東ゲートの近くにあるフランスパビリオン。ベールに包まれているかのような外観は劇場の舞台装置のよう
2025年10月13日(月)まで開催する大阪・関西万博。夢洲に並ぶ数々のパビリオンの中で、存在感を放つのがフランス館。一翼を担うのが、ラグジュアリーグループ〈LVMH〉だ。
“愛の讃歌”をテーマに、フランス館は伝統と革新、詩情とテクノロジーが共鳴する空間を作っている。〈LVMH〉はここに、メゾンが培ってきたクラフツマンシップと日本への敬意を込めた展示を持ち込んだ。建築家・重松象平と組んだ〈ルイ・ヴィトン〉の展示は、84個のワードローブトランクを配置したインスタレーションで、職人の手仕事と音のリズムが空間に息づく。その先には、アーティスト・真鍋大度による映像とサウンドスケープが“旅”をテーマに幻想的な空間が広がる。〈LVMH〉の展示はそれだけにとどまらない。グループを代表するほかの4ブランドも、それぞれの形で“愛”を表現する。
〈ディオール〉は、パリのアトリエの職人技と創造性を際立たせた空間を披露。3色の「バー」スーツに加え、シルエットのスケッチを立体的に表現した約400点の白いトワルや、吉岡徳仁の演出による幻想的な“メダリオン チェア”が彩られる。〈セリーヌ〉は、フランスと日本の伝統工芸の対話をテーマにした企画展示を(展示終了)、9月1日(月)から特別展示がはじまる〈ショーメ〉は、ハニカム(蜂の巣)のモチーフを通じて、“自然と美のつながり”を体感する空間を提供。〈モエ ヘネシー〉は、フランス館のビストロメニューや特別イベントで提供されるシャンパンとロゼワインの選定を手掛ける。
〈LVMH〉がこの万博で伝えているのは、クラフツマンシップへの愛と日本への愛。フランスと日本、文化と技術、過去と未来が交差するこの空間で、5ブランドが様々な形で表現する“愛”を是非、現地で味わってみてはいかが?