる描写も多数。ひねくれ者のグリンチに、知らず知らずのうちに共感してしまうから不思議だ。孤独な人生を選んだ理由もチラッと描かれるので、『シザーハンズ』のハサミ男エドワードや、『美女と野獣』の野獣とも重なる部分があったりする。
 

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クリスマス気分に浸れる一作!

とはいえ、基本はカラフルな映像とハチャメチャなノリで楽しませる一作。グリンチが一晩で村からクリスマスをなくす方法は痛快そのものだし、サンタを待つ村の少女のエピソードは微笑ましくて、心をホッコリさせる。間違いなく断言できるのは、クリスマス気分を盛り上げるのに、この年末、最高の映画だということ!
 

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『グリンチ』
原作/ドクター・スース 監督/スコット・モシャー、ヤーロウ・チェイニー 声の出演/ベネディクト・カンバーバッチ、ラシダ・ジョーンズ、キーナン・トンプソン 配給/東宝東和
2018年/アメリカ/上映時間86分

12月14日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー。
©UNIVERSAL STUDIOS

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文=斉藤博昭(『グリンチ』) text:Hiroaki Saito

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