楽しみたいのはフレンチ・マジック! 〈シトロエン〉C3
思いっきりラグジュアリーに振ったクルマもイイけれど、やっぱり小回りがきいて気軽に取り回せる“相棒”は、ガレージに1台くらい入れておきたい。でも、そんな“日常使い”にこそ、走りにもデザインにも、エスプリの効いたヤツが最高! だとしたら、フレンチブランドから発表されたばかりのコレはどう? 〈シトロエン〉C3だ。
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思えばC3は、どの世代も超個性的だった。まるで武士の月代のように、つるんとドライバーの頭上まで広がるフロントガラスをまとった2代目や、ボディの横に貼り付けられた樹脂加飾“エアバンプ”を備えた3代目。それらのすべてがオリジナリティにあふれ、遊び心をくすぐるモノだった。ソコから〈シトロエン〉らしい強烈な個性は残しつつも、トレンドに合わせてスッキリと、洗練をまとって生まれ変わったのが、この新型の4代目だ。
ライトのデザインは、長方形を3つ組み合わせる新モチーフに。これはすでに同社のミニバン“ベルランゴ”や、“C4”などにも採用されているけれど、それぞれにサイズや配置がちょっとずつ違い、共通モチーフでもモデルに合わせた解釈が落とし込まれているあたり、フランス流のこだわりの強さを感じる。
ちなみにこのデザインが生まれた同じような時期に、〈シトロエン〉はブランド誕生100周年を迎えた。ロゴも原点回帰をし、円で囲まれたクラシカルな形状に。鼻先がレトロっぽくも見えることで、トレンドもしっかりと押さえている。サイドのエアバンプは廃止され、スッキリとミニマルに。続くリアまわりは高級感が漂い、シンプルなのにどこか引っ掛かりのある新デザインになった。
そう、新しいC3は、めちゃくちゃエッジーではないのに、街に置くと意外なほどに目立って見える。このフレンチ・マジックを是非楽しんでほしい。インテリアもキュートだ。ベース・上級ともにダッシュボートには3Dニットを使用し、やさしい印象に。シートも座面は10㎜厚ものウレタンフォームを使用してフカフカ。エコレザーも贅沢に使い、天井も明るい色に入れ替えられた。カラー・マテリアルデザインを担当したのは〈シトロエン〉本国で勤務するただ1人の日本人でもある、柳沢知恵氏。
「いろんな工夫を凝らすことで、これを選んだほうの毎日がうんとハッピーになるように、たくさんの思いを込めました」。そう、Bセグコンパクトと思えないほど手数のかかったアレコレに、きっとどんな眉間の皺も、笑顔にさせられてしまうこと間違いなしなのだ。走りの面もかなり推せる。日本には1.2ℓターボエンジン+48Vのマイルドハイブリッドモデルが先に導入されるが、本国ではICE(1ℓターボ)、BEVも展開されている。これらに対応する新プラットフォームが採用されていることに加え、上位モデルでも定評のパワーユニットは、C3用に出力を絞られてはいるものの、十分に飛び出し感もありパワフル。しかも22.3km/ℓと、驚きの燃費を誇るのだ。さらに、こちらも上位モデルで採用されてきた、入れ子構造のダンパーである、プログレッシブ・ハイドローリック・サスペンションもいよいよC3に導入。シャッキリした動力と伝統のハイドロ味の復活が組み合わさって、ほかにはない絶妙のニューテイストに仕上がっている。
そうそう、フロントとCピラーに入れられたアクセントカラーであるカラークリップを、なんとパーソナルカラーにできてしまうというキャンペーンも日本限定ではじまっているから、公式サイトもチェック!
★DATA 〈シトロエン〉C3 MAX HYBRID
●全長×全幅×全高:4015×1755×1590㎜
●車両重量:1520kg
●ホイールベース:2540㎜
●エンジン:1.2ℓ直列3気筒DOHCターボチャージャー付き+電気モーター
●エンジン最高出力:74kW(101PS)/5500rpm
●エンジン最大トルク:205N・m/1750rpm
●モーター最高出力:15kW(20PS)/4264rpm
●モーター最大トルク:51N・m/750~2499rpm
●トランスミッション:6速オートマチック
●駆動方式:前輪駆動
●税込み価格:364万円〜