【仏領ポリネシア/マルケサス諸島】ヒバオア ハナケ パールロッジ
タヒチといえば、ハネムーナーの聖地。緑の高峰がそびえる島を美しいラグーンが取り囲み、ポリネシア様式の水上バンガローが浮かぶ、ロマンチックなイメージだ。
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- 海リゾートが呼んでいる! vol.4
ところが、同じタヒチにあって、マルケサス諸島は一変してワイルドの塊。特にタヒチ島の北東1500㎞に位置する12の火山性の島々のうち、“神の家の大梁”と呼ばれるヒバオア島は群を抜いてユニーク。天をギザギザと突くような鋭い稜線が続き、深く刻まれた渓谷が走り、漆黒のビーチに人知れず大きな波が打ち寄せる。山中へと四輪駆動車で分け入れば、野生のヤギの群れが道をふさぎ、笑ったような顔の古代ティキ像(守護神)が木々に包まれながら、ひっそりと佇む。
そしてヒバオア島といえば、画家ゴーギャンとフランスで活躍した詩人・歌手・俳優のジャック・ブレルが終の棲家に選んだ地。彼らの墓は海と山が出合う小高い丘の上に、中心地のアツオナの村を見守るようにして立つ。
そんなヒバオア島で唯一の高級リゾートがコチラ。アツオナの村から5分ほどの丘に立ち、壮大なパノラマビューを誇る。インフィニティプールから左を向けば、島の最高峰テメティウ山がなだれこむ太平洋が広がり、首を右に回せば、切りこんだ緑の渓谷が遥か先まで続く。
マルケサスの職人による工芸品で飾られたバンガローは、広大な敷地の中にわずか14棟。おすすめのタイプは“プレミアムオーシャンビュー”だ。テラスのチェアに腰を下ろせば、テメティウ山の背後からもくもくと雲が生まれ、大海原に影を落とし、雲間から強烈な光が差しこむ。スコールが降れば、山肌に滝の筋が流れ、雨上がりには幻想的な虹もかかる。自然のサイクルが眼前で繰り広げられる瞬間。そんなとき、ゴーギャンが思わず絵筆を取り、ブレルが詩につづった衝動と、シンクロしている自分にふと気づくのだ。
How to Reach?成田からタヒチのパペーテへは、エアタヒチヌイが週2便(往路は月曜と土曜、復路は日曜と金曜)飛んでいる。所要時間は11時間30分。パペーテからヒバオアまでのフライトは国内線の利用で約3時間50分。
こんな体験ができる!アツオナ村には、ポール・ゴーギャンとジャック・ブレルに捧げた文化センターがある。ゴーギャンの作品が展示された館では、レプリカながらも年代別に詳しく紹介され、見ごたえたっぷり。庭園内にはゴーギャンが暮らした“快楽の家”も再現されている。また、併設の格納庫はジャック・ブレルゆかりの品々を展示。ブレルの愛機“ジョジョ”と名づけられたビーチクラフトD 50は、物資や急病人の運搬に役立てられたという。2人はカルヴェール墓地に眠る。
●Hiva Oa Hanakee Pearl Lodge[ヒバオア ハナケ パールロッジ]
住所:BP80-98 741 Atuona-French Polynesia
TEL:+689-40-927-587
URL:www.hotelhanakee.com/
雑誌『Safari』7月号 P218~219掲載
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photo&text : Chieko Koseki special thanks : tahiti tourisme