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2019.10.07


クリストフル ジャパン代表取締役社長――フレデリク・ジェダ

「今回、この取材をお受けするに当たり持っている時計を数えましたら25本くらいありました(笑)。すべてが、いわゆるラグジュアリーブランドのものというわけではなく、カジュアルなものも含めてですが」 そう謙遜しながら微笑むフレデリクだが、取材当日持参した〈カルティエ〉、〈モーリス・ラクロア〉のほかに〈ジャガー・ルクルト〉、〈パネライ〉など、それらはかなり時計好きのコレクションだ。

●今月のビジネスセレブ
クリストフル ジャパン代表取締役社長
フレデリク・ジェダ[Frederic Gedda]



Profile
2000年に来日。リシュモン・ジャパン〈カルティエ〉のトラベル リテール マネージャー、ラ・メゾン・ヂュ・ショコラ・ジャポンのジャパンディレクターなど、主にフランスのラグジュアリーブランドの要職を歴任したのち、2017年9月から現職に。

愛用の一本



カルティエ サントス デュモン
●愛用歴/約13年
●購入場所/銀座のカルティエブティック
●使用頻度/シーズンによってはほぼ毎日

2019年に新作が発表され、現在、国内の正規ブティックでは、機械式手巻きムーブメント搭載のこのモデルの在庫はほぼない状況。


ココがお気に入り!


「ムーブメントももちろんですが、とにかくこの、シンプルだからこそ際立つデザインの美しさに尽きます。文字盤の大きさとベゼルの太さ、ラグのバランスが秀逸ですし、ケースが薄いため装着感もよく、サイドから見ても非常にエレガントです」




カルティエ[CARTIER]
サントス デュモン〈右〉

ブラジル人の飛行家、アルベルト・サントス=デュモンの注文を受け、〈カルティエ〉が製作した1904年のオリジナルを甦らせたサントス デュモン ウォッチ。黄金比率と謳われる角型ケースのフォルムだけではなく、キャリバー430 MC 手巻きメカニカルムーブメントを搭載と、中身までエレガントを極めた1本。

モーリス・ラクロア[MAURICE LACROIX]
マスターピース カレンダ ー レトログラード〈左〉

ケースから、ムーブメントの細かい部品のひとつひとつまで自社一貫製造できるマニュファクチュールである〈モーリス・ラクロア〉。その技術力の高さを証明するレトログラード機構を駆使したコンプリケーションは、ブランドのアイコンのひとつ。ケースバックはスケルトンで、精緻な機械美を堪能できる。




今回、この取材をお受けするに当たり持っている時計を数えましたら25本くらいありました(笑)。すべてが、いわゆるラグジュアリーブランドのものというわけではなく、カジュアルなものも含めてですが」

そう謙遜しながら微笑むフレデリクだが、取材当日持参した〈カルティエ〉、〈モーリス・ラクロア〉のほかに〈ジャガー・ルクルト〉、〈パネライ〉など、それらはかなり時計好きのコレクションだ。

「洋服を着替えるように、毎日ファッションに合わせて時計を替える人も多いと思いますが、私は1本の時計を半年くらいずっとつけて、季節が変わって気分を変えたくなったらほかの時計を出してきてつけて、というのを繰り返しています」

そして取材当日、吟味して選んだのは、〈カルティエ〉と〈モーリス・ラクロア〉。ラグジュアリーウォッチの王道ブランドである〈カルティエ〉に対して、〈モーリス・ラクロア〉の、それも複雑機構のレトログラード機構をデザインの主役に据えた機械式時計というのは、とても玄人好みの渋いチョイスだ。

「もともと時計は好きでしたが、以前〈カルティエ〉で働いていた時代に時計への思いが深まりました。というのも、一時期、販売スタッフへのトレーニングなどを担当していたこともあり、スイスのマニュファクチュールに私自身も研修に行ったりして勉強させていただいたんですね。時計師の方などの話をうかがうにつれさらに興味が出てきて、すっかり機械式時計に魅了されました」

フレデリクの時計選びのこだわりは、〝デザイン〞と〝ムーブメント〞の2点だ。それらに加えて、これは非凡な個性にも惹かれたという。

「1時から3時位置のパワーリザーブ表示、8時半位置から11時半位置のカレンダー表示というふたつのレトログラード、そして6時位置のスモールセコンド。それらのバランスが非常に美しく、またギョーシェの仕上げや、たとえばスケルトンになったケースバックから見られるムーブメントも小さなネジまでネイビーだったりと、細部にまでこだわって設計している美意識に惹かれました。もちろん、正確でとても丈夫ですし」

この腕時計を購入したのは、フランス・パリの時計専門店だった。

「ひと目見た瞬間に恋に落ちました(笑)。でも、衝動買いはせず、何度か足を運んでじっくり考えたんですよ。今日この時計を選んできたのは、さきほどの話でいえば、自分の中ではシーズン的に秋冬の時計ということと、〈モーリス・ラクロア〉という素晴らしい時計ブランドが、あまり広く知られていないのはもったいないので。日本のみなさまにも、もっとこのブランドを知っていただきたいという気持ちがあったからです」

一方の〈カルティエ〉は、時計としては2針の非常にシンプルなデザインと機構を持つ。フレデリクのウォッチコレクションの中で、最も使用頻度が高いのがこの名作時計だ。

「これは季節を問わず、一番たくさん使ってきました。思えばこのサントスデュモンが、私の人生で初めてのラグジュアリーウォッチ。婚約した際に手に入れたものでもあるので、いろいろな意味で思い入れが深い時計です」

当時、〈カルティエ〉で働いていたフレデリク。もちろん一般ユーザーよりはるかに自社製品に関する情報を得られる立場だ。その彼が、〈カルティエ〉のたくさんのコレクションからこれを選んだ理由はなんだったのだろうか。

「シンプルを極めた、この美しいデザイン。それに尽きます。バランスに長けたシンプルな時計を出しているブランドって、意外と少ないんですよ。世の中になぜ、こういうパーフェクトなバランスを構築している時計が少ないのだろうと思います。そして、ケースが薄く、重すぎないので非常に装着感がいい。ビジネスシーンでも休日のカジュアルにも、どんなファッションにもマッチするところも気に入っています」

春夏のポロシャツ、秋冬のレザージャケット。また、ビジネスシーンからなにかのレセプションなど、この時計はフレデリクの人生にずっと寄り添ってきた。

「これを手に入れてからもう13年経ちましたが、飽きることはありません」

この〈カルティエ〉を結婚する際に手に入れたように、転職や、なにかを達成したときなど、人生の節目に時計を購入してきたというフレデリク。そしてそれらはすべて、いずれ子供たちに譲ることに決めている。

「〈カルティエ〉は女性がつけても素敵だと思うので娘に。息子には〈パネライ〉がいいかもしれませんね。私にとって時計は、代々受け継いでいきたい資産だし、思い出そのものでもあるので」

そしてフレデリクは、次に欲しい時計も、もうとうに決めている。

「〈オーデマ ピゲ〉のミネリーと、〈ブレゲ〉のマリーンⅡです。あとは“きっかけ”が訪れるのを待っています(笑)



Company Information
伝統とモダニズムが融合した名門メゾン

1830年、フランスで創業。以来、卓越したシルバースミスのノウハウと技術を磨きながら継承し、「ジ・アート・オブ・シャーリング~分かち合いに宿る芸術」を体現し続ける老舗のシルバーウエアブランド。最近では、音楽とファッション界のトップアイコン、ファレル・ウィリアムスと、フランス人シェフのジャン・アンベールのコラボによる特別限定カトラリーセット2種を世界限定1500個で10月に発売予定。常にニュースなクリエイションを発揮し注目を集めている。

 
Information

雑誌『Safari』11月号 P318・319掲載

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