高級住宅地の渓谷に自然を取り込んだ家!
LAの高級住宅地のひとつ、ブレントウッド。この街の山間部にハリソン・フォードやアーノルド・シュワルツェネッガーなどが住むマンデヴィル・キャニオンがある。建築家が自ら建てた家は、この地の自然を生かした設計。その心地よさを味わってみよう。
- SERIES:
- 西海岸リビング&インテリア! vol.31
Mandeville Canyon
カリフォルニア州ロサンゼルス マンデヴィル・キャニオン
owner
ロン・ラズィナー
建築家
プールサイドに面した大きな窓と天窓で、外の光や緑がふんだんに楽しめる。「風景をフレームに入れるようにデザインした」と家主。2階の階段の踊り場から覗くのは1階のグレイトルーム。オークの床が落ち着きを醸し出す。
コンテンポラリーな様式!
「この家のテーマは、自然と繋がること。シカモアの古木に合わせて設計した」とラズィナー。彼が最も気に入っている場所は、家族で食事も楽しめるパティオ。建物と平行に造った、長細いラッププールの水面に庭の景観が映る様子も美しい。
ロン・ラズィナー[Ron Radziner]
1960年、LA生まれ。コロラド大学と
カリフォルニア・ポリテクニック州立大学サン・ルイス・オビスポ校に通うためにLAを離れたこともある。
〈マモール・ラズィナー〉の共同経営者で建築家。
ウエストウッドとベルエアに隣接し、世界中から観光客が集まる美術館&博物館ゲティ・センターを有するブレントウッド。この街の山のほうに、閑静な高級住宅地マンデヴィル・キャニオンがある。ここに、自ら家を建てたのが、建築家のロン・ラズィナー。「子供たちの学校の近くで、乗馬やハイキングのトレイルがあって、有名人が多いわりには静かでのどか。家族向けの小さなコミュニティもいい」と、住み慣れたヴェニスから8年前に引っ越してきた。
家は、シカモアの古い木々を中心に設計。敷地内にあった木々を残すだけでなく、新しいシカモアの木々を植えて、自然回帰を目指す。1階の壁は、風景にインスパイアされてデンマーク製のグレーのレンガを採用。2階は亜鉛のパネルとガラスの壁で、景色をより楽しめる工夫を施した。インテリアは、外の風景を額縁に入れた絵のように楽しむ発想。さらにラズィナーが共同経営する〈マモール・ラズィナー〉のカスタムメイドの家具を中心に、絵やアートでアクセントをプラス。自然と現代が融合する、「アーシーでコンテンポラリーな家」に仕上げた。
あなたにとって家とは? と問うと「聖域。家族が集う場所であり、シンプルな楽しみを味わう場所。居心地のいい部屋でお茶を飲んだり、本を読んだりね」。多くの顧客に住み心地のよい洒落た家をデザインしてきた彼がたどりついた、究極の答えといえそうだ。
邸宅データ
●敷地面積:0.7エーカー(約857坪)
●家の面積:7000平方フィート(約197坪)
●家の値段:2400万ドル(1ドル148円換算で約35億5200万円)
●部屋数:11部屋(4寝室含む。バスルームは5室)。 地下室付き2階建て
●築年:2016年
●建築家:ロン・ラズィナー
●家族構成:妻と子供2人、計4人
グレイトルームの真ん中はダイニングエリア。全面の窓から自然をたっぷりと味わえる。重厚感あるテーブル&チェアと天井に一直線に並ぶライトは、ラズィナーが共同経営するブランド〈マモール・ラズィナー〉のもの。
夫婦のベッドルームは2階にあり、外にはゆっくり寛げるデッキを設置。冬はここで暖炉の火を入れる。モダンなソファは〈ピエロ・リッソーニ〉。2階の外にもルーフガーデンを備え、様々な草木の眺めが楽しめる。
木造の橋をわたって、エントランスにたどりつく。右手がシックな玄関ポーチ。建築デザインの主役であるシカモアの木々が家の正面に堂々と佇み、緑に囲まれた静寂な雰囲気を演出。
玄関脇のパウダールームは、天窓から注ぐ光が幻想的。風格のある天然の石材“トラバーチン”の洗面台で洒脱な空間に。
①落ち着きのあるキッチン
キッチンのスタイリッシュな家具は〈マモール・ラズィナー〉の特注品。オーク製で重厚感ある作りが魅力。皿洗い機やオーブンなどはキャビネットの中に収まっている。ちなみに、キッチンの手前には別の皿洗い機や食料品などを収納した棚が並ぶパントリーがあり、パーティ開催時にはそこでスタッフが作業するとか。オーブンは〈ダコア〉、冷蔵庫は〈サブゼロ〉。
②窓から緑を望むバスタブ
〈 マモール・ラズィナー〉のカスタムメイドのバスタブから見えるのは2階のルーフガーデンと裏庭の木々。「バスタブに浸かったときの目線で、いい具合に眺めを楽しめる」
③遊び心たっぷりのデン
書斎兼ゲームルームには〈マモール・ラズィナー〉のビリヤード台を置き、子供たちとも遊べる空間に。
④冬も暖かいパティオ
パティオにはファイヤーピットのほかに天井にもヒーターを取りつけて、冷える夜もゆっくり過ごせる仕様に。プールにはジャグジーも完備。ソファは〈ピエロ・リッソーニ〉。
⑤空間を自由に彩るアート
左手のロバート・ラッセルの大きな絵画が目を引く階段エリア。階段自体がグレイトルームを貫く重要なアクセントとなっている。右手のラウンジエリアのソファも〈ピエロ・リッソーニ〉。
⑥洗練された衣裳部屋
夫婦のウォークインクローゼット。中央には〈マモール・ラズィナー〉のジュエリーをセンスよく陳列して、ブティックのよう。同ジュエリーのデザイナーは、ラズィナーの妻でグラフィックデザイナーのロビン・カトール。メンズとウィメンズの両方を展開している。
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雑誌『Safari』1月号 P37〜40掲載
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photo : Toshi Sakurai text : Yoko Fujimoto