創造性あふれる街に発想力豊かな“禅”の家!
映画『チャーリーとチョコレート工場』や『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』のアートディレクターを務めたティノ。彼が暮らすのは、クリエイティブな人々が集まるエコー・パーク。自ら設計した、ミニマリズムが光る家を紹介しよう。
- SERIES:
- 西海岸リビング&インテリア! vol.13
Echo Park
カリフォルニア州ロサンゼルス・エコーパーク
owner
ティノ・シェドラー
プロダクションデザイナー兼クリエイティブディレクター
門をくぐり抜けるとパティオ。右手奥に門、左手奥に玄関。手前の左手には大きな可動式ガラス窓を配し、内と外を繋げた構造に。右側の壁の中にはピザオーブンとキッチンカウンターが。屋外レストランのような楽しい空間。
風景や空が楽しめる家!
バスルームとベッドルームは1部屋に。洗面鏡とベッドのヘッドボードを背中合わせにした構造が斬新。イタリア製〈サルヴァトーリ〉の大理石タイルの壁がクラス感を醸す。ベッドは、シェドラーによるカスタムメイド。トイレはドイツ式個室を別に設置。
ティノ・シェドラー[Tino Schaedler]
1972年、ドイツのヒルデスハイム生まれ。
2008年よりLA在住。映画のアートディレクター、ミュージックビデオや
CMなどのプロダクションデザイナー兼クリエイティブディレクター、建築家。
サンフランシスコのように急な坂が多いエコー・パーク。隣街のシルバーレイクと同様にたくさんのアーティストやクリエイターが住む。ここに「急な坂の頂上で眺めが最高。個性的な人が多くて刺激的だから」という理由で土地を購入し、自ら家を建てたのがティノ・シェドラー。映画のアートディレクター、プロダクションデザイナー&クリエイティブディレクターであり、レディー・ガガやジャスティン・ビーバーなど大物セレブのMVや〈レクサス〉のCMも手掛ける。さらに建築家の顔も持ち、まさに多芸多才だ。
家のコンセプトは内と外が繋がった開放感のある構造とミニマリズム。可動式ガラス窓でリビングルームと外のパティオを繋げ、大きな本棚や屋外ピザオーブンは壁の中に収め、玄関やバスルームはドイツ仕様。リビングルームの巨大な窓やパティオの屋根は、「映画を鑑賞するように、窓や屋根のフレームから風景や空を眺められる工夫を凝らした」とか。また、来日時に触れた禅の思想の影響で、グレーの濃淡で禅の落ち着きを演出。
さらに、洒落たインテリアのコツとして明かしてくれたのがライティング。照明で様々なムードを演出できるとか。「気に入った家具が店になかったから」と、自ら作ったデイベッドやコーヒーテーブルも印象的だ。あなたにとって家とは? と問うと、「家族にとっての聖地。家族や友人たちと楽しく過ごす場所」。家もライフスタイルも楽しく創造する彼らしい答えが返ってきた。
邸宅データ
●敷地面積:0.17エーカー(約210坪)
●家の面積:2300平方フィート(約65坪)
●家の値段:300万ドル(1ドル130円換算で約3億9000万円)
●部屋数:4部屋(寝室2部屋含む。バスルームは4室)。2階建て
●築年:2016年
●建築家:ティノ・シェドラー
●家族構成:妻、子供2人、計4人。ペットは猫1匹、犬1匹
パティオからハリウッドサインが真正面に見える。「屋根の構造を映画のフレームに見立てた。ラウンジソファに座って、映画鑑賞するように空を眺められる」とシェドラー。プロジェクタースクリーンを設置して屋外シアターとしても利用。
壁の中に収めた本棚が特にお気に入り。味のあるレザー製ソファは、ドイツから輸送。彼の妻の父親の思い出の家具とか。コーヒーテーブルは「気に入ったのが見つからず、スチールと大理石を用いて自分で作った」そう。
2階に上がる階段に天窓を付けて、外光を享受。
可動式ガラス窓で内と外を繋げて、開放感のある空間に。こちらの巨大な窓も、映画のフレームを意識した造り。窓際のデイベッドに座って瞑想をするのが彼の日課とか。
①静寂なバスルーム
パームツリーが爽やかな雰囲気を作るバスルーム。バスタブに浸かりながら、夜景や星空も楽しめる。バスタブは米国の〈コーラー〉。
②絶景を望むデイベッド
「家の構造で一番気に入っているのが、リビングルームの巨大な窓と窓際に作ったレザーの快適なデイベッド。窓から見えるパノラマ風景が最高」とか。パティオにはハンモックも作り、リラックス感が倍増。
③黒が基調のキッチン
黒で統一したキッチンは究極のミニマリズム。冷蔵庫も食器棚もすべて壁の中に収めてすっきり。オーブンや食洗器などのキッチン機器は、オーストラリアの〈フィッシャー&パイケル〉。ダイニングテーブルと椅子は、スチールと大理石でシェドラーが作ったそう。壁には彼の息子が7歳のときに描いた絵が。
④ピザを作る屋外キッチン
「よく友人たちを招いてピザパーティを開く」という、パティオにある屋外キッチン。この壁面にピザオーブンやキッチンカウンター、暖炉を収めている。
⑤裏庭にもデイベッド
裏庭にもデイベッドを置いて、くつろげる空間に。観葉植物、小さな噴水、ファイアーピット、テーブルとチェアも設置して癒しの雰囲気たっぷり。ここからもハリウッドサインや街並みが一望に。左奥には、サウナ、ジャグジー、水風呂を建設中とか。
⑥個性的なデコレーション
リビングルームの一角にシェドラーの趣味と精神がつまったコーナーが。スケートショップ〈キングスウェル〉から譲られたバスキアの絵、ヴィンテージの音響セット、一緒に仕事をした人気アーティストのカウズから贈られた人形、仏壇などがずらり!
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雑誌『Safari』6月号 P67~70掲載
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photo : Tomo Tany text : Yoko Fujimoto