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2019.12.02


ブルーボトルコーヒーCEO――ブライアン・ミーハン

紳士の国・英国発の本格機械式時計ブランド〈ブレモン〉。本国イギリスではすでに高い知名度を誇るが、現時点では正規輸入されていない日本では、まだ知る人ぞ知る存在だ。

●今月のビジネスセレブ
ブルーボトルコーヒーCEO
ブライアン・ミーハン[Bryan Meehan]

Profile
2012年に〈ブルーボトルコーヒー〉のエグゼクティブチェアマン、およびCEOに就任。当時7店舗だった会社を、アメリカ、日本、韓国に計90店舗以上を展開するグローバルブランドに成長させる。環境や社会的責任投資を支持し、地球環境にフォーカスしたベンチャー企業も共同設立。多方面で活躍している。

愛用の一本


ブレモン
SOLO
●愛用歴/約2年
●購入場所/ NYのブティック
●使用頻度/ほぼ毎日

1940年代のクラシカルなパイロットウォッチから着想を得たコレクション。視認性が高く、時計本来のシンプルな美しさが光る。


ココがお気に入り!


「ラグジュアリーウォッチには珍しく、付属のアリゲーターストラップやラバーストラップに付け替えられるインターチェンジャブル仕様。本当に簡単に着脱ができるので、気軽に様々な表情を楽しめるのは、この時計の大きな魅力だと思います」



ブレモン[BREMONT]
SOLO

2002年、元英国空軍のパイロットであり、航空工学博士である父を持つイギリス人兄弟が創業した〈ブレモン〉。手作業によってごく少量のみ生産されている機械式時計は高い精度と耐久性を誇り、すべてCOSCの認定を受けている。代表的なのはクロノグラフを搭載したパイロットウォッチだが、現在では幅広いバリエーションを展開。ミーハン愛用のSOLOはシンプルな3針で、ヴィンテージテイストを漂わせる顔つきがとっても洒脱。



「この時計は一昨年、50歳の誕生日に友人がプレゼントしてくれました。彼はこの会社のインベスターの1人。心から愛しているこのブランドの時計を是非使ってほしいと言ってくれて」

ブライアン・ミーハンが愛用するSOLOは、〈ブレモン〉の中で最もシンプルなコレクション。でも実は当初プレゼントされたのはこの時計ではなく、クロノグラフを搭載したモデルだったそう。

「もちろんその時計も素敵でしたが、自分らしいかといえばそうではなかったので(笑)。ニューヨークのマディソンスクエアにあるブティックに行って交換してもらったんです。多分お返しした時計はこの時計よりかなり高価だったと思うのですが(笑)。金額的なことにはそもそも興味がないし、本当に自分らしいと思う時計をつけたかったので―もしかしたらブティックの中で一番リーズナブルなモデルを選んだのかもしれません」

時計に限らず、「シンプルなものが好き」というミーハン。

「〈ブルーボトルコーヒー〉にも共通するのですが、無駄な要素はそぎ落としたシンプルなものこそ美しいと私は思っていて。デザインも機能的にもシンプルなこの時計を選びました。そう、今日もつけているタイガーアイのリングをずっと気に入ってしているのですが、これと合うストラップの色みにも惹かれました」

ファッションに関しても“シンプル・イズ・ベスト”を信条にしているミーハン。当然、その日のファッションによって時計を替えたりすることはない。「本当のことを言うとこの時計に出合う前は、あまり腕時計をつける習慣はありませんでした。私はサンフランシスコに住んでいるので、まわりはアップルウォッチをしている人ばかり。アップルウォッチなどのスマートウォッチは多くのアメリカ人が好きなようですし(笑)、もちろん便利だとは思うけれど、つけていると時計のほうからいろいろ訴えかけてくるじゃないですか(笑)。たとえば人と会話していてもやっぱり気になってしまうし、なんだか落ち着かないんですよね」

腕時計はこのほかに、24年前に結婚する際に愛妻からプレゼントされた〈オリス〉を所有しているという。

「〈ブレモン〉を入手して以来、もっぱら彼女がつけていますね(笑)。この時計は、不思議とつけていると心地がいいんです。なのでほとんど毎日、寝るときとシャワーを浴びるとき以外はずっと腕にはめています。この時計をしていないと、なんとなく裸でいるような気持ちになるほど(笑)、今では私のカラダの一部ですね」

時計やファッション、ましていわゆる“ブランド”には興味がないと言い切るミーハンの心を惹きつけた〈ブレモン〉。高精度を追求しCOSC認定を受けているムーブメントだけではなく、ケース素材にも高いこだわりを持つ。このモデルのステンレススチールは、英国内で特別な硬化処理を施されていて、通常の腕時計に使われるステンレススチールの実に7倍以上の硬度を誇るという。

そのため、毎日愛用しているにもかかわらず、目立ったキズはなくとても美しい状態が保たれている。

「私は起業家なので、これまでに様々なビジネスを立ち上げてきましたし、ベンチャーキャピタリストとしていろいろな企業に投資もしてきました。そんな中で、〝いいな〞と思ったブランドやプロダクトに出合うと、そのオーナーに会いたくなっちゃう気質なんです(笑)。〈ブルーボトルコーヒー〉は、なにより本当に美味しい、それに尽きる。すごくスペシャルだなと思ったので、すぐにファウンダーに会いに行きました」

〈ブルーボトルコーヒー〉で、その空間ごとコーヒーを味わったことがある人なら、それが少し特別な時間を連れてきてくれることを知っているだろう。

「忙しい毎日の中で、時間は慌ただしく過ぎていってしまう。ホッとできる時間や空間はとても大切です。だからこそ私たちは、お客様にただ単に美味しいコーヒーをご提供するだけではなくて、そういう目に見えない価値のあるものを提供していけたらいいなと思っています」

多忙な日々を送りながら、あえてアップルウォッチではなく、昔ながらの機械式時計を愛用するミーハン。〈ブレモン〉の時計は、ある意味彼の“時の哲学”を物語っているのかもしれない。上陸から約5年、店舗を増やし続けている〈ブルーボトルコーヒー〉だが、店舗を増やすことが目的ではないと語る。

「Slowandsteady winsthe race―ゆっくりでも着実に進んだ人が最後に勝つ、という意味のアメリカのことわざです。私はビジネスとはそういうものだと思っています。この時計と出合ったように、様々な出会いを大切にしながら、美味しいコーヒーによってお客様の輪を広げていきたいですね」

Company Information
日本文化にも根づいたサードウェイブの旗手

2002年、創業者であるジェームス・フリーマン氏が、サンフランシスコの自宅ガレージでコーヒーショップをオープン。既存のコーヒーチェーンとは一線を画す、高品質な豆によるこだわりのコーヒーで、サードウェイブを牽引する存在に。2015年、海外初店舗として清澄白河ロースタリー&カフェをオープンさせ、日本上陸。現在は東京のみならず、京都や神戸にも進出。2019年10月には日本第1号店を清澄白河フラッグシップカフェとしてリニューアルし注目を集めている。

 
Information

雑誌『Safari』1月号 P246・247掲載

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写真=川上 守 文=岡村佳代
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