機能とデザインを両立し、最上階に家族が集う!
映画『ラ・ラ・ランド』のダンスシーンで一躍有名になったハモサビーチ。ビーチバレーの発祥地としても知られる小さな海辺の街だ。ここで妻と娘2人と引退生活を送る男性の快適な暮らしぶりと家を覗いてみよう。
- SERIES:
- 西海岸リビング&インテリア! vol.30
Hermosa Beach
カリフォルニア州ロサンゼルス ハモサビーチ
owner
デヴィッド・チャールトン
元マーケティング・エグゼクティブ
「上階にベッドルームを造るのが一般的だが、海の眺めが一番いいフロアを家族と一緒に楽しめるように、共有スペースにした」と家主。広々としたキッチン、ダイニングルーム、リビングルームを4階に設けている。
海が見わたせる家!
「太平洋が一望できるし、家族の核のような空間」と、チャールトンが最も気に入っているのが4階のフロア。手前はリビングルーム、正面奥はダイニングルーム、左奥がキッチン。ふかふかのソファはイタリアの〈フレックスフォルム〉、手前のコーヒーテーブルは〈B&B イタリア〉。
デヴィッド・チャールトン[David Charlton]
1963年、英国生まれ。1994年にNYへ移住し、2001年からLA在住。
英国や米国の複数の大手企業のマーケティング・エグゼクティブを務めた後、55歳で退職。
現在、引退生活を楽しむ。
ダウンタウンLAからクルマで南西に30㎞のハモサビーチ。ヤシの木がずらりと並び、歩いているだけでカリフォルニアを満喫できるビーチタウンだ。ここに複数の大手企業のマーケティング・エグゼクティブを務めた後に引退したデヴィッド・チャールトンが住む。英国生まれの彼がこの街を選んだ理由は「英国の住まいでは飛行機に乗らないと海には行けない。ここは歩いて5分。ビーチが美しく、サーフカルチャーがあって、こぢんまりとしているから」。
2009年に購入した家は、1951年築の小さなビーチコテージ。当時は屋根に登らないと海が見えなかったそう。9年間住んだ後に建て替えを決め、半年かけて建築家を探した末に、日系人のタカシ・ヤナイに依頼。日本の建築の焼き杉板や網戸の技術、枯山水などの特徴を取り入れた斬新なデザインに仕上がった。「急な砂丘の斜面に4層でできた複雑な構造だが、希望どおりのクリーンでミニマル、かつ印象的な家になった」と語る。
インテリアのテーマはシンプル。単色の天然素材、すっきりしたライン、適度なボリューム感が基本。そこにクッションやラグ、アートなどで個性的なアクセントを加えている。あなたにとって家とは? と聞くと、「家族の生活の中心。そして、気分を上げてくれるもの。いいデザインには、気分を高め、バランスをとる効果がある」。充実した引退生活の秘訣のひとつがここにあるのだろう。
邸宅データ
●敷地面積:0.1エーカー(約126坪)
●家の面積:5300平方フィート(約149坪)
●家の値段:500万ドル(1ドル143円換算で約7億1500万円)
●部屋数:10部屋(4寝室含む。バスルームは5室)。4階建て
●建築年:2021年
●建築家:タカシ・ヤナイ(EYRC アーキテクツ)
●家族構成:妻と子供2人、計4人、ペットはウサギ1匹
3階の玄関フロアからはスイミングプールと海が臨める。右側の壁にはグリーンウォールを配して爽やかな雰囲気に。左側には娘たちの寝室がある。
階段の踊り場にはイタリアの〈MDF イタリア〉の本棚を置き、ライブラリーの空間を醸し出す。遊び心のあるライトはオランダの〈グレイパンツ〉。
家と庭の間にシャワー室を設置。シャワーの横のドアを開けると、愛用のサーフボードなどを収める収納庫になっている。ディスプレイしたロングボードは〈ベッカー・サーフボーズ〉のもの。「海から帰ってきたら、まずここでシャワーを浴びる」そう。シャンプーは〈アヴェダ〉を愛用。
ビーチへ行ける海側の外観。2階は潮風を楽しめる夫婦の寝室を設けた。
①絶景を臨むラウンジ
最上階のアウトドアラウンジ。アジア文化のバスケット織りにインスパイアされた〈パレチェック〉のチェアを配し、エレガントな雰囲気をプラス。寒いときもゆっくり過ごせるようにファイヤーピットも設置。
②本格的なワインルーム
1800本を収めたワインルームは圧巻の眺め。「シャトー・パルメ、キアラ・ボスキス・バローロ・カンヌビ、ニコラ・ロシニョール・ポマール・プルミエ・クリュレ・ゼプノが好き」とワイン通のチャールトン。
③開放感あるゲストルーム
客室は家族で映画を観るメディアルームを兼ねている。薔薇をあしらった華やかなラグはルル・ギネスのデザインによる〈ザ・ラグカンパニー〉。家主の出身国であるイギリス国旗のピローは〈ヴィヴィアン・ウエストウッド〉。
④眺めのよいキッチン
キッチンとダイニングルームから絶景が楽しめる。ガスレンジまわりのすっきり感を保つために換気扇が天井から出てくる仕組みを採用。奥に配したダイニングテーブルは、チャールトンが一番気に入っている家具。アルミニウムで作られた、イタリアの〈ポロ〉のもの。
⑤落ち着くバスルーム
白と木目調で統一した、清潔感のあるバスルーム。バスタブは〈アメリッチ〉。奥にサウナとジムを設置して、カラダを整える空間を完備。左奥の壁一面のクローゼットは、彼の妻アイビーが使用。
⑥日本風の機能的な網戸
「料理するときに虫を避けたい」という妻の要望に、建築家ヤナイが応えて日本風の網戸を取りつけ、窓を開けながら快適に調理できる。冷蔵庫や食器棚はキャビネットの中に。
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雑誌『Safari』12月号 P43〜46掲載
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photo : Toshi Sakurai text : Yoko Fujimoto