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2020.12.19

Gastronomic City MINAMIUONUMA
ローカル・ガストロノミーの聖地、南魚沼の絶品料理。

新潟県の美食が熱い! 今年7月、同県初となる『ミシュランガイド新潟2020』が 発刊されたこともあり、知られざる美食県の実力と魅力が、徐々に明らかに。 今回は、雪国であり米どころの南魚沼の注目すべき2つのお店をご紹介する。

 


ローカル・ガストロノミーという言葉をご存知だろうか。地方の美食の魅力を包括的に表現する言葉として、昨今は頻繁に使われているが、この言葉を生み出したのが新潟県の南魚沼にある温泉宿〈里山十帖〉を経営する岩佐十良氏である。岩佐氏は南魚沼の豊かな食材や伝統的な食文化こそが、観光誘致の目玉になるはずだと多方 面で啓蒙活動を続けており、今年7月に 同県初となる『ミシュランガイド新潟2020 』で は 、宿のレストラン〈 早苗饗 - S ANABURI-〉が、見事に一つ星を獲得した。

煌麦豚のロースト。新潟県北部、岩船・胎内の肥沃な土地で、小麦を主食に育てられているブランド豚をシンプルに
南魚沼は、日本を代表する米どころで 銘酒の産地として知られているが、美食を目的で訪れる人は多くはなかった。しかし〈早苗饗-SANABURI-〉の料理は、この南魚沼という風土の魅力を存分に表現し、ほかでは味わえない美食体験ができるとあって、他県はもとより海外からもフーディーたちが訪れる。 

SATOYAMA JUJO -SANABURI-
[里山十帖 早苗饗-SANABURI-]
雪国の知られざる美食に出合う。


〈里山十帖〉はオープンして6年めを迎えるが、その立ち上げから参加している桑木野シェフの力量は、行くたびに進化をしている。こちらは、この秋冬の最新の料理の数々。美味しいのはもちろん新潟県とは、かくも食の豊かな土地であるのかと、痛感する料理である。

右:日本海の新鮮な甘エビは生のまま、舞茸のペーストで和えて上には食用菊をちらす  左:天然のキノコは冬場は保存食として供される


右:土鍋で炊かれた自慢の新米。まずは煮えばなで  左:地物のほうれん草炒め 

 
料理長を任される女性シェフの桑木野 恵子氏は、南魚沼の四季折々の食材の物語を皿の中に縦横無尽に盛りこむ。地元の生産者には直接出向いて食材を厳選し、 自身で野山に入っては野生の山菜やキノコを採取する。厨房の側には発酵小屋を設けて、地元の発酵文化にインスパイア された保存食などを生み出している。料理人の前はアーユルヴェーダを学んだエステティシャンという経歴の桑木野氏は、 そうした食材や食文化を通じて健康になる美食をテーマに掲げる。 


健康食という意味では、その桑木野氏も太鼓判を押す、八海山の門前蕎麦店〈宮野屋〉も強く推薦しておきたい。こちらは、 親子2代で経営する老舗蕎麦店であるが、 後継ぎの米山俊介氏は、父から続く名物の山菜料理をさらに進化させ、気合の入った蕎麦を打ってくれる。『ミシュラン ガイド新潟2020』でビブグルマンを獲得し、これからがますます楽しみな店だ。 東京からは新幹線で1時間ちょっと。 新潟県の魅力を再発見する意味でも南魚沼の美食旅に出向いてほしい。

Miyanoya
[宮野屋]
鮮烈な食感と清浄な後味の蕎麦。


もともとは、修験道の修行者や登山客たちのための蕎麦屋だったという〈宮野屋〉は、美味しい水で打った瑞々しい蕎麦と、オリジナルの山菜料理が名物だ 。煮干しを使った独特な旨みの蕎麦つゆも絶妙。春先は新鮮な山菜も供されるが、保存食の山菜も最高。日本酒との相性は抜群だ。

右:自家製の漬物は味わいはもちろん、彩りも最高  左:絶対に召し上がっていただきたい山菜盛り合わせ。独自の調理法に舌鼓を打つだけでなく、山菜のポテ ンシャルすら感じるはずだ

右:お店は八海山の麓の八海山尊神社の裏手にある  左:地元の蕎麦粉を使うなど、研究に余念がない蕎麦は、歯ごたえも味もいい 

 
Information

●里山十帖 早苗饗-SANABURI-
住所:新潟県南魚沼市大沢1209-6
TEL:025-783-6777
営業時間:完全予約制。昼 12:00~14:30、 夜 17:30~、19:45~(2部制)、 朝 9:00~、9:30~(2部制)
無休
URL:http://www.satoyama-jujo.com/

●宮野屋
住所:新潟県南魚沼市大崎 3742
TEL:025-779-2145
営業時間:11:00 ~売り切れ次第終了 木曜休

『Urban Safari』Vol.19 P31掲載

取材・文=中村孝則
text : Takanori Nakamura
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