スポーツ観戦に出かけよう!
アメリカ
開閉式のパネル屋根や、リング状の大型映像ディスプレイなど最先端設備を備えたスタジアム。建築費は超高額の16億ドル。2019年にスーパーボウルを開催したほか、2026年のFIFAワールドカップでも〝アトランタ・スタジアム〞の名で準決勝など8試合を開催予定。
スタジアム設計と聞いて思い起こされるのが、東京五輪のメイン会場となった国立競技場。当初、コンペの最優秀賞に選ばれたのは、“アンビルトの女王”の異名を持つザハ・ハディドの近未来的な案。ところが、建設コストが膨らんだのを理由に不採用に。再コンペの末に、隈 研吾による木材を多用するデザインに落ち着いたのは記憶に新しいところ。
ナショナルスタジアムは国家の顔。五輪やワールドカップといった国際大会を開催する際は、国が威信をかけて建設し、大々的に開会式を行うのが常だった。北京五輪やカタールでのFIFAワールドカップでは、有名設計事務所が手掛けたインパクトのある姿が披露され、国力を示す絶好の機会となった。
一方で、最近はサステナビリティに配慮し、新規建造を行わないケースも少なくない。パリ五輪は会場の95%で既存のレガシーが再活用され、次のロス五輪でも常設会場を新設しない計画が取られている。巨大施設を造った後に、どう活用するかは世界的な問題。いまやスタジアムは、お国柄だけでなく時代の潮流をも反映しているといえるだろう。ちなみにロンドン五輪のメインスタジアムは大会後に改修され、リース契約でイーストロンドンのサッカークラブ、ウェストハム・ユナイテッドの本拠地に。スタジアムとしても、日常的にファンに足を運んでもらうほうが幸せに違いない。
ドイツ
スイスの建築家ユニット、ヘルツォーク&ド・ムーロンの作品。7万5000人収容の巨大スタジアム。繭のような外観は日本製の半透明特殊フィルムで、うっすら透けて見える。試合開催日にバイエルン・ミュンヘンなら赤、ドイツ代表なら白か国旗色などチームカラーに発光も。写真はUEFAネーションズリーグ2022-23の対イングランド戦。
ノルウェー
ノルウェー北部、ロフォーテン諸島の小さな漁村にあるサッカー場。FIFA(国際サッカー連盟)が公式サイトで〝世界で最も美しいサッカースタジアム〞と紹介し、一躍有名に。普段は地元のアマチュアサッカークラブの練習場として使用されるほか、子供たちにも開放されている。ナイター施設もあるが観客席はない。
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