視覚を制すれば脳が整う人生を変える先進メソッド
視覚から脳を整え、メンタルもパフォーマンスも自在にコントロールする。プロアスリートも取り入れている先進メソッド“メンタルビジョントレーニング”が〈トータル・ワークアウト〉で本格始動。監修者である“メンタルビジョントレーニング”の生みの親、松島雅美と〈トータル・ワークアウト〉代表、池澤 智が対談を実施。“メンタルビジョントレーニング”がライフスタイルにもたらすメリットを、2人が抱く思いとともに紹介していこう。
- SERIES:
- アクティブ・ウェルネスでセルフチェンジ! 09
❶ 目で見るものから脳をコントロール!
❷ 視覚で行動と感情を変える!
❸ カラダと頭は一緒に鍛える!
池澤 智 Tomo Ikezawa
日本初の女性パーソナル・トレーナー。約30年もの間、多くの俳優やモデル、文化人のボディメイクを手掛けるカリスマ。ハリウッドセレブによるライフスタイルブランド〈グープ〉では日本のリテールディレクターを任されている
松島雅美 Masami Matsushima
臨床心理士・公認心理師。視覚とメンタルを鍛える独自プログラム“メンタルビジョントレーニング”を構築し、学習不振、ボディバランスの問題、発達の課題を抱える子供たちから、より高みを目指すプロアスリートまで、幅広く指導している。著書『メンタル強めになる習慣』(フォレスト出版)が6月に発売予定
アクティブ・ウェルネス/ワークアウト
メンタルビジョントレーニングでカラダも心も効率的に高める!
“メンタルビジョントレーニング”とは、視覚機能を整えることで脳の使い方を最適化し、思考や行動から感情まで、ポジティブに変えることができるようになるという新しいアプローチ。集中力や柔軟な発想力を高め、スポーツや趣味だけでなく、学習能力など、気持ちよく生きていくためのパフォーマンス向上をサポートする。
“ブロックストリングス”を使う両眼視訓練。左右の目をバランスよく連動させ、空間認知能力などを高める。ビーズをクロスして見ながら、メトロノームのリズムに合わせて視線を切り替えることで、視覚のズレを補正。まっすぐ物を見る力が養われ、運動姿勢の改善やバランス感覚向上などに繋がる。
光るポッドを片足でタッチしながら、周辺視とバランス感覚を同時に鍛える“ブレイズポッド”を使用。ポッドを点で見てしまうと姿勢が崩れてしまうが、視野を広げ、面で捉える意識を持つことで安定。周辺視を鍛えることで、必要な情報に瞬時に注意を向ける力や空間全体を把握する能力が高まる。
顔を動かさず、目だけで落下してくるボールを捉える。瞬間視と周辺視を鍛え、動きながら素早く正確に状況判断する力が身につく。スポーツでは反応速度や精度、日常では危険の早期察知や的確な対応に役立つ。視野が広がることで心に余裕が生まれ、冷静な対応力やストレス耐性の向上も期待できる。
池澤 智(以下池澤):メンタルビジョントレーニングは、以前からアスリートの間で取り入れられていて、特に野球選手やフェンシング選手に多い印象があります。
松島雅美(以下松島):野球選手でいえば斎藤佑樹さんが取り入れてくれていましたね。〈トータル・ワークアウト〉さんに通っていたのは知っていたのですが、その頃はまだ池澤さんとお話しする機会はありませんでした。
池澤:そうですよね。目から得る情報は80%以上を占めるから、それに素早く反応する能力はスポーツで重要だと常々興味を持っていました。当時はメンタルや脳という発想ではなく、純粋に「見たものに反応する=動き」と捉えていたので、いつか専門的に学びたいと思っていたんですよ。そんな中、斎藤佑樹さんとマインドフルネスなどの話をする中でメンタルビジョントレーニングの話を聞いて。
松島:私も実は以前から、ジムにメンタルビジョンを取り入れたいと考えていました。カラダと頭は本来連動しているものなのに“頭だけ” “カラダだけ”と分けて鍛えるのはもったいないと思って。池澤:松島さんと出会って、お話をうかがったときに“メンタルはカラダとイコール”という考え方に共感しました。落ち着きがないとか、せっかちといった性格だと思われがちな行動も、実は頭の使い方に起因していると教わりましたよね。
松島:頭の使い方は行動すべてに関わるので、鍛えれば仕事や人間関係など様々な悩みの解決に繋がる可能性があります。
池澤:脳の一部である“目”の動かし方をコントロールすることで、脳の働きを整え、行動も変えられるということですよね。運動を指導する私たちにとって、メンタルビジョントレーニングを取り入れない理由はないと確信して、パーソナル・トレーニングに組み込むほか、キッズとシニア向けプログラムも松島さんに監修してもらうことに。松島:池澤さんは“メンタルを視覚から鍛える”という考え方をすぐにイメージしてくださいましたし、パーソナル・トレーニングというプラットフォームにも当てはまりやすかったですね。
池澤:アクティブ・ウェルネスなライフスタイルを手に入れるための効率を飛躍的にアップしてくれるプログラム。完成までの道のりもかなり効率的でした!
松島:“メンタルケア”というと、いまだに“病んでいる”というイメージを抱く人もいますが、それを変えたいという思いが昔からあって。健康でポジティブな人が、ジョギングのような感覚で気軽に取り入れてくれたら、払拭できるのではないかと思っているんです。そういう人が集まる場所はどこかと考えたらやっぱりジムなんですよ。特に〈トータル・ワークアウト〉のように「もっと元気に人生を楽しみたい!」という前向きなカラダと心の人が多く集まる場所でメンタルビジョントレーニングを知ってもらえたら“メンタル”の捉え方も変わると思うので、とてもワクワクしています。
池澤:メンタルを整えることをよりポジティブにとらえ、カラダと脳のトレーニングをセットで実施するというムーブメントを一緒に発信していきたいですね。
家でできる“メンタルビジョントレーニング”
まずは“メンタルビジョントレーニング”の基礎となる“眼球運動”から。視覚と脳の連携をスムースにしながら、脳の最高司令塔・前頭前野も活性化。集中力や判断力、瞬発力の向上を促そう。仕事や趣味のパフォーマンスが上がるとあって、オン・オフを全開で楽しむ『Safari』読者にピッタリのメソッドだ。両手の親指を立ててカラダの前に出す。顔と上半身は正面をキープして動かさずに、眼球だけを動かして、左右の親指を交互に見ていこう。腕は横に並べたり、縦に広げてみたり、斜めに配置するなどして、眼球をまんべんなく動かすことが大切だ。シンプルなトレーニングだが、眼球運動のほかに、距離感を掴む力もアップしてくれる。日常生活の合間にトライできるので、毎日5分ほど続けてみよう。●トータル・ワークアウト
URL:https://totalworkout.jp
雑誌『Safari』7月号 P198-199掲載
photo:Tsutomu Yabuuchi composition&text:Ryuta Ikegami(AM5:00)