【13選】多様性のある世界の結婚式!
緑がみずみずしく染まる“ジューンブライド”の季節。一世一代のセレモニーだからこそ、そのスタイルは様々で、国や地域の多様性を感じられる。豪華絢爛なセレブリティの挙式から、伝統を重んじた独特の儀式まで、世界の結婚式に参列してみよう。
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- 春夏秋冬 季節のトラベラー! vol.12
2人が誓い合う晴れの場
人生の晴れ舞台、といえばやはり結婚式!? セレブたちも莫大な富とコネクションをもとに、会場選びや演出、ドレスアップにと気合が入る。たとえば、結婚24周年のベッカム夫妻は、アイルランドでの古城の挙式に1億円以上の費用をかけたとか。近年話題になった豪華な結婚式といえば、昨年6月1日に挙式したヨルダンのフセイン皇太子とラジワ王妃。披露宴のゲスト数は1700人で、式場は限られた王族しか使えない宮殿。花嫁は〈エリー サーブ〉のドレスをまとった。
そんなセレブの結婚式だが、宗教的な伝統儀式を取り入れることも珍しくない。特に王室は、ブルネイのロイヤルウェディングの初日に行われたパウダリング・セレモニーや、ラジワ妃が挙式に先立って女性だけで集ったヘナパーティなど、独特の文化を重んじる。先祖が培った風習を通じて、新郎新婦の末長い幸せや参列者の多幸を祈るのだろう。
もちろんセレブでなくても、結婚式は新郎新婦の個性と思いがつまったものにしたい。鍵を握るのが、どこで挙式するか、ということ。ホテルや式場もいいが、一生の晴れ舞台にふさわしい特別な場所もいい。普段は立ち入れない聖域で行われる神社の挙式から、欧米で人気のワイナリーウェディング、名建築の教会で行う結婚式まで、その選択肢はいろいろ。一世一代のセレモニーだからこそ、未来の礎となる時を刻みたい。
アメリカ
ドラマ『モダン・ファミリー』の女優サラ・ハイランドと、恋人ウェルズ・アダムスが式を挙げたのが、カリフォルニアのワイナリー。サラが「ヨーロッパのお城のよう」と語った石造りの洞窟で近親者のみの食事会を行った翌日、畑を見わたす披露宴会場で盛大に祝った。
ヨルダン
昨年最も注目されたロイヤルウェディングといえば、ヨルダンのフセイン皇太子とサウジアラビアの建築家ラジワの結婚。首都アンマンの宮殿で行われた式には、英国のウィリアム皇太子夫妻をはじめ各国の王族が来賓。日本からは高円宮妃久子様、長女承子様も参列された。
ブラジル
人気モデルのライス・リベイロと、元NBA選手ジョアキム・ノアの挙式が行われたのは、ライスの母国ブラジル・バイーアのビーチ。セレブ御用達の〈ガリア・ラハヴ〉のドレスをまとったライスだが、足元は裸足。ジョアキムも黄色のサングラスでリゾート感たっぷり!
イタリア
ノルウェー人モデルのフリーダ・アーセンとイタリア人実業家トミー・チアブラが選んだ挙式の地は、東京ディズニーシーのモデルになったといわれる漁村。〈エリー サーブ〉のドレスを華麗にまとったフリーダ、その足元を飾ったのが〈ジャンヴィト ロッシ〉の“ポルトフィーノ”だったのも粋な計算のうち!?
ドイツ
結婚式の“はじめての共同作業”といえばケーキカットが定番だが、ドイツでは丸太を切る儀式。2人で両手引き鋸の両端を握って行い、力を合わせて困難を乗り越えていくことを願う。実際、上手に丸太を切るには呼吸を合わせる必要がある。森の国ならではの風習!?
アメリカ
欧米では結婚式で青いものを身につけると幸せになれるという言い伝えがある。映画『ワイルド・スピード』でミア役を務めた女優ジョーダナ・ブリュースターは、結婚式で映画に登場したブルーの“アキュラ・インテグラ・タイプR”に乗車。ビッグな幸せを掴めそう!
ブルネイ
ブルネイやマレーシアの結婚式で行われる伝統儀式。ハーブや植物から作られたカラフルなペーストを新郎新婦の手に塗り、幸福と繁栄を祈願する。この冬挙式した、ブルネイのマティーン王子とアニシャの10日間にわたるロイヤルウェディングの際にも行われた。
インド
インドやネパール、中近東などで、結婚式や出産、祝いごと全般に欠かせないのが伝統装飾ヘナタトゥー。ヒンドゥー教の女神ラクシュミーが愛した植物ヘナの葉を乾燥させ、水で溶いたものを染料としており、“タトゥーが濃く染まるほど花嫁が幸せになれる”とされる。
タイ
タイの結婚式では僧侶が新郎新婦の頭に“聖糸”と呼ばれる1本の白い糸を結び、手に“金粉”や“聖水”をかける儀式が行われる。2人の結婚生活を清めるためといわれており、僧侶に続いて参列者も新郎新婦の両手に水をかける“ロットナームサン”という儀式を行う。
日本
茨城県潮来市では、1960年頃まで水路を使った移動が日常的だった。新婦は嫁ぐ際、サッパ舟と呼ばれる小型船で嫁入りしていた。現在ではその様子を、毎年5~6月に開催する“水郷潮来あやめまつり”で再現。1年以内の新婚カップルか、結婚予定の花嫁を募集している。
日本
京都最古の神社として世界文化遺産に登録される上賀茂神社。こちらでは神職と巫女に導かれ、賀茂別雷大神を祀る国宝“本殿”や、二の鳥居の正面に立つ重要文化財“細殿”で厳かな神前式が行える。古式ゆかしい儀式と雅楽の演奏は、時代を超えた平安絵巻を連想させる。
アイルランド
15世紀にダブリン近郊に建てられた古城は、1999年にデビッド・ベッカム&ヴィクトリアが結婚式を挙げて、世界的に有名に。東京ドーム約50個分の敷地を誇る広大なリゾート施設で、挙式のほか宿泊・ゴルフ・食事も可能。現在でも“欧州ラグジュアリー・ウェディング・リゾート2024”に選出されるなど、高い人気を誇っている。
フィンランド
ヘルシンキ市内の天然の岩山を地下に10mほどくり抜いて造られた教会で“ロックチャーチ”の異名を持つ。直径24mある天井の銅板は太陽を表現しており、剥き出しの岩肌の前に置かれた祭壇やパイプオルガンに、天窓から自然光が差し込む姿はとても幻想的。週末は挙式も可能で、“ここで結婚式を挙げるのがヘルシンキ市民の夢”ともいわれている。
雑誌『Safari』6月号 P159〜164掲載
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photo by AFLO