マーク・ウェバーがレースの真髄について語る!
〈ロレックス〉と耐久レースが紡ぐ、 “極限に挑む美学”とは?
世界最高峰のモータースポーツといわれるFIA世界耐久選手権。モーター好きなら記憶に新しく、興奮しただろう2026年秋。というのも、“トヨタ レーシング”が日本戦を制したからだ。ご存じのとおり、チェッカーフラッグが振られるその瞬間まで、1000分の1秒を争う極限の戦いが繰り広げられる。2016年より、同選手権のオフィシャルタイムピースとしてサポートしているのが〈ロレックス〉だ。今回は、その〈ロレックス〉のテスティモニー(〈ロレックス〉の理念や価値観を体現する人物)を務めるモータースポーツ界のレジェンド、マーク・ウェバーにインタビュー成功!
© ROLEX/James Moy
2026年FIA世界耐久選手権(WEC)の第6戦となった富士6時間耐久レースの決勝が9月27日(日)に富士スピードウェイにて行われた。WECとは簡潔にいえば、マシンの極限までの速さと耐久性を追求しながらチームワークで競う世界最高峰のモータースポーツのことだ。
折からの長雨の影響で26日(土)の公式予選は中止という波乱の前日であったが、決勝では、目まぐるしく変わる路面のコンディションの中、最終のピット戦略により、“トヨタ レーシング”が優勝! “トヨタ レーシング”にとって富士での勝利は2023年以来となり、本年シーズン3勝目を母国で飾ることができた。このアジアで唯一の開催となるWECレースにおいても、もちろん〈ロレックス〉がオフィシャルタイムピースとしてコース上でその存在感を示していた。実は2026年、〈ロレックス〉はWECとのパートナーシップを務めてから10年という節目の年を迎えた。
今回は元F1ドライバーであり、〈ロレックス〉のテスティモニーを務める、マーク・ウェバーにインタビューする機会を得た。富士6時間耐久レースをはじめ、〈ロレックス〉とモータースポーツとの歩みと功績についてじっくりと語ってくれたことを紹介していこう。
© ROLEX/James Moy
表彰式での様子。1位は8号車“トヨタレーシング”(平川亮、セバスチャン・ブエミ 、ブレンドン・ハートレー)。2位には36号車“アルピーヌ”、3位に15号車“BMW MチームWRT”がランクイン!
1930年代から続く伝説──
〈ロレックス〉の不屈のスピリットは
地上最速の記録からはじまった!
モータースポーツにおいて、コンマ一秒の“タイミング”は勝敗のすべてを左右する。そんな極限の世界で、勝利への偉業を讃え続けてきたのが〈ロレックス〉だ。その不屈のスピリットは、1930年代にまで遡るという。当時、サー・マルコム・キャンベルが“ロレックス オイスター”を腕元につけ、フロリダのデイトナビーチで地上最速記録を打ち立てた。そう、その瞬間に〈ロレックス〉とモータースポーツの歴史がはじまったのだ。
さらに〈ロレックス〉は、1968年にモータースポーツ界のレジェンドとして知られる、サー・ジャッキー・スチュワートを“テスティモニー”として迎えた。以来サー・ジャッキーとのパートナーシップは半世紀を超え、58年もの間、深い絆を結んでいる。
今日、世界中の名門サーキットで輝く〈ロレックス〉のクラウンマークは、長きにわたりレースシーンを彩ってきた至高の象徴と呼ぶにふさわしい。その飽くなき情熱は途絶えることなく、いまや、耐久レースの最高峰である富士6時間耐久レースを擁する“FIA世界耐久選手権(WEC)”はもちろん、耐久レースのトリプルクラウンである“ロレックス デイトナ24時間レース”、“セブリング12時間耐久レース”、“ル・マン24時間耐久レース”、そして“IMSA ウェザーテック・スポーツカー選手権”に至るまでをサポートしている。常にタイムの限界に挑むレーサーの勝利へのドラマと偉業を〈ロレックス〉は讃え続けているのだ。
また、〈ロレックス〉はサー・ジャッキーのようなレジェンドだけでなく、モータースポーツ界の新たな道を切り拓くジェイミー・チャドウィック選手や、ニック・デ・フリース選手といった、未来を担うドライバーたちも積極的に支援している。
© ROLEX/James Moy
上/ル・マン スピリットクラブには伝説のF1レーサーであるサー・ジャッキーの姿も。同じく、〈ロレックス〉の“テスティモニー”を務め、“トヨタレーシング”のドライバーであるニック・デ・フリース選手も駆けつけた 下/1.5kmのホームストレートや、 高速コーナーから低速コーナーまで多岐に渡るレイアウトの難易度の高いコースをマシンが駆け抜ける
© ROLEX/James Moy
マーク・ウェバー。1976年生まれ。オーストラリア出身。元レーシングドライバー。2002年にミナルディでF1デビューを果たし、ジャガー、ウィリアムズ、レッドブルとわたり歩き、優勝回数は9回。2013年シーズンをもってF1を引退。2014年より世界耐久選手権(WEC)に参戦。
〈ロレックス〉では、“アンバサダー”や“フレンズ”という言葉は使わずに、“テスティモニー”という表現を用いる。英語で証明や証言という意味を持つ言葉だ。あえて “テスティモニー”と呼ぶのはなぜか? それは、短期的な人気や知名度ではなく、その人の生涯にわたる功績や生き様と、〈ロレックス〉が持つフィロソフィーとが共鳴し、はじめて成り立つ特別な絆だから。永続的なパートナーシップにより未来を育んでいく、そんな意志の表れである。
〈ロレックス〉は、モータースポーツ界のレジェンドから次世代を担う若き才能まで、卓越した実績と志をもつドライバーたちを“テスティモニー”としてサポートしている。今回は、2015年に富士スピードウェイで勝利を収め、同年WEC王者に輝いたレジェンド、マーク・ウェバーが、自身のキャリアを振り返りながら”F1と耐久レースの違い”や”勝利のために欠かせないこと”、ライフスタイル、そして今後のキャリアについて語ってくれた。
Q1/F1と耐久レースの両方を走ってきて感じる違いは?
マーク・ウェバー(以下M) F1のほうが、はるかにドライバー個人に合わせられています。自分専用のシート、自分専用のペダルがあり ドライビングポジションも含めて、すべてが自分にとって最適な状態に調整されています。一方、耐久レースは、多少の妥協が必要です。ひとつ目は、ほかの2人のドライバーと同じクルマを共有しなければならないからです。ふたつ目は、夜間に走ることです。それも、必ずしもヘッドライトだけを頼りにして走るわけではありません。F1では そういうことはありません。そして、もちろんレースの時間が非常に長いことも異なる点です。最後に、複数カテゴリーが混走するレースであることです。GTカーを含む、マルチカテゴリーのレースなので、私たちは低速なクルマをたくさん追い抜かなければなりません。F1では、レース中にほかのクルマが視界に入らないこともよくあります。願わくは、全員が後方にいてほしいですが。でも、耐久レースは、常にトラフィックがあるのです。
Q2/レースで勝つために、テクニック以外で必要となる要素は?
M 並外れた集中力と、それからカラダのコンディションですね。そして、多くの人とコミュニケーションを取り、一緒に仕事をする能力も非常に重要です。人を率い、同じ目標に向かう道のりへと導き、自分がどれほど成功を望んでいるかを示す力が求められます。(たとえばピットストップの際)、もし私がマシンの停車位置を1センチから15センチ行き過ぎてしまうだけで、18人ものスタッフがそれに合わせて動かなければならなくなります。私が作業しやすいようにマシンをまっすぐきれいに止められれば、彼らはすぐに作業をはじめられます。こうしたピットクルーとの連携や配慮は、ドライバーにとって極めて重要なことです
Q3./F1と耐久レースの両方で圧倒的な成功を収められた理由はどこにある?
M F1で戦える実力があるなら、どのスポーツカーをも十分に走らせる能力があるのだと思います。F1は非常に求められる水準が高く、レースの頂点といえる場所です。スポーツカーレースからF1へ移るのは難しく、F1からスポーツカーレースへの移行のほうがしやすいといえます。そのため、トップレベルのF1ドライバーの多くは、様々なマシンを巧みに乗りこなすことができるのです
Q4/現代のドライバーと、20年前、30年前のドライバーとの最大の違いは?
M 20年、30年前は、マシンの危険性が今より高かったので、ドライバーははるかに大きなリスクを管理する必要があったと思います。サーキットも危険でしたし、マシンも今よりずっとアナログで危険でした。今は、様々な システムやコンピューターがあり、サーキットもマシンも安全性が高くなっています。でも、おそらくドライバーとしての本質は昔も今も変わらないと思います。ただ心理的には、昔のドライバーの ほうが、事故が起きたときの代償が大きかったぶん、リスクを管理する必要があったと思います
Q5/一番好きなタイプのクルマは何?
M 3台あります。まず、“ウィリアムズBMW”です。2005年のマシンで、エンジンが素晴らしかったです。2005年の クルマは本当にいいマシンで、タイヤも非常によかったです。次に“RB6”です。2010年の“レッドブル レーシング”のマシンで、 エイドリアン・ニューウェイの設計です。それから、“ポルシェ919”。ル・マン用の919で、美しいマシンでした。四輪駆動でパワーも大きく、本当に 素晴らしいクルマです
Q6/もし休暇の時間が取れたら、どの国へ、どの車で行きたい?
M まだ、やりたいことリストに残っているのは、ノルウェー西海岸、スロベニア、クロアチアなどを旅することです。 “ポルシェGT3”で行きたいです
Q7/10年前に引退されましたが、人生における次の目標はなんですか?
M いい質問ですね。今は世界でも最高級のブランドのいくつかと仕事をしていて、そういう機会に恵まれてとても幸運だと思っています。ドライバーマネジメントにも関わっていますし、次世代の育成ということにも関わっています。実際、いろいろなところから常に声はかかっていますし、私自身、この件について多くの話をいただきます。ただ、マネジメントしなければならないのは、ドライバー本人だけではありません。家族のことも含め、すべてに目を配る必要があります。それに海外の場合もありますからね。私自身もかつては自分のキャリアを歩んできましたし、今は、オスカー・ピアストリをサポートしています。そのほかにもドライバーはいます。若手の成長には常に目を配っていますが、彼らの、いってみれば人生そのものをマネジメントすることに全面的に関わりたいかどうかは、まだわかりません。今後、どうするかはこれからですね。少しペースを落としたいのか、それともまた新たなことに挑戦したいのか、自分でもまだわかりません。妻は、『もっと仕事をして』と言い、私は『もっとゆっくりしたい』と言っています(笑)。でも、まだやるべきこと、できることはあると信じています。いろいろ考えているところです
F1と耐久レースという、モータースポーツの2大頂点を極めたマーク・ウェバー。彼が語る言葉の端々からは、独自の挑戦心と、関わるすべての人々への深い敬意が満ちあふれている。現役を退いた今もなお、次世代の若き才能を見つめるその眼差しは、〈ロレックス〉が重んじる“卓越性”と“未来への尽きない情熱”にシンクロする。自らのペースを模索しながらも、モータースポーツ界に新たな軌跡を刻み続けるレジェンドの旅路に、終わりはない。
⚫︎日本ロレックス
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