Safari Online

SEARCH

URBAN SAFARI アーバン サファリ

2022.04.16

Gastronomic City TOKYO
王道それとも気鋭? 東京・フレンチ名店の鴨対決!

鴨といえばフランス料理の代表的な食材のひとつである。今回は、今東京で絶対に味わうべき、新旧の名店の鴨料理を取り上げながら、その味わいどころ、お店の楽しみ方の醍醐味について紹介したい。

王道それとも気鋭? 東京・フレンチ名店の鴨対決!つい最近、思いがけなくめっぽう美味い鴨料理に出くわした。しかも、時を同じく都内にある2店舗のフランス料理店で、感動的な皿を体験したので、今回は双方の鴨料理をメインにご紹介しようと思う。タイトルはあえて“鴨対決!”としたが、競い合う企画ではなく、それぞれの味わいどころを中心にレポートしたいと思う。

まず、鴨料理の名店〈トゥールダルジャン 東京〉から。パリ本店の〈トゥールダルジャン〉の歴史は1582年まで遡り、今でも約400年前と同じ場所にある。19世紀末に当時の支配人、フレデリック・デレールの鴨料理が評判を呼び、彼が手掛けた、鴨の1羽ごとに通し番号をつけるアイデアも加わり、世界的な名声を得た。〈トゥールダルジャン 東京〉は、その唯一の支店として1984年にホテルニューオータニの中に誕生した。

絢爛豪華な内装は開業当時のまま。久しぶりに訪れたが、サービス練度やその雰囲気に、改めて感服した。そして鴨料理である。エグゼクティブシェフのルノー・オージエ氏は、2019年にM.O.F.(フランス国家最優秀職人章)を受章。筆者は、彼の受章後はじめて食したが、その名店の看板に恥じぬというべきか、鴨とはこういう味なのだ! というメッセージすら感じる一皿だった。

ところが、その皿に勝るとも劣らない鴨料理に出合った。東京・白金台のフランス料理店〈ジョンティアッシュ〉のそれである。料理長の平野敬祐氏は、1990年生まれと気鋭の料理人ながら、修業で培った確かな技術をもとに、華やぎある緻密な料理の数々で堪能させるが、白眉は鴨料理。北京ダックの手法をヒントに皮目を香ばしく仕上げ、中の身の部分は彼独自のテクニックで絶妙なミディアムレアに仕上げた挑戦的な逸品。鴨の通ですら思わずうなるに違いない。

王道に陶酔するか気鋭で攻めるか。甲乙つけがたい鴨料理。是非ご自身で味わい比べてほしいのである。

TOUR D’ARGENT TOKYO
[トゥールダルジャン 東京]
すべてが一流! 名店の底力を味わえる店。


1984年の開業から変わらぬスタイルを貫くその姿勢には脱帽である。このような時期だからこそ、ダイニングの醍醐味を味わうことができるだろう。むしろ新鮮な驚きがあるはずだ。料理も時代に呼応してさらに洗練されている。ワインの素晴らしさもいわずもがな。

王道それとも気鋭? 東京・フレンチ名店の鴨対決!“幼鴨のロースト エピスソース サボイキャベツとアンディーブのカネロニ”

王道それとも気鋭? 東京・フレンチ名店の鴨対決!“平貝のパリジェンヌ仕立て 滑らかなレフォールのムースとエイグレットソース”

王道それとも気鋭? 東京・フレンチ名店の鴨対決!“黒ムツのムニエル ディプロマットソース”

王道それとも気鋭? 東京・フレンチ名店の鴨対決!エグゼクティブシェフのルノー・オージエ氏は、その極めて高い技術で2019年M.O.F.を獲得。日本在住のシェフでは37年ぶりの快挙だとか

王道それとも気鋭? 東京・フレンチ名店の鴨対決!高い天井に巨大なシャンデリアがよく似合う。フランス貴族の邸宅のようなアールヌーボー調の内装は圧巻

Gentil H
[ジョンティアッシュ]
若いチームで挑む優雅なる美食の館。


東京・白金台の個人の邸宅に招かれたようなリラックスした雰囲気がいい。平野シェフの料理は創意にあふれ、味の重ね方にも、明るさや華やぎがある。料理に呼応したサービスも素晴らしく、ペアリングにも新しい提案が盛りこまれており、好印象である。

王道それとも気鋭? 東京・フレンチ名店の鴨対決!“北京ダック風にローストした青森銀の鴨”

王道それとも気鋭? 東京・フレンチ名店の鴨対決!“銀の鴨”は、青森県新郷村で育てられる、フランスのバルバリー種の鴨である。平野シェフは、その鴨を独自の工夫で火入れし、皮目は飴がけし北京ダック風に仕上げる。これが絶品である

王道それとも気鋭? 東京・フレンチ名店の鴨対決!ブラッドオレンジとカンパリのジュレでコンポートした“フォアグラのフォンダン”

王道それとも気鋭? 東京・フレンチ名店の鴨対決!平野敬祐シェフ

“Gastronomic City”の記事をもっと読みたい人はコチラ!
レストランの未来のトレンドの形を示す東京の2店舗。
今行くべき東京の和食系レストランの最旬事情を探る。
今、東京で注目される若手外国人シェフの実力。
奥能登の輪島で日本の美食旅の魅力を味わい尽くす。
東京の底力を見せた今年の『アジアのベストレストラン50』。
ラグジュアリーな美食エリアとして注目される軽井沢。
ローカル・ガストロノミーの聖地、南魚沼の絶品料理。
沖縄から世界に発信する、宮古島の最新ガストロノミー事情。
今、東京で最も注目すべきブランニューなレストラン!
大阪発世界へ。美食の地図を塗り替えた注目のレストラン。

 
Information

●トゥールダルジャン 東京
住所:東京都千代田区紀尾井町4-1 ホテルニューオータニ ザ・メイン ロビィ階
営業時間:ランチ12:00~13:30(最終入店時間)、ディナー17:30~20:30(最終入店時間)
定休日:月曜~水曜
TEL:03-3239-3111(直通)
URL:https://tourdargent.jp/

●ジョンティアッシュ
住所:東京都港区白金台5-18-17 ゴールドフォレストビル2F
営業時間:12:00~15:30、17:30~21:00
定休日:月曜・火曜を中心に月8回
TEL:03-5447-8889
URL:https://www.gentil-h.com/

『Urban Safari』Vol.26 P47掲載

取材・文=中村孝則 text:Takanori Nakamura
美食評論家。1964年神奈川県葉山生まれ。ファッションからカルチャー、美食などをテーマに新聞や雑誌、テレビで活動中。主な著書に『名店レシピの巡礼修業』(世界文化社)がある。2013年より“世界ベストレストラン50”の日本評議委員長も務める。今春より、JR九州が運行する「ななつ星in九州」の公式ムービーに主演している。
〈アメックス〉のスモール・スポンサーシップ・パートナーズも参加!『サファリ・オープン』で特別な1日を体験!
SPONSORED
2025.12.24

〈アメックス〉のスモール・スポンサーシップ・パートナーズも参加!
『サファリ・オープン』で特別な1日を体験!

今年で3回めの開催となった、本誌『サファリ』主催のゴルフイベント『サファリ・オープン 2025』。毎年、様々なコンテンツやアクティビティでも話題となるこのコンペ。今回はさらに斬新なサービスも加わり、熱い盛り上がりを見せていた。そんな大盛況…

TAGS:   Lifestyle
知的なムードが漂う〈トム フォード アイウエア〉の新作!大人の品格を宿すクラシックな1本!
SPONSORED
2025.12.24

知的なムードが漂う〈トム フォード アイウエア〉の新作!
大人の品格を宿すクラシックな1本!

大人のコーディネートは、小物選びで“品格”が決まる。特に顔まわりの印象を左右するアイウエアは、手を抜けない重要パートだ。そこで注目したいのが〈トム フォード アイウエア〉の新作。繊細でクラシカルなフォルムが目元に知性を添え、冬スタイルを格…

TAGS:   Fashion
今、〈エドウイン〉の名作“505”が見逃せない!デニムにこだわるならメイド・イン・ジャパン!
SPONSORED
2025.12.24

今、〈エドウイン〉の名作“505”が見逃せない!
デニムにこだわるならメイド・イン・ジャパン!

タフで男らしい大人のカジュアルに欠かせないデニムは、今、王道の骨太な1本が人気。なかでも2023年に復活し、昨今のトレンドも相まって注目されている〈エドウイン〉の名作“505”が見逃せない。デニム本来の武骨な魅力やヴィンテージ感を気軽に楽…

TAGS:   Fashion Denim
クオリティにこだわった〈センテナ〉の新作アウター!今、着たいのは大人仕様のミリジャケ!
SPONSORED
2025.12.24

クオリティにこだわった〈センテナ〉の新作アウター!
今、着たいのは大人仕様のミリジャケ!

カジュアル好きの男にとって、ミリタリー系のアウターは昔から定番。とはいえ、いい年の大人になるとガチの軍モノは、マニアックすぎて少々着こなしにくいのも事実。ならば、洗練された大人仕様の1着を。〈センテナ〉のミリジャケなら武骨なデザインはその…

TAGS:   Fashion
Urban Safari CLOSE-UP BRAND フレデリック・コンスタントエレガントな時間を、手元に宿す。
SPONSORED
2025.11.28

Urban Safari CLOSE-UP BRAND フレデリック・コンスタント
エレガントな時間を、手元に宿す。

創業地“小矢部”の名を冠した〈ゴールドウイン〉のプレミアムな1着!大人のスキーウエアは上質感と快適さで選ぶ!
SPONSORED
2025.12.01

創業地“小矢部”の名を冠した〈ゴールドウイン〉のプレミアムな1着!
大人のスキーウエアは上質感と快適さで選ぶ!

1950年にはじまった〈ゴールドウイン〉のヒストリー。その新作スキーウエアコレクションの名前は、創業地にちなんだ“オヤベ”だ。歴史の深みを感じさせ、エイジレスなスタンダードデザインでありながら、機能は最新鋭。素材はもちろん、ひとつひとつの…

TAGS:   Fashion
素材感と職人技が光る〈アニアリ〉。ミニマルに洗練されたジャパンメイドのトートバッグ。
SPONSORED
2025.11.18

素材感と職人技が光る〈アニアリ〉。
ミニマルに洗練されたジャパンメイドのトートバッグ。

上質なレザーのしなやかな感触と使い勝手の良さで支持を集めている〈アニアリ〉のバッグ。ミニマルで洗練されたデザインは、装いを自然に洗練されたものへと導いてくれる。また、確かな日本の職人技に裏打ちされた使いやすさと安心感が、使うほどに深まる風…

TAGS:   Urban Safari Fashion

loading

ページトップへ