先進的な美フォルムと性能を持つ電気自動車!――ボルボ C40 リチャージ
ハイブリッド車を経て、いよいよこれからは“ピュア”電気自動車の時代へ。〈ボルボ〉初のピュアEVは優れたデザイン性と走行性がウリ。まさに大人の電気自動車!
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[ボルボ C40 リチャージ]
VOLVO
C40 RECHARGE
2021年の自動車業界の販売は総体的に好調だった。半導体不足とコロナの影響をものともせず、ほとんどのメーカーが前年比アップとしている。不景気? 好景気? ようわからん状態。今回スポットを当てる〈ボルボ〉もそう。昨年は過去最高の売上高と収益を記録した。販売台数は70万台弱。2020年は66万台少々だったので見事な回復となった。売上と収益も過去最高を得たのだから立派だね。
要因は1台あたりの平均単価が上がったことにある、と思う。電動化、つまりガソリン車よりも高額な電気自動車やプラグインハイブリッド車の比率が上がったことで売上は伸びた。今年は夏以降さらにそうした“リチャージ”モデルの生産台数を引き上げ、ラインナップに占める割合を昨年の2倍にする計画だそうだ。となるとさらに売上は加速するかも。と同時に、2030年までに彼らは完全な電気自動車メーカーになるというから、順調にその道を歩んでいることになる。
そうしたストーリーを鑑みると、ボルボ・カー・ジャパンのHPのトップにボルボ C40 リチャージが陣取っている理由がわかる。ブランド初のピュアEVが近未来〈ボルボ〉を象徴するからだ。
C40 リチャージのデザインは未来的で、キャッチーな装い。〈ボルボ〉らしいシルエットを残しながら、グリルをボディ同色にペイントするなどして新しさが目を引かせる。ホイールもなかなか個性的なデザインではないだろうか。でもってディテールを含め全体的なシルエットに嫌味がないのはさすがといいたい。スウェディッシュデザインのシンプルで上品な印象を得る。
ハードウエアはご存知XC 40と共通のプラットフォームを採用する。EV専用でないにもかかわらず、モーターやコンバーターなどの補機類、リチウムイオンバッテリーをしっかり搭載できるシロモノだ。ラインナップはそのモーターの数で2種類用意される。要するに、“シングルモーター”と“ツインモーター”。前者はリアアクスルにひとつ、後者は前後アクスルにひとつずつモーターを配置する。こちらはいうなれば“ヨンク”。日本導入はまずはこのモデルからの開始となる。
目新しいのは販売方法もそう。オンラインで行われ、専用サイトでボディカラーやオプションを選択して発注。その後最寄りのディーラーを通して納車される。これも時代の変化と言えるだろう。〈ボルボ〉のEVはいろいろな常識も塗り替えるかもしれない。
C40 リチャージに限らないが、ここ数年の〈ボルボ〉のインテリアはかなりステキ。スイッチ類を少なくし、シンプルな造形でモダンかつエレガントな世界観を表現している。アーティスティックな仕上がりだ。エアコン吹き出し口やシートレバーの造形はオンリーワンだし、ダッシュパネルに装備された光るバックパネルのデコレーションも独創的。それでいて実用性も加味されているのだから申し分ない。縦型のセンターモニターは個人的にも秀逸だと思う。縦方向の画面のほうがナビは見やすいからね。メルセデスも新型Sクラスから縦型を取り入れはじめた。
シートをはじめとするレザーフリーのインテリアはC40 リチャージならではの装備。高級感を維持しながらレザーを一切使っていないのだから恐れいる。環境先進国スウェーデンならではのこだわりだろう。そうそう、カーペットもリサイクル素材を使用している。
でもって走らせると乗り心地は快適。バッテリーを床下に収めることで低重心を実現し、高速道路では安定した走りを見せる。サスペンションの設定はソフトで路面の段差の当たりは柔らかい。それでいてアクセルを踏み込めば力強い。試乗したツインモーターの408psがグイグイ加速する。快適さとスポーティさの両面で満足させてくれるなんて、なんとも贅沢な1台である。
01 コックピット
デザイン性の高さはガソリン車と共通
ガソリン車から乗り換えても違和感のないコックピット。バッテリー残量ゲージなどメーターの表示内容は一部変わるが〈ボルボ〉らしさはそのまま。グーグル搭載でモニター操作は直感的でOK。写真は左ハンドルだが日本仕様は右ハンドルのみ。
02 レザーフリーインテリア
スウェーデン車らしいこだわり
環境保護の観点からC40リチャージはレザーを採用していないのもポイント。パッと見ではわからない質感の人工皮革を取り入れている。ドア内張りのトリムもそうだ。これは同時にクルマの軽量化にも役立っている。乗車定員は5名となる。
03 サンルーフ
高額オプションが標準ってのもグッド!
このクルマにはUVをカットする固定式のダークティンテッドガラスが天井に取り付けられる。しかもこれは標準装備。開放感を持ちながらキャビンを太陽光で高熱にならないように工夫されている。ガラス面積が広いのは得した気分だ。
SPECIFICATIONS
ボルボ C40 リチャージ ツイン
●全長×全幅×全高:4440×1875×1595㎜
●ホイールベース:2700㎜
●最高出力:300kW/408PS
●最大トルク:660Nm
●リチウムイオン電池容量:78kWh
●トランスミッション:1速固定式
●一充電走行距離:485㎞
●乗車定員:5名
●価格:699万円~
※一部画像は海外仕様のため、国内仕様と異なります。
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●ボルボ・カスタマーセンター
TEL:0120-55-8500
雑誌『Safari』7月号 P216~217掲載
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