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CULTURE カルチャー

2025.06.28


『ミッション:インポッシブル』シリーズが映画界に残したものとは?【中編】 ツメアト映画〜エポックメイキングとなった名作たち~ Vol.35


『ミッション:インポッシブル』(1996年)

記念すべき第1作が公開されたのは1996年。世界中のメディア上に無数のパロディを生んだあの“宙吊り”アクション――CIA本部に侵入したイーサン・ハントが天井のダクトからワイヤーを使って降下し、床面ぎりぎりのところでストップするハラハラドキドキの名場面を含む、いまやクラシックとなった定番的人気作だ。“宙吊り”に関しては、2001年に離婚した元妻のニコール・キッドマンも『パディントン』(2014年、監督/ポール・キング)でオマージュシーンを披露するほどのアイコニックな看板となったが、実はこれ、『トプカピ』(1964年、監督/ジュールズ・ダッシン)のワンシーンが元ネタ。オリジナルのお株を奪うほど華麗なる本歌取りを見せ、ここから本格アクションスターとしてのトム・クルーズの歴史/人生がはじまることになった。また同時に『ミッション:インポッシブル』の第1作は、トムが初めて主演とプロデューサーを兼任した作品でもある(1992年に設立した映画会社『クルーズ/ワグナー・プロダクションズ』の第1回作品)。
 

  

 

『M:I-2』(2000年)

本作を皮切りにシリーズの“初期”に分類されるのが最初の3作だろう。第1作の監督はブライアン・デ・パルマ、2000年の第2作『M:I-2』はジョン・ウー、2006年の第3作『M:i:Ⅲ』はJ.J.エイブラムス。監督の人選にも明らかにトム本人の強いこだわりが見られる。強力な才能と組んで斬新なストーリーテリングとアクションを追求し、“トム・クルーズ・ブランド”の新しいスター映画のモデルを打ち立てようとしたのが、この時期だと言えるだろうか。ちなみに第1作では運転というものを全くしなかったイーサン・ハントだが、『M:I-2』からはクルマやバイクを乗り回してモーターエンジン音が荒々しく鳴り響くことになる。また世界中を駆け巡る豪奢なロケーションなど、ベンチマーク(もしくは仮想敵)としては『007』シリーズの存在も大きい。トムはピアース・ブロスナンが扮した5代目ジェームズ・ボンド(1995年~2002年担当)がお気に入りだと当時発言しており、コミカルで軽妙さのある色男のキャラクターは、ブロスナン版ボンドからの影響も含んでいるように思われる。
 

  

 

『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』(2011年)

この初期に築き上げた成果と世界観を踏み台に、本シリーズをネクストレベルへと押し上げた画期点が2011年の第4作『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』だ。監督は『アイアン・ジャイアント』(1999年)、『Mr.インクレディブル』(2004年)、『レミーのおいしいレストラン』(2007年)といった傑作アニメーションを手掛けてきたブラッド・バードが担当。彼にとって実写映画はこれが初だったのだから、大胆かつ慧眼の抜擢と言える。本シリーズはアクション映画における技術革新を推し進めるという課題を常に持っているが、『ゴースト・プロトコル』では初めてIMAX撮影を採用。全編の内で約30分がIMAXカメラで撮影され、ラージ・フォーマットでの視覚的な臨場感を極限まで高める試みが為された(ちなみに実写の劇映画で初めてIMAXカメラが一部使われたのは、クリストファー・ノーラン監督の2008年の『ダークナイト』である)。ここで果たされた技術面の挑戦が、当シリーズのみならず、後続のアクション映画制作における品質基準を引き上げる役割に大きく貢献したのは間違いない。
 

 
そしてもうひとつの決定的なエポックがストーリーテリング面だ。トム・クルーズは本作のテーマを“チームワーク”だと語っており、スパイ映画におけるチームの重要性を再定義した。特に第3作『M:i:Ⅲ』で初登場したサイモン・ペッグ扮する技術専門のIMFエージェント、ベンジー・ダンの愉快な存在感は非常に大きい。前作では見習いメンバー扱いだったが、本作ではイーサン・ハントの相棒という準主役級へと一気に昇格。以降、映画の雰囲気をほっこりやわらげるお笑い担当としてシリーズに欠かせぬ人気レギュラーキャラクターとなった。『ゴースト・プロトコル』では主人公イーサン・ハントというヒーローだけでなく、その仲間たちの活躍とのアンサンブルが本当に楽しい。緩急豊かでユーモアにも溢れた物語と、アクションの見せ場のバランスが素晴らしく、これをシリーズ最高傑作に挙げる声が多いのも頷ける。
後編に続く

 
文=森直人 text:Naoto Mori
photo by AFLO
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