実際にグライダー搭乗体験をした! 〈ホンダ〉プレリュード
衝撃の発表から2年の時を経て、9月4日に正式発表されたのは〈ホンダ〉プレリュード。某NSXのときのように、なかなか出なかったらどうしようと気を揉んでいたのも、どうやら取り越し苦労となってよかった(喜)。なんと24年ものブランクを埋めるかのように、25年モデルの同車はとっても先進的&チャレンジング。でも、かつてのFFスペシャリティカーとしての雰囲気もムンムンに残していて、このバランスはちょっと見逃せないかも。
- SERIES:
- 話題のクルマを品定め!
- TAGS:
- 話題のクルマを品定め! Cars
まず先進的になった部分はルックス。流行りのカオ……といったらひと括りが過ぎるけれど、細いライトに流線型のボディ、ちょっと跳ね上がったテールなど、プレリュードという名前がなければ、全くの新型車のような豹変っぷりだ。しかしこのデザインにも理由があって、新型プレリュードは“アンリミテッド・グライド”というグランドコンセプトを掲げている。実際に、エンジンを持たないながらに風を捕まえてどこまでも滑空するグライダーにデザインの着想を得、さらにそのイメージを共有するために開発メンバーは2カ月をかけて実際にグライダー搭乗体験を行ったというのだ。
もちろんルックスは見た目だけのモノではない。ハンドルを握るとわかるのだけど、このボディとエアロ形状、実は前後リフトバランスが素晴らしく、極低速からすっと路面にボディが吸いついていくのを体感することができる。もちろんそれには〈ホンダ〉初のブレーキング初期から作動するアジャイルハンドリングアシストなどの電子制御も功を奏しているのだけれど、そもそものボディ形状のよさ、シャシーのよさを最大限に生かしているのは、素直な挙動からも感じることができる。
ちなみにインテリアもなかなかの質感だ。2+2の4人乗りだが、2ドアという特性上、リアシートはかなり割り切って簡素に作られている。そのぶんフロントの洗練は“スペシャリティカー”の名にふさわしい豪華さ。クリーンさを感じさせるブルーをアクセントカラーに、しっかりと厚みのあるスポーツシートが凛々しい。
さて、肝心のスペックだ。
このプレリュード、実はシビック タイプRのシャシーを使い、シビックのe:HEVのパワーユニットをそのまま流用している。それを聞くと「ん?」と一抹の不安を感じる諸兄もおられよう。「FF世界最速のタイプRならまだしも、フツーのシビックのハイブリッドをそのまま……? それってちゃんとスポーツカーになるの?」と。いや、かく言う筆者本人がそう思っていた。しかし、いざサーキットのような試乗コースに乗り出すと、思わず「ワア!」と声が出た。まずサウンドが素晴らしい。2ℓエンジンに2つのモーターを組み合わせた、燃費にも優れたパワーユニットなのだけれど、サウンドを演出することに加え、CVTに人工的な段付き感(8速を想定)を持たせることによって、驚くほどのベツモノに仕上げていたのだ。さらに今回は〈ホンダ〉初となる“S+シフト”という走行モードが設定された。通常のスポーツ・GT・コンフォートに加え、それぞれをさらに拡幅させるようなモードなのだが、これがまたかなりカゲキ! スポーツはよりヤンチャに、コンフォートはよりアダルトに生まれ変わってしまう。この演出の妙も、うん、さすが〈ホンダ〉。いやはやホント、これは期待を大幅に上回る楽しさ。生産台数が少ないのが若干気になるところ=争奪線必至。早めにチェックしておきたい。
★DATA 〈ホンダ〉プレリュード
●全長×全幅×全高:4520×1880×1355㎜
●車両重量:1460kg
●エンジン:2.0ℓ直列4気筒
●エンジン最高出力:104kW(141PS)/6000rpm
●エンジン最大トルク:182N・m(18.6kgf・m)/4500rpm
●モーター最高出力:135kW(184PS)/5000~6000rpm
●モーター最大トルク:315N・m(32.1kgf・m)/0~2000rpm
●トランスミッション:電気式無段変速機
●駆動方式:前輪駆動
●税込み価格:617万9800円
●Hondaお客様相談センター
TEL:0120-112010
URL:https://www.honda.co.jp/
●公式 Instagram(@safarimagazine_official)はコチラ!