豪邸が並ぶバレーに趣向を凝らした家!
サン・フェルナンド・バレーエリアの中央に位置するエンシノ。セレブが多く住む高級住宅地に、著名人の顧客を多く持つホームデザイナー兼デベロッパーが住む。自ら建てた独特なセンスが光る邸宅。そのお手並みを拝見しよう。
- SERIES:
- 西海岸リビング&インテリア! vol.20
Encino
カリフォルニア州ロサンゼルス・エンシノ
owner
ラムティン・レイ・ノスラティ
ホームデザイナー、デベロッパー
贅沢な玄関ホール。ピアノの鍵盤をモチーフにした階段、ヌードの女性と玄関ホールに差し込む光と影を描いたガラス製絵画、美しい模様のフロアが創造性あふれる空間を演出。奥には可動式ガラス窓を配して、外と繋がる構造に。
意匠がたっぷりの家!
ファミリールームとキッチンが繋がった広々としたフロア。ブラックミラー製コーヒーテーブルとスウェード製ソファなど、カスタムメイドの家具が映える。可動式ガラス窓を全開して外のダイニングエリアとスイミングプールも部屋の一部のよう。
ラムティン・レイ・ノスラティ[Ramtin Ray Nosrati]
1978年、イランのテヘラン生まれ。
5歳でLAへ移住。ホームデザイン&デベロップメント会社〈ハンティントン・エステート・プロパティーズ〉を経営する
ホームデザイナー兼デベロッパー。
セレーナ・ゴメスやゼンデイヤなどセレブが多く住むエンシノ。由緒正しい豪邸が並ぶベルエアに隣接し、街の名前はスペイン語で“オーク”の意味。その名のとおり、緑に恵まれた閑静な高級住宅街だ。ここに「都会の喧騒から離れた、家族向けの住宅地だから」と2014年に土地を購入し、2017年に自ら家を建てたのがラムティン・レイ・ノスラティ。
彼はフォーチュン500に名を連ねるCEOやセレブを顧客に持つ、ホームデザイナー兼デベロッパー。そんな彼の自宅の建築テーマは“トラディショナルに温かみのある現代性をミックスしたスタイル”。家のどの部分を見ても、思わず「ワォ!」とびっくりするような仕掛けが施されている。
たとえば砂やグリッター、ベルベットを用いた壁、11色に色が変わるバーカウンターなど。しかも「ソファやチェアに座ったときの目線も計算してデザインした」とか。家具もすべて彼がデザインしたカスタムメイド。ソファはリネンとベルベット、コーヒーテーブルは木とスモークミラーなど、素材にもこだわりが。シアタールームやスポーツジムのほか、息子たちとお洒落が楽しめるようにとバーバーショップまで設置。
そんな彼に、あなたにとって家とは? と問うと「毎朝目覚めたときにいいエナジーが感じられる、バケーションを過ごしているような場所」。なるほど、多くの成功者から家のデザインを依頼されることを証明する回答だ。
邸宅データ
●敷地面積:1エーカー(約1224坪)
●家の面積:1万5000平方フィート(約422坪)
●家の値段:2000万ドル(1ドル147円換算で約29億4000万円)
●部屋数:17部屋(7寝室含む。バスルームは9室)。3階建て
●築年:2017年
●建築業者:ラムティン・レイ・ノスラティ
●家族:構成妻と子供2人、計4人。ペットは犬1匹、熱帯魚6匹
スケルトンのスイミングプールも「驚く」工夫のひとつ。手前にはファイヤーピットを設置したラウンジ、右手にはミニチュアゴルフコート、左手にはトランポリンとカバナとバスケットボールコートを揃えた庭が。2階には家族のベッドルームがあり、窓から庭を眺められる構造に。
ノスラティが一番気に入っているのが、このピアノバー付きラウンジ。2階分の高さがある天井と約5mある可動式ガラス窓を設置し、高級ホテルのVIPルームのような佇まいに。オニキス製のバーカウンターは11色に変化する遊び心のある仕掛けが。
リビングルーム脇にあるガラス張りワインセラー。木製の床と壁でワイナリーの雰囲気を醸し出す。
キッチンの奥には、庭を眺めながら朝食が楽しめるダイニングルーム。
①海辺風ダイニングルーム
オーシャンサイドをテーマにしてデザインしたフォーマルなダイニングルーム。水槽や砂とグリッターで作った壁などを配し、「海や砂を家の中に持ってきた」とノスラティ。椅子に座ったときの目線で、すべてのインテリアをコーディネートしているとか。手前の窓からヤシの木とオリーブの木が見える構造にもなっている。
②モノトーンのキッチン
白と黒でまとめたモダンなキッチン。〈ミーレ〉で揃えた冷蔵庫や冷凍庫などのキッチン機器は、キャビネットの中に収納。ライトアップしたディスプレイ棚が非日常的な空間を演出。
③個性際立つ階段ホール
地下にはジム、バーバーショップ、ホームシアター、ゲームルームを設置。階段脇にはジェームズ・ディーンの壁画とハーレーが!
④ネオンが輝くジム
ボクサーのモハメド・アリの名言「リスクをとる勇気がなければ、人生でなにも達成しない」をネオンライトで掲げたジム。「毎朝この言葉を口にしてエクササイズしている」そう。
⑤リゾート風のカバナ
リゾート地を思わせるカバナは、白と黒で統一してクリーンかつシックに。カーテンのように水が滴るウォーターフォールは、見ているだけで癒される。
⑥ラグジュアリーな居間
玄関脇にあるフォーマルなリビングルーム。正面には熱帯魚が泳ぐ大きな水槽が。ゴールドのグラスファイバー製コーヒーテーブルや白いリネン製ソファなど、すべてカスタムメイド。格天井や右奥のオスカー像をモチーフにした彫刻など、美術館のような空間を実現。奥にフォーマルなダイニングルームが続く。
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雑誌『Safari』1月号 P53~56掲載
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photo : Toshi Sakurai text : Yoko Fujimoto