きれいな所作を心がけて! 料理別、基本的な“美しい”食べ方!
テーブルマナーの常識をひと通り頭に入れたうえで、次は実践編! 「メズム東京、オートグラフ コレクション」メインダイニング、シェフズ・シアターの協力のもと、実際のフランス料理を例にとりながら、美しい食べ方について解説! 食べにくい食材をきれいに食べるポイントなど、細かなカトラリーの使い方も要チェックだ!
肉
ステーキなどの肉料理は、左側からひと口大に切って食べ進めるのが基本。ナイフでカットし、そのまま左手のフォークで口に運ぶ。
ソースが添えられている場合は、切った肉に適量をつけながら食べると、肉とソース、両方の味わいをより感じられる。
付け合わせが大きい場合は、噛みちぎったりせずに、口に入る大きさにカットしてから食べる。
肉と付け合わせは均等になくなっていくのが理想。一緒に食べると、一皿の味わいがさらに深まる。
食べやすいからと最初に肉をひと口大に全部切ってしまうと、肉汁が出て温度も下がり、美味しさも損なわれてしまう。
魚
肉料理と同様、切るのは左側から。骨付きの場合は、骨や血合いの場所を見て、切りやすいところからナイフを入れるのもあり。
魚料理の場合も、ひと口大に切ってソースをつけながらいただく。パリッと焼いた皮も美味しさの要素だが、苦手なら残してもOK。
付け合わせも、ナイフとフォークでいただこう。なお料理の形状(スープ仕立てなど)によっては、スプーンが添えられていることもある。
フォークで刺しにくい場合は、背にのせて食べてもOK。フィッシュナイフで軽く押さえると食べやすい。
魚の骨や皮など食べ残す場合は、お皿の右上など一カ所にまとめておくと、見た目も上品でスマート。
ひっくり返すのはご法度。肉と同様、食べやすく切り刻むのもダメ。また、残ったソースはパンをつけてもいいが、お皿をきれいにしすぎると品がなくなるので注意!
一口料理
食事の最初に出てくるアミューズは、味の薄いものから順に食べるのが基本。揚げ物など温かい料理が出た場合は、冷めないうちに熱々をいただこう。
指が汚れた場合は、なめとるようなことはせず、ナプキンかおしぼりで拭くのが正解。基本的には小さくかじらずに、ひと口で食べきるのがマナー。
前菜
細長くてひと口では食べにくい食材は、ナイフでカット。葉物野菜は、ナイフとフォークで折り畳み、フォークに刺して食べるとスマート。
いろいろな食材が盛られている場合は、一緒に食べて味を楽しもう。硬い野菜をストッパー代わりにしてフォークに刺すと、食べやすい。
皿の上は、美味しく食べてもらえるように考えて食材が配置されている。全部混ぜてしまうなど、盛り付けを崩すような食べ方は避けたい。
ワイン
日本では、ワインが手の熱で温まらないようにグラスの脚を持つのが一般的だが、海外ではグラスを包みこむように持つことも。
万が一こぼしたときに相手ではなく自分にかかるように、右手でグラスを持つ場合は反時計回り(左手の場合は逆)で回す。ワインに慣れていなければ、事故のもとになるので無理に回転させなくてよい。
スープ
スープのすくい方は2通り。スプーンを手前から奥に動かすのが“イギリス式”、奥から手前に動かすのが“フランス式”で、どちらの食べ方でも問題ない。
すくうのはスプーンに半量ほどが好ましい。たくさんすくうと品がなく、口元を汚す原因に。
皿を傾けるときは、皿のお尻(奥側)を持ち上げるのは失礼。手前はOK。
デザート
用意されたカトラリーを使うのが基本。スプーンは、ナイフのようにカットする役割も果たす。
異なる温度帯や食感の組み合わせを楽しむため、いろいろなパーツをひとすくいで食べるとよい。
冷たいアイスクリームや温かいパイなど、デザートには状態が変わりやすい素材も多い。会話に夢中になりすぎず、提供されたらすぐに食べるのが望ましい。
パン
パンは、ひと口に収まる大きさにちぎって口に運ぶ。そのままかじったり、バラバラにちぎったりしない。
コーヒー
カップは、持ち手をつまむか、指を通して持つ。カップを両手で持ったり、着席の場合はソーサーを持ち上げるのもNG。
雑誌『Safari』6月号 P176~177掲載
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text : Rie Sasaki special thanks : mesm Tokyo, Autograph Collection