【Vol.26】コンパクトSUVはトレンド感いっぱい!
アウディ Q2大きなSUVは魅力的だけど、時代の最先端といえばコンパクトなSUV。持て余すことのないボディサイズに小さなエンジン。やっぱりドライブにも軽快感が必要!? かつてあった「大きいことはいいことだ~」なんてフレーズの、テレビCMをご存知だろうか。それまでより、ひと…
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大きなSUVは魅力的だけど、時代の最先端といえばコンパクトなSUV。
かつてあった「大きいことはいいことだ~」なんてフレーズの、テレビCMをご存知だろうか。それまでより、ひとまわり大きなサイズの板チョコの広告コピーである。時は昭和42年だから、まさに高度経済成長を反映したものといえるだろう。
あれから50年。今、自動車業界ではこれとは逆のことが行われている。この連載でも何度か触れてきたが、今日のトレンドはダウンサイジング。いうなれば、「小さいことはいいことだ~」である。
もちろん、その背景にあるのは環境問題。加速する地球温暖化を防ぐためにもエンジンのダウンサイジング化は必須項目となる。小さい排気量で二酸化炭素や窒素酸化物の排出量を減らしながら、これまでに負けないパワーを出すためには技術の進歩が必要だ。小さくするのはエンジンだけではない。日本には軽自動車というカテゴリーがあるのでわかりづらいが、今、世界中で小さなサイズのクルマが見直されている。特にその点で、ドイツメーカーの躍進は想像以上だ。
ここでご紹介する新型〈アウディ〉Q2も、そんな中の1台。Q2は〈アウディ〉で最も小さなSUVでありながらスタイリッシュさを持ち合わせた。このお洒落さは〈アウディ〉らしさ全開である。
そもそも〈アウディ〉のSUVラインナップは、スタイリッシュさで有名。現行型Q5、Q3もリアピラーがほかのメーカーのものよりも寝かせていて、スポーティさを感じさせる。SUVに“クーペ”と名づけて、意識的にそうさせているモデルもほかにはあるが、〈アウディ〉はデフォルトがこれなのだ。
しかも、今回そのリアピラーは色がついた。カラーを変えられるプレートでアクセントをつけられるというのだ。このへんはポップさを持たせることのできるサイズ感なので、かなり効果的だろう。「お洒落な人が乗っている」というイメージが先行しても不思議ではない。
そしてQ2で欠かせないのがこのフロントマスク。力強くて未来感があり、新デザインコンセプト“ポリゴン(多角形)”によるデザインは斬新。30歳から40歳代をターゲットとすることで生まれたそうだが、〈アウディ〉らしいお洒落さがある。デザインしたのはエクステリアデザイナーのマティアス・フィンク氏。30歳のときのドローイングだそうだ。
なんて感じのQ2。〈アウディ〉はやっぱりお洒落さんの乗り物なのね、と思わせる仕上がりである。
このクルマはひと口でいって、ガンガン使い倒すのがいい、と思う。もちろん、昔の“ヨンク”のように泥だらけで置いておくのではなく、いつもきれいにして都会的に乗るのが正しい使い方だ。
根拠は、SUVでありながら機械式駐車場に収まること。全高1530㎜はかなり好都合。都市部のタワーマンションやオフィスビルに設置される駐車場の高さ制限に閉口してしまうことはない。つまり、見た目SUVながらそういった面での実用性は、ハッチバックと変わらないのだ。それだけじゃない。カーゴフロア下は二重になっていて、フラットな床面より下に荷物が入る。このへんの工夫も見逃せないポイントだ。
そして、注目したいのがエンジン。116馬力を発揮する1ℓ直3ターボと150馬力の1・4ℓ直4直噴ターボが用意されるのだが、どちらも高効率で力強さを感じる。「1ℓで大丈夫?」、な~んて思う方は是非試乗してみるといい。実は同じ1ℓエンジンでも、〈アウディ〉A1に積まれるユニットよりも出力を上げているので乗りやすいのだ。
さらにいうと、1・4ℓはよりトルクがあって高速道路でもフツーに走ってしまい、小排気量エンジンであることを忘れてしまう。でもって、どちらも燃費がいいのだからこんなに都合のいい話はない。てことで、ガンガン使い倒すのがQ2の正しい乗り方なのである。
〈01 運転席〉クラスを超えた質感がポイント!
Q 2は〈アウディ〉A 3シリーズのプラットフォームを採用する。なので、運転席に座ると共通点を見つけることができる。いうなれば質感はひとつ上のクラスということだ。スイッチ類が少なく、ゴチャゴチャしていないのもトレンドのひとつ。
〈02 バーチャルコックピット〉機能的で安全性も高くお洒落
〈アウディ〉TTに最初に搭載されたことからはじまったバーチャルコックピットが、ここにもオプションで用意される。ご覧のように液晶メーター画面に映し出されることで、目線を動かさずに目的地を追える。願ったり叶ったりだね。
〈03 トランク〉さすが〈アウディ〉。使い勝手も抜かりなし!
〈アウディ〉の実用性の高さはいまさら言うまでもない。リアゲートの開口部は広く、出っ張りも少ないので荷物の積み降ろしが便利。しかもリアシートを畳めばこんなに広い。さらにカーゴ床下は2層で、その下にはスペアタイヤも積まれるほど!
SPECIFICATIONS
アウディQ2 1.0 TFSI
●全長×全幅×全高:4200×1795×1530㎜
●エンジン:1.0ℓ直3 DOHCターボ
●最高出力:116 ps / 5000 - 5500 rpm
●最大トルク:200 Nm/ 2000 - 3500 rpm
●トランスミッション:7速Sトロニック
●使用燃料:プレミアムガソリン
●ステアリング:右
●税込み価格:299万円~
TEL:70120 – 598106(アウディ コミュニケーションセンター)
雑誌『Safari』8月号 P202・203掲載