老舗の和牛卸問屋が経営する〈銀座吉澤 肉割烹〉で、贅沢な肉料理を心ゆくまで味わって!
1924年に銀座で創業し、100年を迎える〈銀座吉澤〉が2024年7⽉29日の“肉の⽇”に新店舗を移転オープンした。〈銀座吉澤〉は松阪牛や近江⽜などの高級銘柄牛を扱う仲卸の先駆けとして、高く評価されてきた。新しいビルには、1階に精肉店、2階にすき焼きやしゃぶしゃぶ、焼肉といった“肉処”、3階にはおまかせコースの肉割烹が入居している。
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- アレが食べたいからこの店へ! vol.57〈銀座吉澤 肉割烹〉
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- アレが食べたいからこの店へ! Gourmet Culture
臨場感たっぷりのカウンターは特等席!
3階の〈銀座吉澤 肉割烹〉は、クオリティの高い和牛を存分に堪能できるとあって早速注目されている。大谷石が敷き詰められた床と組子照明が心を和ませ、檜のL字型カウンターが高級感を醸し出す。プライベート感のあるテーブル席も奥に設けられていて、こちらも使い勝手がいい。
料理長を務めるのは金村直樹さん。高校卒業後に東京都内の和食店で8年間修業した後、〈山の上ホテル〉で14年間研鑽を積み、和食副料理長も務めた。受賞歴も多く、実力が折り紙付きの料理人だ。
金村さんが紡ぐ珠玉の料理を堪能できるのが、“おまかせコース”(2万5000円)。月替りで10品前後のコースが味わえるとあって、食通たちがこぞって通っている。
“ヒレ料理”
珠玉の料理の中でも特筆するべきなのが、しゃぶしゃぶと網焼きで提供される“ヒレ料理”だ。しゃぶしゃぶは、5㎜くらいもあるヒレを絶妙な加減に仕上げた。厚みはしっかりとあるが、簡単に噛み切れるほどにやわらかく、たっぷりの妙味をたたえている。ジューシーながら肉感もあって、新感覚のしゃぶしゃぶを堪能できることは間違いない! 食味に優れた黄ニラと甘味のあるアスパラガスが添えられていて、よい箸休めになる。網焼きは、表面を炭火で香ばしく焼きながらも、中は完璧なロゼ色。ヒレの慎ましやかな至味が閉じ込められている。“吉澤伝統”の割り下に漬けた生粒胡椒が、ピリッとした刺激的なアクセントだ。
“コンソメスープの一番搾り”
最初に登場する先付の“コンソメスープの一番搾り”もシグネチャーのひとつ。胃の準備に最適と、金村さんが自信をもつスープだ。スネの挽き肉と香味野菜がたっぷりと用いられていて、目の前で作り上げられるのもまた一興。口の中で品のいい上味がじんわりと広がっていく。
“和風タルタルサンド”
“和風タルタルサンド”は、和牛のタルタルを挟んだサンドイッチで、木の芽と実山椒が主張。サクサクっとしたパンに、ねっとりとしたタルタルがよく合う。コンソメスープと交互に食べても、美味しくいただける。
“和牛刺身”
和牛の食味をストレートに体感できるのが、2種類の部位を食べ比べできる“和牛刺身”だ。ウチモモはきめ細やかな肉質でスジや脂身が少ない。イチボの“先三寸”と呼ばれる部位は、きめ細かくしっとりとした食感で、脂の旨味もしっかり楽しめる。 和辛子とワサビが添えられているので、好みで合わせてみて。
サーロインを用いた“すき焼き”は、鉄鍋で焼き上げられてとてもダイナミック。脂は適度に落ちていて、かわりに“伝統の割り下”を吸っているから、妙妙たる味わいに仕上がっている。コシのある細めのシラタキと、青味が秀逸な長ネギも、サーロインとの相性が抜群だ。お肉はおかわりもできるから、心ゆくまで味わうといい。
“和牛と魚介のユッケ御飯”
“和牛と魚介のユッケ御飯”は、雲丹、甘海老、帆立貝、和牛のユッケが一体となった贅沢な“凌ぎ”。酢飯の酸味が魚介とユッケの脂をくっきりと浮かび上がらせてくれる。混ぜて食べてもいいし、それぞれをつまんで食べるのも美味しい。
お酒は、日本酒はもちろんのこと、肩肘張らないサワーやフランスを中心としたワインがイチオシ。フローズンレモンを用いた“特製レモンサワー”(1100円)やフローズンアップルを使った "特製林檎サワー”(1100円)は、凍らせたフルーツがフレッシュで食欲をかき立ててくれる。
同じ“泡モノ”でも、シャンパーニュで始めるのも乙だ。“ピエール・トリシェ ブラン・ド・ノワール グラン・クリュ”はピノ・ノワール100%のブラン・ド・ノワールで、凝縮感がありながら繊細さも感じられる。ふっくらとした味わいなので、和牛との相性は抜群。“作”(1合 2200円)は“一滴の水にも仏の命が宿る”という仏教の教えから命名されたプレミアムシリーズ。低温でゆっくり醸しているから、上質で心地よい余韻を放つ。和牛を穏やかに包み込んでくれるので、最初から最後まで通すのもいい。
銀座にある老舗の和牛卸問屋が経営する肉割烹だから、和牛の品質は折り紙付き。いつもとはひと味もふた味も異なる贅沢な肉料理が食べたい時にイチオシの一店だ!
●銀座吉澤 肉割烹
住所:東京都中央区銀座1-20-8 吉澤銀座1丁目ビル 3F
営業時間:17:00〜22:00(21:00LO)
定休日:日・祝日、年末年始
TEL:03-3542-2981
URL:https://www.ginza-yoshizawa.com/
※サービス料別
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1976年台湾生まれ。テレビ東京「TVチャンピオン」で2002年と2007年に優勝。ファインダイニングやホテルグルメを中心に、料理とスイーツ、お酒をこよなく愛する。炎上事件から美食やトレンド、食のあり方から飲食店の課題まで、独自の切り口でわかりやすい記事を執筆。審査員や講演、プロデュースやコンサルタントも多数。