高級感と快適な空間を持つコンパクトSUV!――キャデラック XT4
フルサイズだけでなくコンパクトSUVも大人気。その注目株がアメ車らしいパワフルな走りと高級感を持つ〈キャデラック〉XT4。実力は想像以上!
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[キャデラック XT4]
CADILLAC
XT4
いまや日々略語が氾濫している。近頃はサブスクやLPなんてワードを耳にする。SDGsもそうかな。流行りだからね、このへんは。そもそもパソコンやITなんてのもそうだし……。ただこうした略語はかなり前から使われている。落語研究会のことを“落研”というのもそうだし、“銀ブラ”なんかも。昭和からこうした略し方は使われていた。
略していう理由は名称が長いこともあるが、発音がしづらいこともある。今回紹介する〈キャデラック〉もそう。多くのアメリカ人は “キャディ”と略す。
アメリカ人が略すのはわからなくもない。キャデラックはそもそもフランス人の名前。北米をまだ新大陸と呼んでいた時代、モータータウンであるデトロイトエリアを開拓したフランス人貴族にちなんでつけられた名前だからだ。フランス語の発音は時として舌を噛みそうになる。そういえば、シボレーも同じ。フランス系スイス人の名前。なので、こちらは“シェビー”となる。
そんな〈キャデラック〉のエントリーモデルがこのXT4である。大統領専用車としてのビッグサルーンがイメージリーダーのブランドだが、いまやSUVラインナップのほうが充実している。サイズの小さい順からXT4、XT5、XT6となり、あのエスカレードがカテゴリの頂点に君臨するのだ。マーケットニーズにしっかり応えている。
ではXT4はどんなクルマなのか。ポジションはドイツ車でいうところの〈メルセデス・ベンツ〉GLCや〈BMW〉X3あたりとなる。サイズばかりでなく、価格設定もそれに近い。ドイツ系よりも標準装備が充実しているのが利点だ。
見どころは個性的なデザインだろう。ヘッドライト、リアテールライトともにLEDを巧みに使った個性豊かな表情を持つ。縦方向のライトが〈キャデラック〉のアイデンティティともいいたい。歴代モデルが採用してきた象徴的なデザインだ。
それじゃ伝統を守った仕上がりかといえばそうでもない。インテリアはモダンで、今どきさがたっぷりある。ラウンドしたダッシュボードがそんな感じだ。スイッチ類のレイアウトはかっこよく、どこか戦闘機のようにも見える。まさにアメリカらしいテイストといえる。
さらにいうと、FFパッケージのレイアウトながらセンターコンソールを強調するなど鋭い走りを匂わせる。そこは近年の〈キャデラック〉らしい。つまりXT4は走りの楽しいSUVなのである。
スポーティな走りを匂わせるXT4のエンジンは2ℓ直4ターボが担う。特徴は低回転域からターボが効いてアクセルと加速のタイムラグを少なくしているところ。タービンをツインスクロールにしてそれを達成した。自然吸気ユニットに匹敵するリニアな加速がウリだ。しかも、それに組み合わされるのは9速AT。多段化されたギアボックスが、なめらかな走りだしを生むのはご想像のとおり。駆使すればスポーティに走れるし、そのまま高級感のあるスムースな走りを楽しむのもいいだろう。
高級感という面ではインテリアの造形は外せない。トリム表皮、本革シートなどに〈キャデラック〉ならではのクラフトマンシップが表現される。昔からこのブランドを見てきた者にとって十分な仕上がりといっていいだろう。自社初のコンパクトSUVとて、手を抜くところはない。
さらにいえば、XT4には3つのグレードがあるのだが、どれを選んでもボーズ・サラウンド・サウンド・システムが標準装備されているのは素晴らしい。13個のスピーカーシステムとアクティブノイズキャンセレーションが、上質なサウンドを届けてくれる。
実は〈キャデラック〉とボーズの関係は古く、’90年代から続く。車両開発の段階から技術者同士が話し合うのだから本格的だ。そんなところにもブランドのこだわりが感じられる一台である。
01 エンジン
高出力ながら高燃費も期待できちゃう!
最高出力230ps、最大トルク350Nmのエンジンは排ガスの低減と燃費向上を実現。高速道路を巡航するような低負荷時には2気筒で走る気筒休止システムが搭載されている。これとオートスタート/ストップ機構、多段ギアボックスで高燃費も期待できそう。
02 最新ナビゲーション
要するに使い勝手がいいってこと!
完全通信車載ナビ“クラウドストリーミングナビ”はトンネルなどGPSが測位できない場所も自律航法ができるシステム。ソフトバンクの運用する4G通信網を利用してそれを行う。地図更新は常時ストリーミングするので、更新する手間がないのもいい!
03 インテリア
ライバルよりお得感あり!
室内は質感も装備も高級。前後シートにシートヒーターを標準装備するほか、デュアルゾーンエアコン、空気イオン化&除菌効果付きの空調システムを備える。ハンズフリーパワーテールゲートも標準。このへんを鑑みるとアフォーダブルといいたい。
SPECIFICATIONS
キャデラック XT4(プラチナム)
●全長×全幅×全高:4605×1875×1625㎜
●ホイールベース:2775㎜
●エンジン:直列4気筒DOHCターボチャージャー付き
●総排気量:1997cc
●最高出力:230ps/5000rpm
●最大トルク:350Nm/1500-4000rpm
●トランスミッション:9速オートマチック
●車両重量:1780kg
●駆動方式:AWD
●乗車定員:5名
●価格:670万円
●GMジャパン・カスタマー・センター
TEL:0120-711-276
雑誌『Safari』3月号 P216~217掲載
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