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2020.08.04

【1000km試乗】“疲れない”から楽しめる!
〈マクラーレン〉GTの真価とは?

長距離の旅を楽しむために生まれた〈マクラーレン〉GT。スーパースポーツでありながらも、その快適さは別次元との評判が高い。今回はそんなGTの真価を探るべく、自動車ライター金子浩久さんが東京から伊勢までのロングドライブを敢行。約1000kmにも及ぶ旅で見えてきた〈マクラーレン〉GTの快適さの秘密とは? さっそく金子さんのレポートをご紹介しよう。


 

 

とにかく疲れないのがGTのよさ


〈マクラーレン〉のニューモデル“GT”で、東京から伊勢・賢島までの1000kmを往復した。1000km走ってみて強く感銘を受けたのは、このクルマは“疲れないクルマである”ということだった。ドライバーとパッセンジャーが疲れることなく、肉体的負担が極めて小さい。1000kmも走って疲れを知らないクルマは稀だ。

スタートはすべての道の起点となる東京・日本橋。ひときわ車高の低いGTだが、広く大きなフロントウインドウのおかげで圧迫感はない

雄大な富士山の姿を右に望み、東名自動車道を西へと疾走するGT
もともと〈マクラーレン〉のスポーツカーは、長距離を走った際の疲れが少ないことは体験していた。2014年に、〈マクラーレン〉650Sで中国の西安から敦煌まで10日間、中国のあちこちを巡りながら約5000kmを運転しながら旅したことがあるけれども、あのときと同じ感触だ。

理由は明確で、すべての〈マクラーレン〉のスポーツカーはシャシーと呼ばれるキャビンを囲む部分を、鉄やアルミなどの金属よりも格段に軽く強靭なカーボンファイバーで造っていることが、まずひとつ。

もうひとつが、“スーパーシリーズ”と“アルティメットシリーズ”が装備しているPDC(プロアクティブ・ダンピング・コントロールシステム)というダンピングシステムをGTも装備していて、これは走行中に常に前後左右に傾くクルマを0.002秒の素早い電子制御によってフラットな姿勢を保とうとさせるもの。

これら2つの先進的な設計思想による機構は、本来は速さを追求するためのものとして装備されているのだけれども、本質的に非常に優れたものであることによって、なかば副次的に乗員の快適性にも大いに貢献している。

一般的に、路面の凹凸や舗装の切り替えなどを通過する際に、どんなクルマでも様々なショックを大なり小なり乗員に伝えてくるものだが、〈マクラーレン〉GTはそれが極めて小さいのだ。路面からの入力をサスペンションがすべて吸収し、ほとんど車内に伝えてこない。〈マクラーレン〉以外の一般的なクルマは、その入力をすべて吸収し切れないから、ショックや細かな振動などを残して乗員に伝えてしまう。

最高速326km/h、0-100km/h加速3.2秒という超高性能を〈マクラーレン〉GTは内包しているのだけれども、そうした“速さ”にプラスアルファして、スーパースポーツとしては例外的に快適で実用性の高い、文字どおりのGT=グランドツアラーに仕上がっている。それを体感できた旅だった。 

 

荷物の積載能力も大事なポイント!


グランドツアラーには、荷物もたくさん積めなければならない。ほかの〈マクラーレン〉は性能追求のために、最小限のものしか積むことができない。

GTのフロントには150ℓの専用トランク、リアには470ℓという広大なトランクスペースが用意されている。リアのトランクスペースは中央部分を凹ませてあり、ゴルフバッグや185cmのスキー2セットやスノーボードなど長いものも積みこむことができる。

そのフロアには“スーパーファブリック”という特許を取得した布がオプションで用意されている。染みや傷などができにくく、汚れも付きにくい。洗濯可能で速乾性に優れているというものだ。フロントのトランクは深さのある直方体なので機内持ちこみ用のスーツケースが2個入ったし、その他の撮影用機材などを収めても余地があった。

凹みのあるリアのトランクスペースには、トランクも十分収まる

エレガントなフォルムは大人の美意識を満足させる
そして、GTをGTたらしめているのがリアスタイルだ。ファストバックスタイルを採っているため、大きなリアガラスがテールまで続いていて、エレガントな雰囲気を漂わせている。ヘッドライトやフロントマスクは穏やかな形状となり、ボディサイドは微かな抑揚がつけられながらエアインテイクに収束している。細いクロムメッキに縁取られたサイドウインドウの形状もGTならではのものだ。 

 

圧巻のパフォーマンスの裏には大人の奥ゆかしさもある


パフォーマンスは圧倒的だ。4.0ℓV8ツインターボチャージドエンジンの最高出力は620馬力/7500回転。最大トルク630Nm/5500~6500回転の本領は、一般道を流している限りはホンのわずかしか使われない。

途中立ち寄った静岡市鞠子宿の丁子屋は、江戸初期から続くとろろ汁の名店。石畳の街並みは江戸の風情がたっぷりで、金子さんもここで名物料理に舌鼓

猛烈な加速が味わえるも、節度ある大人らしさが印象的
高速道路に入り、ガラリと空いたところで深くアクセルペダルを踏みこんでいく。パワーが炸裂し、GTは猛然と加速していく。その加速の凄まじさはスピードメーターが示す数字を見ないとわからない。

エンジンやトランスミッションの機械的な精度が恐ろしく高いからなのだろう、ここでもまた余計な振動が伝わってこないのである。音と振動が徹底的に抑えられていて、必要なパワーだけを取り出している。このストイックな感じが、〈フェラーリ〉や〈ランボルギーニ〉などと決定的に違う。イタリア勢は“演出”としてエンジンサウンドを活用しているが、〈マクラーレン〉はあくまでも抑制的だ。

GTに限らず、〈マクラーレン〉各車に乗るたびに感心させられてしまうのが、シフトパドルの精密な操作感と使いやすさだ。カチカチッと精密機械のような操作感を伴うわずかな動きで変速する。トランスミッションの変速動作自体も素早い。また、あまり知られていないが、このパドルはひとつのパーツだから、アップ側とダウン側は繋がっている。向かって左側のパドルを引くとダウンするが、押すとアップするのだ。同じように、右側は引くとアップだが、押すとダウンする。これは憶えておくと非常に便利だ。

フラットな姿勢を維持しながら、サスペンションはよく動き、乗り心地はマイルド。それでいて、〈マクラーレン〉らしい軽快な身のこなしと圧倒的な動力性能。高速走行は、これ以上ないというくらい快適だった。 

 

よくできた走行モードのおかげで運転も快適


もちろん、ワインディングロードでも切れ味鋭い走りっぷりを示した。〈マクラーレン〉各車の走行モードは、パワートレインとハンドリングを2つに分けて設定することができる。高速道路ではパワートレインをスポーツに、ハンドリングをコンフォートに設定していた。一般道では、両方ともコンフォートで、もうひとつ備わっているトラックモードはサーキット走行用なので使わなかった。

パワートレインをスポーツに設定すると、エンジンを各ギアで7500回転のレッドゾーンまで引っ張り、自動的なシフトアップを極力行わなくなる。フットブレーキを踏んだときのシフトダウンも頻繁になり、状況によっては4速から2速へと1速飛ばしで落としたりする。

このスポーツモードでのフットブレーキによるシフトダウンのコントロール性の高さも、GTでは他の〈マクラーレン〉同様に素晴らしかった。強く踏めば瞬時に2速落ちるが、踏んでいる時間が長かったり、あるいはステアリングを切っていたりすると1速分だけだったり、変速しなかったりする。フットブレーキを踏む強さだけでなく、さまざまな要素をクルマ側が測定し、実行してくれている。疲れを知らない一流のレーシングドライバーに任せているようなものだ。

ハンドリングもスポーツモードにすることによって、コーナリングやブレーキング時の姿勢変化がさらに少なくなる。伊勢志摩スカイラインのような、コーナーが連続し、傾斜も強いところでペースを上げて走るにはとても役に立った。
海沿いを爽やかに疾走するGT。スポーツモードにした高速走行ではV8エンジンの咆哮も心地いい
〈マクラーレン〉GTは、非常に軽く堅牢なシャシーに賢くサスペンションを制御する“プロアクティブ・ダンピング・コントロール”が組み合わされることによって、グランドツーリングを極上のものにしてくれた。車間距離を一定に保ちながら先行車に追従するACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)や、車線内走行を保つLKAS(レーンキープ・アシストもしくはアラート・システム)などの運転支援デバイスを装着できたら、なお完璧だろう。

〈マクラーレン〉GTは、これまでの〈マクラーレン〉から少し趣向を変えたグランドツアラーに仕上がっていた。具体的には、荷物積載量を増やし、静粛性などの快適性を向上させている。ほかにありそうでない稀有な存在ともいえるだろう。

アイボリーのレザーシートと明るいブラウンの室内は、まさに贅沢な空間。ダンディな金子さんの着こなしにもよく似合う 

 

Information

●マクラーレン・オートモーティブ 
URL:https://cars.mclaren.com/

文=金子浩久、写真=田丸瑞穂
text:Hirohisa Kaneko photo:Mizuho Tamaru
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