〈アンティカ オステリア カルネヤ〉の“ハンバーガー”
この連載、初のスペイン料理人として登場するのは〈アルドアック〉酒井涼シェフ。カウンターでコースのみ、スペインのファインワインと合わせた提案でシーンをリードするシェフが、ここぞというときに足を運ぶ店、オーダーする一皿とは。
- SERIES:
- 注目シェフが教える感動の「名店メニュー」 vol.05
カルネヤバーガー(1900円、税込み)
120 gのパテと一緒に熟成肉ステーキをサンド。レタス、トマト、たまねぎと具材はシンプルに。炭火の香りが食欲をそそり、ステーキも肉肉しいパテも旨みたっぷり。ボリューミーだがペロリとイケる。ランチタイム限定
オススメしてくれたのはこの人!
〈アルドアック〉酒井 涼シェフ
洗練されたクラシック! ワインのペアリングも
スペイン各地に伝わる味を、季節感を盛りこんで洗練された一皿に。王道からナチュラル系まで揃うワイン、リキュールやスピリッツと酒の揃えもよく、食前から食中、食後まで料理に合わせてトータルで提案。スペイン料理業界、ワイン業界でも常に注目されている。
住所:東京都渋谷区上原1-1-20 JPビル2F
営業時間:12:00~13:00(L.O※土曜、日曜のみ)、18:00~21:30(L.O)
休日:水曜
TEL: 03-3465-1620
酒井シェフ
カラダが欲する本能を揺さぶる肉肉しい味
外食は和洋中、カジュアルな店から高級店までジャンルを問わず。でもそのほとんどが「料理人として刺激を求めて出かける」と、話す酒井シェフ。「1人で店をやっているので、外食で多くのことに気づく。大切な時間です」
それでも年に2回ほど訪れる「今日は本能の赴くまま、旨い肉を食うぞ!」という日に足を運ぶのが〈アンティカ オステリア カルネヤ〉なのだとか。はじめて店を訪れたのは2012年に〈アルドアック〉を開業する前、神楽坂のバルで働いていた頃だから、もうずいぶん長い付き合いになるのだという。
「1人で行って店名物のモツクッキングやカルボナーラなどの肉系パスタをコース仕立てでひと通り食べた後、カルネヤバーガーで締めます。熟成肉の香りがしっかりと感じられるハンバーガーは、巷に数あるグルメバーガーの中でも抜きん出た存在で、食後の満足感もケタ違い。“肉食いたい欲”が完璧に満たされます」
高山シェフ
バランス度外視の肉を食らうハンバーガー
昼の名物としてファンには知られた一品。旨さの秘訣を高山シェフに尋ねると「バーガーの理屈ではなく、お肉の都合に合わせて作りました」とのこと。バランス重視で組み立てるのが通常のハンバーガーだが、カルネヤバーガーはさにあらず。「美味しいハンバーガーを食べた」というより「旨い肉を食らった」という食後感を抱く味わいだ。
「パテは短角牛など赤身の強い肉を粗めに挽いて、余分なものを加えず塩で肉の味を引き出します。熟成肉ステーキも、どんと50gのボリューム。ちゃんと炭火で焼くので、香りも違いますよね」
肉以外の具材はシンプルに、ハンバーガー専門店御用達〈峰屋〉のバンズでサンド。肉汁をつぎ足して保存する旨み炸裂の特製ダレが、肉の味の引き立て役に。「ワインもいいけれど、シュワッとした飲みものがよく合うので、マネージャーに相談してみてください」とのこと。ドリンクの提案含め、ワン&オンリーだ。
Check1 熟成肉ステーキ
パテと一緒に熟成肉ステーキをサンドして肉の“二重奏”に。肉汁をつぎ足して味を深めた“秘伝のタレ”も美味しさの鍵。風味、食感が異なる肉の層を噛みしめる喜びをご堪能あれ
Check2 カクテル合わせ
話ドリンクはイタリアの薬草酒・アマーロとコーラのカクテルを提案。ジャンクフードの定番“バーガーにコーラ”を、グルメバーガーに合わせ、お洒落リッチな大人味にアレンジ
ANTICA OSTERIA CARNEYA[アンティカ オステリア カルネヤ]
煮干しパスタ専門店〈sisi煮干啖〉も話題沸騰中の高山いさ己シェフが2007年、牛込神楽坂に開業。“肉イタリアン”という新たなジャンルを打ち立て、イタリアンの枠を超えて熟成肉やステーキのブームをリードしてきた。カルネサラータにボロネーゼ、炭火で焼く塊肉のステーキと前菜からセコンドまでとことん肉づくしのメニューが揃い、肉好きたちで連夜賑わう。高山シェフの右腕として厨房を仕切る長沼剛司シェフ、塚本大輔マネージャーらスタッフもベテラン揃い。メニューの組み立てからワインまでまかせて安心だ。
●ANTICA OSTERIA CARNEYA[アンティカ オステリア カルネヤ]
住所:東京都新宿区南山伏町3-6 市ヶ谷NHビル1F
営業時間:12:00~14:00(L.O)、18:00~21:30(L.O)
休日:日曜
TEL:03-5228-3611
雑誌『Safari』8月号 P218・219掲載
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photo : Jiro Otani text : Kei Sasaki