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2020.12.10


〈ローブリュー〉の“豚肉料理”

カフェの居心地とレストランクオリティの料理で東京のナチュラルワインシーンを牽引してきた西荻窪〈オルガン〉。オーナーの紺野真シェフが、修業時代から現在まで通い続け、「最も影響を受けた」と話すシェフの一品とは!?

フロマージュ・ド・テート(1600円)
店の自家製シャルキュトリーの中でも1、2を争う人気メニューで、ほかの多くの料理同様、開業時から変わらないレシピ、スタイルで提供。部位によって異なる肉の食感と、とろりとしたゼラチン質の濃厚さがワインを呼ぶ

オススメしてくれたのはこの人!
〈オルガン〉紺野 真シェフ造り手の信頼も厚い“自然派”ビストロ
2021年に10周年を迎えるナチュラルワインビストロ。料理にガストロノミーの要素をプラスしたり、ペアリングを提案したりと、少しずつ進化。ナチュラルワインのすそ野を広げ、シーンを盛り上げてきたオーナーの紺野シェフは、ワイン生産者にもファンが多い。
住所:東京都杉並区西荻南2-19-12 営業時間:15:00~21:00L.O(土・日曜12:00~14:00L.O、17:00~) 定休日:月曜、第4火曜 TEL:03-5941-5388


■紺野シェフ
技術が詰まった食べるたびに感動する一皿

特定の料理人のもとで修業をした経験を持たない紺野シェフは、“心の師”と仰ぐシェフが何人かいると話すが、その筆頭が櫻井シェフ。

「シェフのシャルキュトリーの本から、多くを学ばせていただいた。何度も食事にお邪魔していますが、毎回感動します」

銘品揃いのメニューの中で外せない一品を挙げるなら、“フロマージュ・ド・テート”(豚の頭のテリーヌ)だそう。

「軽く温めて出してくださるのが櫻井シェフ流。ゼラチン質が形を保つギリギリの温度で口溶けよく、風味も豊かに。一方、ソースはフレッシュで、全体としては上品で軽やか。僕にとって究極の一皿」

家族と、あるいは気の置けない仲間とくつろいで食事をするのも好きだけれど、櫻井シェフの店へは信頼する同世代の料理人仲間と行くことが多いのだとか。

「料理からなにを感じ、自分たちはどうするのか。気合を注入するべく“詣でる”ような気持ちでお邪魔しています」

■櫻井シェフ
華やかさや目新しさでなく味の本質を

レシピもメニュー構成も、開業時からほぼ同じ。豚の頭で作られる“フロマージュ・ド・テート”は、テリーヌ型で固めるのが一般的だが、櫻井シェフは筒状に成形したものを薄切りにし、美しい断面が見えるよう盛り付ける。

「材料の下茹でから完成まで3~4日と、手間も時間もかかる料理。筒状に成形するのは、テリーヌ型に流し固めるよりさらにひと手間が必要。でも、来店のたびにこれを召し上がる常連さんも多く、今さら形を変えられないんですよ」

笑いながらそう話すが、手間と時間が作る味は、櫻井シェフの料理の真骨頂だ。

「長い間、食べ続けられてきた料理には、レシピの工程ひとつひとつにきちんと理由がある。便利な道具も増えたけれど、料理のルーツや土地の文化を伝える味を作るには、やはり近道はないんです」

技術より表現が先行しがちな昨今のレストラン業界で、変わらず職人仕事を貫き、味を知る大人を魅了し続けている。

Check1 フレッシュなソース
刻んだパセリやコルニッション、ゆで卵などをオイルで和えたグリビッシュソースに、トマトでフレッシュさをプラス。濃厚なテリーヌの味わいを、重たく感じさせない一工夫

Check2 仕上げに軽く温める
豚のゼラチン質で固めたテリーヌを、一皿分に切り分けて真空にして保存。盛り付ける前に湯せんで軽く温めることで、ねっとりと濃厚な食感をより楽しめるよう仕上げている

LAUBURU[ローブリュー]
バスクの郷土料理を軸に豚肉料理に力を入れ、18年の歴史を重ねてきた〈ローブリュー〉。櫻井信一郎シェフのスペシャリテは、特注の炭焼き台で焼く豚肉のローストや、自家製シャルキュトリー(食肉加工品)。小手先のテクニックではなく、現地の食文化への深い理解と愛情をエネルギーに磨き続ける味は、フランス人をも唸らせるほど。料理人をはじめ食のプロたちにも信望の厚い店だが、ビジネスマンのグループから年配の1人客、家族連れまでゲストの層は幅広く、老若男女が集う様もまた現地の上質な食堂さながらだ。
愛されて年月を重ねてきた艶やかさがある店内

天城黒豚 骨付きロースのグリエ3200円

炭焼き台が店の一角に。開店前から塊で火を入れる

櫻井シェフ。シャルキュトリーに関する著書もある

 
Information

●ローブリュー
住所:東京都港区南青山6-8-18 
営業時間:18:00~21:00L.O(土曜・祝~20:00L.O)
定休日:日曜
TEL:03-3498-1314

雑誌『Safari』1月号 P214~215掲載

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photo : Jiro Otani text : Kei Sasaki
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