北澤 豪さんが野菜嫌いを克服した方法とは?
様々な事柄に興味とこだわりを持つ北澤さんが、今回語ってくれるのが“野菜作り”。都内を含めて3カ所で農園を借りるなど、その面白さにすっかりハマっているんだとか。
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- 北澤 豪の「こだわりMYスタイル!」
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写真はイメージです
最近、都内で畑を借りました。偶然、自分のマラソンコース沿いにある場所だったので、前から気になっていて、ようやく借りられました。というのも実は、家庭菜園や農業に興味があるんです。元々父親が畑を持っていたということや、NHK・Eテレ『趣味の園芸 やさいの時間』にレギュラー出演していたことがきっかけになっています。
すでに、河口湖の近くと兵庫県篠山にも農園を借りています。河口湖近くの畑ではトウモロコシや枝豆。篠山の畑では、大根や玉ねぎ、それに加えて篠山といえば黒豆が有名な土地なので、自分でも豆類を育てています。やはり育ちがいいですよ。篠山の農園は元ヴェルディ川崎(現:東京ヴェルディ)でチームメイトだった廣長優志さんに管理をお願いしています。廣長さんの縁で元Fリーグ(日本フットサルリーグ)の選手なども手伝ってくれているんです。とても助かっていますよ。
番組出演以前から野菜を栽培していたのですが、なかなか上手くいかなかったですね。番組の先生に教えてもらい、それを実践していくと徐々に実が成るようになりました。当たり前のことですが、専門家に教えてもらうのは大事だなと思いました(笑)。作物を収穫できるのも嬉しいのですが、土をいじっていることが単純に楽しいですね。土のグラウンドでカラダを動かしていた頃が思い出されて、なんだか懐かしい気分にもなるんです。
しかも、農作物を育てるのは、子供に野菜を食べさせるきっかけにもなるんですよ。自分は小学生の頃、野菜をあまり食べませんでした。けれども父親の畑を手伝い、野菜が育っていくところを間近で見ていると、つい食べてみたくなったんです。自分はそれが野菜嫌いを克服したきっかけになりました。親が農園や家庭菜園などで野菜を育てていれば、子供たちも自然と野菜に興味を持つはずです。それに育てた野菜を家族みんなで収穫すれば、当然どんな味か食べてみたくなりますよね?そうすると子供たちも野菜を食べるようになるし、結果的に栄養バランスを考えて食事を摂る習慣につながると思います。
都内で借りた畑では、自分が指導しているサッカースクールの子供たちに土いじりや野菜作りを体験させてあげたいと考えています。一流のサッカー選手になるには、栄養バランスの取れた食事をして、カラダ作りを行うことが大切ですからね。農作物を育てることで、野菜を食べる習慣を身につけてほしいと思っています。
実際、畑で野菜を育てると収穫量は結構スゴイんです。しっかり育てればピーマンなんかは1株で100個ぐらい収穫できるんですよ。『趣味の園芸 やさいの時間』で育てた野菜などは収穫量が多いため近くのイタリア料理店にお裾分けしました。そうしたら、お店がそれを使ったラタトゥイユをご馳走してくれましたよ(笑)。
そして、海外にJICA(国際協力機構)の活動で行くと、日本の農業は世界から注目されていることがわかります。日本の農業は段取りがしっかりしているし、収穫量も多いからです。そのため日本の栽培方法を知りたがっているんですね。だからか、海外から日本へ農業の視察に来ることが多いと聞きます。そういえば、ブラジルの食文化にも日系人が貢献しているそうです。日本でも流行しているアサイーがそうらしいですよ。ブラジル北部のトメアスに移住した日系人が中心となって組織した“トメアス総合農業共同組合”が、アマゾンでアサイーの栽培から製造、出荷まで一括管理しているそうです。
ただ、農地を開拓することはアマゾンの森林破壊にもつながってしまいます。そうならないようにするためにトメアスでは“アグロフォレストリー”と呼ばれる栽培方法を採用しているようです。これは伐採するのではなく、逆に樹木を植栽しながら農作物を栽培する方法なんだそうです。農業って奥が深いですよね(笑)。
自分が野菜作りをしているのは、父親や番組の影響もあるのですが、衣食住を自分でまかなえる男でありたいと思っているからということもあります。食べるものを自分で作る、住む場所を自分で建てる、着る服を自分で仕立てる、といったことです。もちろん家や服は、まだ自分で建てたり、仕立てることはできませんけどね。でも、そのうち挑戦してみたいです。そうしたら、このコラムで報告させてもらいますよ。“北澤、自分で家を建てる”なんて、面白いですよね(笑)。
元サッカー日本代表。現役時代は豊富な運動量と闘志あふれるプレースタイルから、“中盤のダイナモ”と称された。現在は日本サッカー協会の理事を務めながら、サッカーの普及などに尽力する傍ら、日本テレビ系『NEWS ZERO』のサッカー解説やサッカー中継の解説などでも活躍中。
photo by AFLO