困った顔は見せられない! いざというときのお役立ちヘルプ集
高級レストランでは、些細なトラブルにもドキドキしてしまうが、スマートな対応ができればお店にも「このお客さんは慣れているな」と思われる。人には聞けない疑問について、西洋料理テーブルマナー認定講師の資格をもつ〈メズム東京、オートグラフ コレクション〉の藤原さんに、颯爽としたふるまい方を教えていただいた。
〈メズム東京、オートグラフ コレクション〉スターサービス マネージャー
藤原茂哉さん
日本ではまだ苦手意識のある人が多いが、ソムリエにまず伝えるべきは“予算”と“(飲める)量”。「白と赤を1杯ずつお願いします」、またはリストを指して「これくらい(価格帯)でおすすめはありますか」などの注文でOK。好みを聞かれた場合も、専門的な用語は必要なく、「ドライな白」、「軽めの赤」といった表現で問題ない。
同行者が食前酒を頼むタイミングで、ミネラルウォーター(ガス入り、ガスなし)を頼むのがスマート。もしくは、ノンアルコールのカクテルやワインなどがあるかスタッフに確認してみよう。“無料”の水道水も頼めるが、大人として少々格好悪い。また、オレンジジュースなどの甘い飲み物は料理の味を殺してしまうので、やめておこう。
苦手な食材がある場合は、予約時、または来店してすぐに伝えておくべきだが、伝えていたにもかかわらず料理にその食材が入っていた場合や、実はこれも苦手だった、という食材がある場合は、遠慮せずに早めにスタッフに申し出れば、それ以降は対応してもらえるはず。
レストランでのふるまいは“レディファースト”が基本なので、女性の食べる速さに男性が合わせるのがベスト。とはいえ、会話に夢中になって食事に時間をかけすぎるのもよくない。だいたいフルコースで2時間程度を目安に、料理の状態が変わらないうちにいただこう。
レストランでは、カトラリーやナプキンを床に落としてしまった場合、自分で拾わずにサービススタッフに任せ、新しいものを持ってきてもらうのがスマート。水をこぼしてしまった、などのトラブルも同様だ。スタッフが気づかない場合は、大声で呼ばずにさりげなくアイコンタクトで。
トイレは入店前にすませ、食事中は席を立たないのが正式なマナーだが、トイレや急な電話など仕方のない状況も。その場合は、料理が席に残っていない状態で席を立つ。理想をいえば、メインを食べ終えるまでは待ちたいところ。テーブルが片づけられ、デザートに移るまでのタイミングが理想的。
ボトルで注文したワインは飲み切るのがスマートだが、残ってしまった場合はボトルごと持ち帰ってもマナー違反にはならない。また上級者のテクニックとして、ヴィンテージの古いワインや高級ワインなどは、店のスタッフの勉強のためにさりげなく飲み残すという場合もある。
レストランでの会計は、テーブルで支払いをすませることが一般的。割り勘にしたいときでも、その場は代表者1名(男女の場合は、男性)が支払いを済ませるのがスマート。テーブルで現金を取り出してやり取りするようなことはせず、退店後、お店から見えない場所でひっそり精算して!
ホテルと同様に当日はキャンセル料がかかる。なので、別の誰かを誘ってキャンセルを回避するのが得策。ちなみに予約した本人が来なくても、関係の深さに関わらずキャンセル料は支払うのがマナー。
シェフズ・シアタース
2020年4月開業。伝統的なフランス料理をアレンジしたビストロノミースタイルの料理が評判で、その名のとおり“シアター”がテーマ。店内にはオープンキッチンがあり、ライブ感も楽しめる。ダイナミックなアートを飾る空間デザインにも注目。
住所:東京都港区海岸1-10-30 メズム東京、オートグラフコレクション16F
営業時間:朝6:30~11:00、昼11:30~15:00、夜17:00~23:00 無休
TEL:03-5777-1111
URL:https://www.mesm.jp/restaurant/chefs_theatre
雑誌『Safari』6月号 P179掲載
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text : Rie Sasaki special thanks : mesm Tokyo, Autograph Collection