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2023.12.10


【源田壮亮】ひとつのファインプレイがプロとしてのスイッチに!

球界屈指の守備力を誇る遊撃手として、侍ジャパンが世界を沸かせたWBCでも輝きを放った埼玉西武ライオンズの源田壮亮。華麗な打球さばきで魅せる“守備職人”が、プロのスタートラインに立った一戦について語ってくれた。

SOSUKE GENDA
TURNING POINT
【源田壮亮】ひとつのファインプレイがプロとしてのスイッチに!2017年3月31日
パシフィック・リーグ
VS 北海道日本ハムファイターズ

球界ナンバーワン遊撃手と称賛される堅実かつ華麗な守備。そのプレイがチームのピンチを幾度となく救い、埼玉西武ライオンズの大黒柱となっている源田壮亮。日本が熱狂したワールド・ベースボール・クラシックでは右手小指の骨折を押しての強行出場で、走攻守で躍動し、侍ジャパンの3大会ぶりの世界一奪取に貢献した選手の1人となった。

そんな源田が自身の分岐点として語ってくれたのは、2017年3月31日に、札幌ドームで北海道日本ハムファイターズと対戦した開幕戦。トヨタ自動車からドラフト3位で加入した源田は、新人選手ながら9番ショートを任されたこの試合が、プロ初スタメンでの出場となった。

「プロ野球選手になりたいという夢を追いかけてきた中で、夢を一個叶えたゴールのような試合でした。ここまで来られたんだなという達成感や嬉しさも感じながら、でもここからやっていくんだという決意みたいなものが半々ぐらいであったことを覚えています。プレイで、自分の中ですごく印象に残っているのは、相手チームの強打者の中田 翔さんの打球を三遊間に飛び込んでファインプレイでアウトにしたシーン。開幕デビュー戦でそれができたことが、めっちゃ嬉しくて(笑)。ダイビングキャッチは、身体が無意識で動いてくれて。あれで結構落ち着けた感はありましたね。すごくホッとしました。チームの一員になれたというか、力になれた感をすごく感じられました。ファンの人たちにも自分を印象づけられたのではないかと思います」

プロ野球選手になるという夢を叶えるまでの道のりは、決して短くはなかったので嬉しさはひとしおだったという。

「僕みたいな選手はプロ野球選手になれないんだろうなという気持ちでいたので、高校まででやめて就職しようかと思った時期もありました。それでもいろいろな出来事があって大学でまた野球ができることになって。4年生のときに、大学の日本代表候補の合宿に呼ばれて参加させてもらったんです。そこにはもう野球の雑誌で見るような選手たちがたくさんいて。その中に僕みたいな地方の大学生が飛び込んだわけですが、その紅白戦で考えがガラリと変わって。スターみたいな選手ってホームランをバンバン打つし、エラーも空振りもしないという勝手なイメージをもっていたんですけど、いざ一緒にプレイしてみたら、あれ、こういう人たちも空振りするんだって。だったら自分も頑張ればいけるんじゃないかって思い、絶対にプロになってやろうって、はじめて思えたんです。そこで、スイッチが入ってようやくたどりついた舞台が、この開幕デビュー戦だったんです」

あざやかなワンプレイでスタメンデビューを印象づけた源田だが、開幕戦前のキャンプのときの緊張感も、忘れられない体験になったという。

「まわりを見ると中村剛也選手のようなテレビでずっと見てきた選手たちばかりで、なんかすごいところで野球をやっているなって思いました。ちょっとファン目線もあってふわふわしていたところもあったりして(笑)。また、まわりがすごすぎるので、バッティング練習などでは自分のレベルの低さが恥ずかしいなという気持ちもありました。本当に自分が恥ずかしいくらい打球の質が違うので。やっぱりみんなそういった選手たちは、自信に満ちあふれていましたからね。そんな人たちの中で、守備のときはめっちゃ見られているのは感じましたね。どれぐらいできるのか見せてみろよ、みたいな(笑)。見られているなって思いながらも、平常心でできるように意識していました。だから1年めのキャンプは、めっちゃくちゃ疲れました(笑)」

デビュー戦以降の源田は、プロ1年めから西武ライオンズのレギュラーに定着し、新人としては史上4人めの全試合フルイニング出場を達成。自信がなかったというバッティングでも結果を出し、2リーグ分立後の新人史上2位となる155安打を放ち、打数、三塁打数はリーグトップの活躍を見せた。打者として球団の新人記録も次々に塗り替え、2017年のパ・リーグ新人王に輝いた。さらに11月には侍ジャパンにも初選出され、ルーキーイヤーで日本屈指の内野手に。現在、源田は主将としてチームを牽引する存在となった。

「これから目指すといえば、やっぱり埼玉西武ライオンズで日本一になること。僕自身も今シーズンは5月末からの復帰になりましたが、来シーズンは怪我なく戦って、このチームで優勝したいです」

【源田壮亮】ひとつのファインプレイがプロとしてのスイッチに!野球選手
源田壮亮
SOSUKE GENDA
1993年、大分県生まれ。トヨタ自動車を経て、2016年に埼玉西武ライオンズからドラフト3位指名を受け加入。2017年に新人王を受賞し、2018年から6年連続ゴールデングラブ賞を受賞。2021年には盗塁王も獲得。打撃でも今シーズンは7年連続でシーズン100安打を達成。

TAMURA’S NEW WORK
ポルシェ
【源田壮亮】ひとつのファインプレイがプロとしてのスイッチに!〈ポルシェ〉オーナーが集結したパレードランを含む75周年イベントは、国内最大のポルシェディーラーであるEBIグループ主催で開催された。「このラッピングアートは、イベント後に存在しなくなります。特定の瞬間にだけ存在する作品を描いたのもはじめてのことで、かけがえのない体験になりました」

新しい扉を開いてくれた作品

富士スピードウェイのサーキットで、自身がラッピングアートを描いた“911”の前に佇む田村 大。これは〈ポルシェ〉のスポーツカー生誕75周年を記念するイベントの一環として開催された、パレードランでの1シーンだ。

「イベントのハイライトとして開催されたパレードランで、新旧220台の〈ポルシェ〉の先頭を、僕が描いたラッピングカーが先導して走らせていただきました。最高のクオリティを求めて走り続けてきた〈ポルシェ〉と、アーティストとしての自己ベスト更新をテーマに走り続けた僕の道が、交われたことが非常に光栄です。この体験は一生の宝物です」

今回のラッピングアートは、作品そのものが新しい体験だったという。

「僕が描いたアートは、展示中だけでなく、走行中も車体によく映えていて嬉しかった。動として動く“瞬間”を彩る作品を描くという、アーティストとして新しい扉を開くことができた気がします」

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田村 大
DAI TAMURA
1983年、東京都生まれ。2016年にアリゾナで開催された似顔絵の世界大会であるISCAカリカチュア世界大会で、総合優勝。アスリートを描いた作品がSNSで注目を集め、現在のフォロワーは10万人以上。その中にはNBA選手も名を連ねる。Instagram:@dai.tamura

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Information

雑誌『Safari』1月号 P214~216掲載

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イラスト=田村 大 文=遠藤 匠
illustration : Dai Tamura text : Takumi Endo 
photo by SEIBU Lions
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